第7話 セレナの特訓
エリナ視点
「セレナ…。さっきも言ったでしょ。魔法はイメージで魔力を動かすって」
「魔力を動かすって言われても魔力の動きがわからないし、操作できないんだけど!?」
私はセレナに魔法を教えるのに苦戦していた。
セレナは先入観に囚われているのだ。
魔法は詠唱しないと魔力を圧縮できないとか魔力は自由に動かせないとか。
「いい?セレナ?教科書で習った詠唱も魔力を動かすのに役立つけど大事なのは魔力の流れをイメージ出来るかなの」
「でも魔力の動かし方なんて学校で習ってないし…」
「あははは、セレナちゃん!学校で習ったことに囚われすぎwもうちょっと柔軟に考えれるようになろうよ!」
「うるっさいわね!このガキ!あんた師匠な癖にエリナに任せっぱなしな癖にさっきからよくそんな煽れるわね!」
「だって教えようとしたらエリナが「師匠の教え方じゃ絶対無理だからやめて」って止めてくるんだもん!」
「仕方ないじゃないですか!シュバババとか言われ
ても普通分かりませんよ?」
あの時あれでよく分かったなって昔の自分に感心する。
「セレナ、魔法というのは私達が理解できない謎の力。そんな力を理解しようとするのが良くないの。謎の力ならそういうものだと思って自分なりに想像してみるのが大切なの。私も昔は魔法は詠唱しないと使えないものだと思い込んでた。でも師匠に出会ってから気づいたの。魔法学校で習った魔法なんて魔力の使い方の一部でしかないってことに。魔力はもっと自由に応用が効くものだということに。だからもっと柔軟に魔力を捉えられるようになったらいつか気づくよ!」
「柔軟に…。私は学校の都市伝説Sクラスに入りたくてこの学校に入学してきた。そして、私は授業をしっかり聞いて、予習も復讐もして、一日中魔法の勉強に取り組んできた。でも届かなかった。あんたにも...Sクラスにも…。ねぇ、エリナ…。Sクラスの人達ってその魔力を柔軟に考えることができたからSクラスになれたのかしら…」
「多分そうだと思うよ。Sクラスの人達は魔力を自由自在に操ることができたからなれたんだと思う」
「分かったわ。私、次会った時にはもっと柔軟に魔力をイメージできるようになるからその時はまた勝負しなさい!」
「分かった」
「ねぇ、そのさっきから話題に上がっているSクラスってなんなの?」
「師匠、Sクラスは魔法学校の都市伝説でまだ人類で数人しか到達してない境地と言われていて、どこにいるのかはわからない。けど噂はよく耳にするの。地面を割ることができるとか海を分断できるとか山を粉々にできるとか。だいぶ話を持ってるけどとにかく雲の上の存在として認識されてるの」
「ふーん、それくらいなら私でもできるけどね」
「はあ!?そんなことできるわけないでしょ!?」
「あははは、師匠ならできる気がしてくるのが怖いです」
「エリナ、あんた昔いつかSクラス様みたいなすごい人になりたいとか言ってなかった?今は憧れてないの?」
「私はもうユイさん一筋ですから。正直Sクラスの人よりユイさんのほうが恐れるほど未知数だと思ってますから」
「あんた変わったわね。そんなちびのどこがいいんだか」
その言葉を聞いた瞬間、ユイさんの手が震えた気がしたのは気のせいだろうか。
「とにかく!私はいつかあんたを超えてすごい
大魔法使いになってやるんだから覚悟しといてよね!もし私との勝負の約束を忘れて先に死んだら許さないんだから!」
「分かった。約束守るから」
私はセレナと別れを告げ、ユイさんに向き合った。
「…ユイさん。そろそろ行きましょうか?」
「ふぅ…やっと終わった暇だったんだよ?」
「すいません、わがままに付き合わせちゃって」
「いいよいいよ!割と人が苦戦してる所を見るのは面白かったし!後私のことは今後師匠って呼んで!」
「…師匠って結構性格悪いですよね」
そんな会話をしながら私達は黒霧の神殿を目指して旅だった。




