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誘拐もとい生贄になった娘

きっと独りよがりの話になると思います。文章力ないので、読みにくいかもしれません。ごめんなさい。

 気が付いたらここにいた。


 異世界なんだろうとそう思う。



 だって、今。マミの目の前にいる生き物は元の世界にはなかったもので、まあ、伝説の生き物と言っていい類のものだった。


 確かに、ドラゴンは古くから小説の世界にはたくさんあった。元の世界の現実に存在はしないと思う。


 そう、ドラゴン、元の世界では西洋と東洋のドラゴンがいた。


 マミの母親が主有していた大好きだったマンガにも西洋系花冠のドラゴンの話の世界があり、子供のころからマンガ大好きのマミは当然のようにその話が好きだった。


 いつかドラゴンに乗って空を飛んでみたいと子供心に思ったし、異世界に飛ばされて見目麗しい王子様と結婚したマンガの主人公のような素敵な恋にも憧れた。



 どうしてここにいるのだろうと思い至ったのは、自分の死である。



 ああ、なんで死んでしまったんだろうと今でもそう思う。


 空中に浮かんで霊となった自分はただ、あの人たち(両親)の嘆きをただ見ているだけだった。


 いや、泣くだろうと思ったよ。


 一応あの人たち(両親)にとって、マミはたった一人の子供でたった一人の娘だったから。


 特に母親の号泣はつらかった。死ぬなんて思ってもみなかったから、あんなに号泣されて、通夜や葬式の間もずっと人目をはばからず泣きっぱなしの母親に多少ドン引きしたけれど。


 そのせいで、あの人たち(両親)のそばを離れられなかった。


 心配だった。


 もともとあの人(母親)は死に願望が強くて、もしかして、自分のあとを追いかけて死んでしまうんじゃないかとそう思わずにいられなかった。


 だから、自分をみえる人がいて、その人に頼んだ。


「心配しているから成仏できない」


 そう言ってもらったよ。


 それからは何故か、マミの位牌に向かってあの人(母親)は


「マミが自分の好きな世界に転生して自分の好きな人生を歩みますように今度こそ絶対に幸福になれますように」


って毎日のように願われてしまった。




 そのせいかもしれない、気が付いたらここにいた。



 目の前に食物連鎖の頂点に立つんじゃないかと思うような大きな西洋系のドラゴンがいるという状況で。


 しかもマミは村娘Aにしかすぎない、ただのモブだった。



 あまりの恐怖で前世の記憶を思い出したのだ。



 また、人生詰んだ。



 異世界に転生して、ただの村娘Aだったとしても、何もしていないうちにドラゴンに食べられるなんて、最悪の第二の人生は早くも終わろうとしていた。


 あの人(母親)の呪いかもしれないとかふと思った。


 死ぬ少し前まで、あの人たち(両親)とマミの仲は最悪だった。


 死んでホッとすると思ったのに、反対に号泣されて、違和感満載だった。


 それでも、泣いてもらったのはうれしかった。


 一応あれでもマミの両親だ。


 マミが消えてうれしいなんて思われていたら、最悪だったかもしれない。


 ただ、異世界に転生しても、幸福をつかむこともなく、ドラゴンの腹の中に収められる運命なんて最悪な第二の人生。


 それは間違いなくあの人(母親)が願ったものだ。


 だから、怒鳴りたくなった。


「どこが幸福になれるっての。ああ、二度目の人生詰んだ」


 心の底から、そう思ったのに、意外な返事が返ってきた。


「お前の魔力が気に入った」


 そう言った目の前のドラゴンは、マミを食べようとしたのか、口を開けておびえる彼女をパクっと咥えた。


 それから、大空に羽を広げて飛び立った。


 そう、いきなりのドラゴンの村娘Aの誘拐である。


 誘拐というのは無理があるかもしれないが。


 むしろ、生贄にささげられましたというのが正しい。


 そばにいたらしいこの世界の両親と村人たちがポカンとドラゴンに咥えられた娘を下から見ているのが見えた。


 たった10年の命でした。


 ごめんなさい。


 一応は育ててもらった恩はある。


 だけど、ドラゴンの生贄に差し出したのは彼らでもある。


 感謝はするけれども、一応の義理は果たした。


 誘拐もとい生贄にされた挙句にドラゴンに食われるかもしれないたった10年の人生。


 前世が戻らなかったら、きっとすねることもなく運命に従っただろうね。


 たった10歳の娘に何ができるというんだ。


 森に現れたドラゴンの生贄にささげられた人生。


 悲観にふけっていたマミを咥えたドラゴンは、空を悠然と飛んでいた。



 よく考えたら、ドラゴンの背には乗っていないけれども、これってやっぱりドラゴンに咥えられているが空を飛んでいるってことだ。


 そう思ったら思わず景色に見惚れてしまった。


 そう、狭い村の中でしか生きてこなかったたった10年、視界が開ければ、そこには箱庭のような素晴らしい世界が広がっていた。


 たくさんの森、点在する家々の集まり、それをつなぐ道。


 ああ、やっぱりここは異世界。


 マミの見知った世界はどこにもない。


 それでも牧歌的な風景は、最後にマミの心にしみわたる。



 村娘Aだった彼女の人生は、村娘Aからきっと村人Bと結婚してそのままモブとして終わる人生しか考えられなかった。


 まさか、ドラゴンの生贄になるとは思わなかったし、人生の最後に素晴らしい景色を堪能できた。



 まあ、それだけでもこの人生はよかったのかもとふと思えるような達観した気持ちになれたのは、やhり、前世の30年の記憶が戻ったからかもしれない。



 ただ、残念なのは、この世界でもまた結婚できなかったことだ。



 唯一の後悔があるとしたら、やっぱり、ウェディングドレスを着たかったかも。



 それに尽きる。

一人娘を亡くして2年と半年、自覚するには恥ずかしいのですが、オタク人生まっしぐらの両親をもった娘はやはりオタクでした。その彼女が生きているとき、いつも異世界に生まれ変わりたかったということを話してました。私の持っていたマンガや小説(ファンタジーはもちろんSFからミステリー恋愛など様々ですが)、それにもちろん、親がするゲームに夢中になっていた彼女は当然夢見る夢子さんでした。

声優になりたいと言った彼女と無理だと言った私たちとの間に溝ができて、それでも埋められずに事故で死んでしまった彼女のためではなく、自分の気持ちの整理に書くことにしたので、すごく独りよがりなお話になると思います。

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