魔女
佐藤は悩んだ……
たとえ低い確率であっても、サラが生き返る可能性があるのであれば…バーニング達について行きたい。
しかし、時空石も早くフルメタルカンパニーに届けなくては地球の存亡に関わる……
〜サラの命と地球の命〜
普通に考えれば答えは簡単である…
しかし、佐藤には……その"2つの命"の重さ……を計る事はできなかった。
そこで佐藤が出した答えは……
「どちらも救う」
どう考えても佐藤にはそれしかなかった。
「どうすれば2つの命を救えるのか?」
佐藤はそれに焦点を置き、考えていた………
「…………………………」
その時、マオが言った。
「佐藤さん、悩んでいるみたいですが……
よろしければ力になりますよ♪」
…………………
「おい……巨乳………」
「はい♪」
「俺はこの時空石を、元の世界に早く届けなくちゃならん……」
「はいはい♪」
「しかし元の世界に戻ったら…恐らくここには戻ってこれんし、元の世界でもやらなくちゃならない事が沢山ある」
「なるほど♪」
「…………………」
「佐藤さんはどうやってこの世界に来たんですかー?」
「アリス……」
「アリス………………?」
「アリスっていうガキが次元の裂け目作って、そこに入った」
「アリスってまさか……」
「??」
「黒髪で7〜8才ぐらいでワンピース着た……キレイな女の子……ですか……?」
「あぁ………確かにこっちのアリスは髪黒かったな」
…………………
「………………魔女…………ですね………」
「魔女?……
魔法使いとなんか違うんか?」
「………そうですね、違いますね……根本的に」
マオの表情が若干曇る……
「……………??」
「考え方…属性…種族…使う魔法の根元…
全てが違います……佐藤さんの世界でもそういった人々はいませんでしたか?」
……………………
「…………いるな………」
(ネオサイバーサイドや中央管理局みたいなもんか…………)
「お前ら魔法使いと、魔女は敵同士なんか?」
「敵……では在りませんが………
お互いに干渉する事はないです、わかり合えない存在なので」
「よくわからんなー……」
「属性の違う者同士が干渉しすぎると世界に大きな不幸が訪れる……とされています。
お互いそれを知っているので、干渉しないという暗黙のルールが存在しているんです」
「よくわからんが……そうなのか……
……………
とりあえず、俺……アリスに会ってくるわ」
「………………」
「アリスに会って相談してみるわ」
「…………どうやって会いに行くんですか?」
「時空石を手に入れたら、最初の草原に戻って来いって言われてんだ」
「なるほど………」
マオと佐藤の話を、深刻そうな表情で聞いていたバーニングの口が開く。
「よし……佐藤、行こう!アリスの所!」
「…………」
「行きましょう、佐藤さん!3人で♪」
…………………
「………魔女とは干渉しないんじゃねーのかよ………」
「何とかなるべー佐藤!気にすんな!」
「そうですよ♪たぶん大丈夫♪」
…………………
(ホント適当だな…コイツらはよ……)




