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第6話 旅の始まり

ユイ視点

「この裏道を抜ければ装備屋に行けるよ!」

「ユイさんなんか私よりこの街のこと詳しくないですか!?」

私達はエリナの装備を整えるために一番近くの街に来ていた。

そりゃずっと数百年間ずっとこの街と森を行き来してたからね。

いつも私はたまにこの街に来て、気配を消して食料を盗んだりしていた。

我ながら最低だ。

「にしてもこの街はずっと昔から変わらないなぁ」

「ん?なんか言いました?」

「別に何も?」

私達は適当に会話しながら裏道を出た。

すると、ある人物と出会った。

「あんた!もしかしてエリナ?」

「え?あ、セレナさん!」

エリナはその人物が誰か知っているようだった。

「え、えっと…誰?」

「私の名前はセレナ・フロナーデ。エリナのライバルよ!あなたこそ誰よ!エリナのなんなの?」

うぇぇ…なんか浮気された彼女みたいなこと言い出し始めたんだけど…。

「セレナ!紹介するね!この人は私の師匠でユイさんって言うの!」

「はあ!?師匠?こんな子供が?あんたなんか変な物でも食べた?こんなちんちくりんが師匠なんて」

誰がちんちくりんじゃい!そう言いたくなったが、心の中に留めておいた。

「エリナ。私は魔法学校でサボること無く努力し続けて強くなった。だから私に負けるのが怖くなって辞めたあんたなんてもう怖くないんだから!勝負しましょう!魔法の打ち合いで勝った方が相手の下に付く。逃げたら許さないからね」

「師匠。勝負に付き合ってあげてもいいですか?」

「いいよ!ただし1つ条件がある!ちょうどいいし、相手の魔法を無力化する魔法を自分で考えてみて!」

「はあ!?無理ですよそんなこと言われても!」

「無理かどうかはやってみないと分からないよ!何事も挑戦だよ!」

「はぁ…分かりました。できるだけやってみます」

「ちょっと!何ごそごそ喋ってるのよ!早く訓練場に移動するわよ!」

そして、私達は魔法訓練場に移動した。


エリナ視点

私は昔魔法の練習に使っていた訓練場の中でセレナと向き合っていた。

懐かしいなぁ…。昔よくセレナに勝負を挑まれてその度にこの訓練場で戦ってたっけ。

「じゃあ行くわよ!」

「……我に集え、大気なる熱源、古の盟約に従い、万物を灰燼に帰す……」

セレナは魔法の詠唱を始めた。

長い…とてつもなく長い。

魔法とは高火力なものほど長い詠唱が必要だと魔法学校で教えられた。

私もユイさんと出会うまではそう思ってた。思い込んでた。

でも実際はイメージさえできれば、詠唱なんて必要無かったんだ。

詠唱してる間に不意打ちで倒せるけど師匠に課せられた無効化魔法を考えることにした。


無効化…。師匠が昔私の魔法を分解した時の魔法のことだろうか?

ということは分解が鍵になるのだろうか。

私は詠唱しているセレナの方をじっくり見た。

魔力が手の中に集まっているのがわかる。

でも魔力を完全に集めれているわけではなく、少し魔力が漏れ出てしまっている。魔力が固まっていないのだ。

あれなら私の魔力を送れば簡単に魔力が弾け飛ぶのでは?


「「……九天を舞う火竜の息吹、我が呼び声に応じ、敵を呑み込む渦となれ!」

「放て!爆炎渦巻ボルテックス・フレア!!」

その声と共に手から巨大な炎の竜巻が襲いかかってきた。

…やってみるか。


「はあ!」

私は炎の竜巻に向けて勢いをつけて魔力を飛ばしてみた。

すると、私の魔力と炎の竜巻がぶつかって魔力が弾け飛んだ。

その結果、炎の竜巻はそこに無かったかのように消え去った。


「はあ!?何よそれ!?あんたいつから無詠唱魔法なんて使えるようになったの!?しかも魔法を消す魔法なんて聞いたことがないんだけど!?」

「師匠のおかげ。師匠がいなかったら多分負けてた」

「くっ…!私の負けよ…。…ねぇ。魔法学校に戻ってくる気はないの?」

「私は行かなければならない所があるからまだ学校には戻れない。その代わりなんだけど私が師匠に教わったことを教えてあげる」

「はあ!?なんであんたに教えられなくちゃ…」

「さっきの無効化魔法の正体知りたいでしょ?」

「…分かったわよ!あんたに教えられてあげる!」

「師匠、いい?」

「しょうがない。いいよ!」

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