その時郷ひろみは二本の指を立てて何と言ったか?
「バ、バカ………す、素敵な名前ね………」
「…………」
「…………」
「どうしたの?」
「んん??ええ??な、なんでもないわよ、なんでも。さて朝食を作りましょうかね………」
「…………」
「…………」
「どうしたの?」
「え、ええと、そ、その、ば、バカ、ふぇ、ん、うん、バカも手伝ってくれる?」
「ええ!喜んでバカも手伝うわ」
私は横たわっていたベッドから起き上がり、ソフィアに笑顔をを向ける。気のせいかソフィアの笑顔はさっきよりぎこちない。どうしたのかしら。
「ソフィア、私は何を手伝えば良い?」
「そ、そうね、バ、あなたはお芋をむいてくれる?」
「任せて」
「…………」
「…………」
「ね、ねえ、バ、バカ………」
「ん?なに?」
「一つ質問なんだけど………」
「なあに?何でも聞いて」
「じゃ、じゃあ聞くけど……」
「うん」
「あなたって…………」
「うん」
「男よね?」
私はその日から三日三晩じっくりコトコト寝込んだスープ。
「ああ、よく寝たなぁ、さすが南極大陸の朝は違う」
俺の目に飛び込んできた美しい少女。ソフィアだ。ただ一つ異なるのはソフィアの顔がすぐれないということだ。何があったのだろう。
「どうしたのソフィア」
「ん?んーとね。実はあなたに一つ言いたいことがあって…………」
「なに?何でも言ってくれよ」
「んじゃあ言うけど………」
「うん」
「ここ」
「うん」
「南極大陸じゃなくて」
「うん」
「日本よ」
「うんうん」
近衛田宗一の冒険が始まる。