どうなるの!!??どうなるの!!!?
「かっこいいなぁ、このバイク」
「そうだねえ」
「マジかっこいいよねえ、うん」
「うんうん」
「例えるならさあ、どんなかっこよさだと思う?」
「ん?ん~~~朝青竜」
「おいお~~~い、もっとみんなに共感してもらうかっこよさを表現しなよぉ」
「あ、すいませ~~ん(ぺろッ)」
「ところで綾さんさあ」
「うん」
「この状況どう思う?」
「愛と正義の悪を貫くラブリーチャーミーな敵役」
俺たちはパトカー十台に追いかけられていた。
20XX年、夏。風が気持ちいい。
「ところでさあ、いてえよお」
「ん~?なにが~?」
「お尻がぁ~」
「ん~?英語わかんな~い」
「おいおい~、英語言ってね~よ~生粋のジャパニーズだよぉ」
「そっかぁ。ところでさあ~」
「うん」
「パトカーガス爆発って何語?」
「そりゃあ何語でもねえよお、敢えて言うならチンパンジーだよお」
「そっかぁ…………」
「チンパンジー!!!」
綾さんは走ってるバイクの上からゴミ箱に向けてキックをかまし、そのゴミ箱をものの見事に一台のパトカーにクリティカルヒットさせてチンパンジーを完成させた。ルパン三世もビツクリだよお。
なーんて
考えてる場合じゃねえええええええええ。
綾さん何してるんですか。俺たちとうとう行くとこまで行ったよ。こりゃ、仙台駅周回してるだけじゃおさまりきらねえよ。どうする!? どうする!?
「なにも悩むことはない」
その時俺は天の声を聞いた。
「今からでも遅くはない」
「何がですか?」
「ラーメン屋の店員を人工マッサージだ」
おせえよおおおおおお
普通におせえよおおお。
「綾さん、何言ってるんですか、もうその店員とやらはとっくに病院あるいは天国あるいは家族と談笑でもしてるでしょうよ。そりゃあ現実逃避したい気持ちも分かりますがね?うしろで爆発してるパトカーも現実なんですよおおお」
「やり直したいか?」
「やり直せねえよ!そんな異世界行ったら本気出す!なんてタイトルにつけちゃうくらいドストレートだったら人生バラ色だよ!でもな!現実はそうじゃねーんだよ!俺たちはさっきまで仙台駅の立体駐車場で尾崎豊なんだよ。なんてこったい」
「おいおい」
「なんです!」
「この物語のタイトルを忘れたのか?」
「へ?」
「忘れたのか?」
………………
「ま、まさか」
「言ってみろ!」
「も、もえもえ…………」
「何だ恥ずかしいのか言ってみろ!」
「も、もえもえ………」
「ほれ、恥ずかしがらずに言ってみろって!」
「も、もえもえ………」
「キュンッ!」
………………
何も起こらねーじゃねーかよ!
「ぷぷっ」
その時近衛田宗一の意識は途切れた。