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ダイヤモンドスター  作者: オカピ
中学2年生編
8/19

初試合③

「4回の表日野さん最終回ね。」

「あー次の回増田さんか。日野さん全然打たれてないけど変わるんかなー」


スコアは8-0。打たれたのは喜多のツーベースのみ

だった。


「変わると思うよ。ノルマもクリアしたし。」

「?ノルマ?」

「うん。これ。」

「!!」


スコアには日野さんの投球内容が書かれていた。

全ポジションに球が飛んでいる。

相手のチームを打たせてたんだ...

しかも自分が思うところに..

いや、打たしていたのは多田さんとも言える。


「普通に打たれたのは喜多くんのツーベースだけだね。それ以降は打たれてないけど。」

「やっぱ凄いバッテリーだな...

これが全国ベスト4のバッテリー!」

「ふふっ」


結衣が少し笑う。


「一輝。キャッチボール」

「ん?あぁ。了解。」


焦斗が声をかけてきた。

6回から投げるんだ。この位から肩を作っておいた方がいいだろう。

ブルペンに向かう途中焦斗と話す。


「日野さんってまじすごいな。制球ビシビシじゃん」

「打たして取るの擬人化みたいな人だからな。」

「多田さんも凄いな。ミット全然動かないし

肩も鬼強い。」

「負けんなよ?」


焦斗が少しニヤリとして俺に言う。

俺は「お前もな!」と言いブルペンに向かう。


2番手の増田さんは少し制球に難があり出だしは

悪かったがその後立ち上がり無失点に抑える。

そして5回の裏、同級生の島崎がブルペンに

走ってきた。


「おーい星ー。次多田さん回ってきたら代打ー。」

「!まじ?行くわー!焦斗!ラスト!」


ベンチに戻ると鎌田さんが打席に入っていた。

今日はホームラン1本ツーベース2本の大活躍。

だがその打席ではグリップを左手。バットの芯を右手で持ちバントの構えをしていた。


「練習試合で4番がバント...?」

「よくやることだよ。あの人全国でも2回犠牲してるし。」

「えっ、あっそうなんだ。」


島崎が丁寧に説明してくれた。

何となく嫌われてると思ってたけど普通に話してくれるんだ...


「なんだよ?」

「いやっ、別になんでもない。」

「早くバット振っておけよ。下手なゴロアウトとかやめてくれよ」

「う、うん。」


コンッ

上手くは無いけど塁を進めるには十分なバントだ。


5番の柴田さんが打席に入る。

俺はネクストでブリブリバットを振っていた。


キンッ!

レフトへの痛烈な当たり。打球が速いが

2塁ランナーの山下さんは帰ってこれそうだ。


パシッ ブン!

「ストーーーーーップ!!」

3塁コーチャーが止める。


レフトの喜多の送球だった。凄いボールだ。

しかしその顔は誇らしげでもなくむしろ

怒りに満ちてるような顔だった。


(ふざけやがって。俺らを守備練習代わりだぁ?

俺らはこんな練習台になるチームじゃねぇ!!)


「代打星です。」

高島コーチが審判に声をかける。

「ヨシっ!いくぞう!」俺は自分を鼓舞する。


ネクストサークルの砂を少量バッテにつけ擦り

バッターボックスに入る。

1番後ろからバット1個分。そこを自分の足に

慣らすように少しだけ掘る。

左手でバットを持ちホームベース外側内側が

届くか確認をする。いつもの距離感だ。

身体の前で2.3回ほど手首でバットを回す。


いつも通り。いつもやってる事をやるだけ。


ピッチャーが振り被る。初回よりだいぶ足が上がっていない。ずっと投げてる疲れだ。

変わったばっかの打者には様子見でボール球が

来る。それがセオリー。


ビッ バシッ

やや外に外れたスライダー。

ビッ バシッ

次は入れてきた。内の真っ直ぐ。やはり球威が落ちてる。

ビッ キーン!!


外のスライダーを逆らわず右に打つ。

ライトポール逸れた。

一瞬場内がザワついたがファールだ。


(今のはブラフだろう。来い。来いよ星。お前なら犠牲フライ打つんだろう。

学童全国の時もそうだった。大振りしてやったのは...)


その時、喜多は思い出す。学童全国大会での

出来事を。


(そうだった。あいつはシチュエーションで)

「一球外せぇ!!!」


ビッ コーン


マウンド2、3歩手前で大きく球が跳ねた。

3塁ランナーは楽々生還。

前進守備をしていたショートは取る体制を

崩したが持ち直し一塁へ送球。


ズザァーー

頭から行った一輝も一塁でセーフだった。


9-0 星一輝中学初打席初安打初打点。

























ご視聴ありがとうございました。

次回初試合最終です。

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