オプティマイザー・ガンマ
サラを肩車しながら、佐藤はバーニングの元へと急ぐ
「サトー……さっき……凄い音したね……」
「ああ」
「バーニング……大丈夫だよね……」
「大丈夫だ………あんまりしゃべんな、舌かむぞ」
「…………うん……」
…………………
豚王の間が見えてくる……
何故か……静かだった………
…………………
佐藤は入口手前で立ち止まると、サラを下ろし
「危ないからここにいろ」
「……でも……サラもつよい魔法使えるよ!戦えるよ!」
「…………………俺があの豚倒すから、ここで見てろ」
「…………………」
「動くなよ」
「…………………」
サラは不安そうな…悲しそうな…なんとも言えない表情を見せた……
佐藤は振り返り……"burning speed ball"の付与された鉄パイプを握りしめ、豚王の間へ突入して行く!
佐藤が入口をくぐると……そこには
首から下……恐らくほぼ全身を、まだら模様に火傷したバーニングが横たわっていた……バーニングからは、皮膚が焼けた強烈な臭いと煙が立ち上っている………
「おい!魔法使い!生きてんのか!?」
佐藤は急いでバーニングに駆け寄った
「……………佐藤……………か………………逃げろ………」
「……………まだ生きてるみてぇだな…………」
「逃げろ……アイツは…………無理だ…………」
「いいからお前はここで休んでろ」
「………………佐藤……………」
佐藤は玉座を見上げた
そこには豚王が暇そうに座っている………
「やっときたねー…ピンクの悪魔君…………っていうか……君、悪魔じゃないよね?」
豚王は立ち上がる………左手には特殊な剣を握りしめている…………
(あの武器………見たことあるぞ………)
……………
「その武器……何とか……オプティマイザーとかいう武器だろ?」
「おお!知ってるのか!このオプティマイザー・ガンマ!」
「豚が何でそれ持ってんだ?」
「私はオプティマイザーに選ばれた者だからだよ、君……この世界の人じゃないね?」
「ああ……って事は………お前もか……」
その時……バーニングが痛みに耐え……佐藤に語りかける
「……佐藤………アイツ………魔法が………効かないんだ………」
「……わかったから……もう喋んな」
………………
「かかって来ないのかいー?ピンク君ー?」
豚王が佐藤を挑発する
………………
「覚えとけ……俺の名前はピンクじゃなくて…………
佐藤だよ!」
佐藤は鉄パイプをギュッと握りしめると…
豚王に向かって走り出した!!




