第十五話 思いの重さ
めっちゃ久々の投稿です!!今まで放置すいませんでしたっ!そして久々な為に、この話は暴走しています。ですが大丈夫です!! えっと、また執筆頑張りますのでこれからよろしくお願いしますm(__)m
カムイ……あなたはどうしていつもそうやって勝手なの? 何も分かってない。
ちょっとはあたしを頼れ。
カムイと男の子の気術が衝突してるのをレイン君が助けてくれた気術の中で眺める。
二人は戦いをやめる様子はない。だから見つめてるしかないんだろう。この終わるか分からない戦いを……。
「……レイン君、あたしも……あたしも戦いたい!」
「はっ? アサヒ何言って……」
予想外の朝妃からの言葉に戸惑うレイン。
朝妃の元に駆け寄り、やめさせようと必死に説得を試みる。
「危ないから駄目だよ! それにこれはカムイとリウの戦いだ。誰も手を出しちゃ駄目なんだよ」
「リウ?」
聞き慣れない単語に首を傾げる朝妃に、レインはゆっくりと説明を始めた。
「リウはあいつ、あの男の子。そしてリウはカムイの元パートナーだったんだ」
「ぇええ!! 元パートナー!?」
なんと!! あの男の子はカムイの元パートナーだったのか!! そうなんだ……。
「今は僕だけどね。だからリウは僕を敵対視してる。当たり前だけどね」
苦笑気味にそう言ってレインは二人を見た。
「だからリウはカムイの事を尊敬してるし、大事な存在な筈だよ。もう一度カムイのパートナーになろうとしてる」
「え……ちょっと待って、そしたら本当は……」
「うん、戦うのは僕の方だ。でも……カムイがそれを許さないから」
「どういう……事?」
レインは下を向き、どこか切ない表情になった。
その表情を見て朝妃は胸が痛んだ。
もしかしたら聞いちゃいけない事だったのかもしれないと、後悔した。
「………僕よりリウの方が強い。だからだよ、カムイは今は僕を大事にしてくれるからリウと戦わせたくないんだ。結果は見えてるから」
「そん、な……そんな事ない! レイン君は強いよ! それはカムイも認めてるよっ!」
「どうかな……」
「大事だから、大切だから守りたいんだよ! 怪我させたくないんだよっ! リウがカムイのパートナーになりたいって思っても、今大事なのはレイン君だから! 失いたくないから守るんだよ!! 一緒にいたんだからレイン君は知ってるでしょ!?」
あやふやなレインに痺れを切らしたのか、朝妃は大声でレインに怒鳴った。
しかしレインは俯いて頷こうとしない。
どれだけ追いつめられたのか朝妃には分からないけど、カムイがレインを誰よりも大切にしているのは分かる。
それだけカムイはレインを大切そうに見てきたから。
「カムイはレイン君の為に戦ってるんだよ!! 分かるでしょ!? カムイはリウよりもレイン君のパートナーでいたいんだよっ!!」
………知ってるよ。
カムイが僕をどんな風に見てきたか、痛い程分かる。
でも比べられるのが怖くて、怯えてた。
リウの方が強いし、僕は弱い。
だから必死に力をつけて、カムイと対等になるようにしてきた。
カムイは笑っていつも僕の傍にいてくれた。
それが物凄い嬉しかったんだ。
リウと戦うのは僕だ。
でも僕は負ける、弱いから。だからカムイが戦ってくれて、……でも、それが辛くて……。
「レイン君、あなたは弱くないよ」
「えっ?」
何故心の中で言った事が分かったのだろうかと、驚きの表情を朝妃に向ける。
朝妃は微笑んでレインを見た。
「今までの全部声に出してるから」
「あ……」
一瞬で真っ赤になるレインの顔を見て朝妃は小さく笑うと、言葉を続けた。
「カムイはレイン君を大切に思ってる。来たばっかのあたしでも分かったからっほんとに……レイン君は幸せ者だよ?」
好きな人に愛されて。
「っ……」
レイン君の瞳に涙が溜まって、あたしはそれを見てまた笑ってしまった。
レイン君の泣き顔は初めて見たけど、美形の涙は美しい。
「ねえ、一緒にカムイを応援しよっか! 絶対に勝つよ、カムイは」
確信を持ってレイン君に微笑んだ。レイン君も微笑んで頷き、カムイを見つめる。
戦いの最中だというのにカムイは至って冷静で、二人の視線に気づいたカムイはレインを見て目を見開く。
「お前、何泣いてるんだ?」
「っ! これは……」
カムイに気づかれて咄嗟に視線を逸らすレイン君は、とても可愛かった。
「よそ見しちゃ駄目だって」
―ガキンッ
宙にリウが手にしていた剣が舞う。カムイがリウの剣を払ったのだ。
剣は宙を舞い、勢いをつけて部屋の床に突き刺さった。
カムイはリウの喉仏に剣の先端を当てる。
ここまでくれば結果はもう見えていた。
それを分かってるカムイはニヤリと口端を上げる。
「終わりだな、リウ」
次の瞬間、リウは後方に吹き飛ばされ割れた窓の外へと放り出された。
そのまま下へ落ちていく。これには堪らず朝妃が声を荒げた。
「ちょっとカムイ! 外に放り出すなんてっ!」
「心配いらない、助けが来る」
「はあ?」
朝妃がカムイを睨み付けた時、部屋全体に風が吹き渡った。
しかしレインの気術に守られている朝妃には何の害もない。
静かに窓の外を見つめていると、一人の男が下から上がってきた。
リウを抱いて。
「………カムイ、お前は元パートナーをもこのように傷つけるのか」
「もう元パートナーじゃないから知った事じゃない。そっちも手加減無しで来たから本気になっただけだ」
お互い冷静な口調が続く。
しかし男は諦めたようにため息を漏らすと、またゆっくりと上に上がっていった。
最後に言葉を残して。
「リウが迷惑をかけた、悪かった」
男の声はそこで消えた。
―――――…
「で? レインは何で泣いてたんだよ」
「だからぁ! カムイを心配してだってさっきから言ってるじゃん!」
「そんな事でレインが泣くか馬鹿。レイン、本当の理由は?」
後ろで騒いでる朝妃は放っておいてカムイはレインに向き直る。
レインは照れたように頬を掻くと、照れくさそうに笑った。
「本当だよカムイ、カムイが凄く心配だったからさ……」
暫しの沈黙の後、カムイはため息を吐いて横を見た。
「言いたくないならいい」
そこでその話題は終わってしまったけど、これからも朝妃はレインとカムイについて楽しく話す事だろう。
そしてまたレインの照れた笑顔を見て笑うんだ。
和やかな空気が三人を包むんだ。
ほんっと暴走すいませんでしたっ!! あり得ない展開になったりめちゃくちゃになったりと、反省する点が多々あります……。これからは気合いを入れてまた一から頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします!! ではまた次回お会いしましょう(^-^)/