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ダイヤモンドスター  作者: オカピ
中学正編
60/72

1つずつ

中附ボーイズ。

俺らが去年の夏、予選大会決勝で激闘を繰り広げた

西東京市部でも力のあるチームだ。

その1人である長房泰斗。

身長190cmを超える中学生とは思えない体躯と

ポテンシャルを兼ね備えた天才投手だ。

夏では自分一人さえいればいい、練習なんて必要ない

という選手だったが、チームプレーを覚えさらにパワーアップしている選手の筈だ。


対する多摩大ボーイズは、近年着実に力を付けて来た

ボーイズチームだ。

セカンド、ショート、センターの三兄弟が力をつけ、

荒浪率いる西村山中央ボーイズを下し予選ベスト4を

勝ち取ったチームだ。


どちらが来ても決勝は厳しい試合になりそうだ。


パァァァン!!

「ボールバック!!」

中附ボーイズのキャッチャー、平石が声を発する。

先発はエース長房...ではなく2番手の矢澤だった。

長房は4番レフトだ


多摩大ボーイズベンチ

「どうやら長房泰斗は投げないようですねぇ」

「あぁ、明日の桑山戦に備えているのだろう。」

「舐められたものだ。今日勝たなければ明日も無いと言うのにな」


ベンチ前で喋っているのは丸田三兄弟

上から一郎太、二郎太、三郎太だ。


「すぐに引きずり出してやりますよ」と三郎太。

「そうだ。レフトから見ていられいるのも今のうちだ」

と二郎太。

「三郎太、初球から打てよ。球数を稼ぐ必要も無い。

すぐにノックアウトする。」と一郎太がテンポよく話す


「プレイ!!」と審判が告げ、試合が始まる


スッっと足を上げる矢澤

ビッ! 投じた初球、真っ直ぐが外いっぱいに向かうが

キィィィン!!と綺麗にライトへ打ち返す三郎太。


「なに?!」

(初球から振り抜いてきた!)


一塁に着くと得意げにバッテを外す三郎太。

続く2番の二郎太はバントの構えだ。

キャッチャーの平石がファースト、サードに警戒を促す


ビッ! パァン! 「ボール!」

慎重に入るバッテリー

二郎太はバットをギリギリまで引かずにいた。


続く2球目もバントを構えるも、バットを引く。

だがここはストライクを取られカウント1-1。

盗塁を警戒してか、ボールが浮つく。


3球目、ビッ!っと放った矢澤。

その瞬間、完璧に盗んだ一塁ランナーの三郎太が

スタートを切る。


「スチール!!」と叫ぶ一塁手

「くっ!今か!!」と中腰になるキャッチャー平石。

だが、キィィィン!! っと二郎太が浮ついた球をライトへシバく。


0アウトランナー1.3塁となり、3番の一郎太に回る。

一郎太は打席に入りスっとバットを長房が居るレフトへ

向ける。

まるで「早くお前が投げないと試合が決まるぞ」と

訴えているようだった。


パァン! 初球、2球目とボールが外れ、カウントは

2ボール。バットを頭の上でくるくる回しながら

余裕そうに構える一郎太。

ランナーの二郎太、三郎太は動く気配がない。


3球目、スッっと足を上げる矢澤。

ビッ! っと放ったストレートは一郎太のインハイに

刺さろうとしていた。

瞬間、カァァン!っと高めを思い切り振り抜く。


ボールはショートの頭を超え、左中間を真っ二つ。


「しゃー!ナイスバッチ一郎太!!」

「1点目!!二郎太も帰れるぞ!!」

とチームメイトが声を発する。


ダンッと3塁ベースを回る二郎太

すると、ビュッ!!っと矢のような送球が

レフトから放られる。


パァァン! キャッチャーへストライク送球が来る。

「何っ?!」っと驚く二郎太。

ザァァっとスライディングを、するも「アウト!!」

っと審判がコールする。


打った一郎太がレフトへ顔を向けると長房が

投げ終えた体制でその場にいた。


「...長房!」

悔しそうに呟く一郎太。


「矢澤!1点なんて気にすることじゃない!」と

背中の1番という番号を見せながら長房が守備位置に

戻っていく。

まるで自分が居る、だから全てを出し尽くせ。

そう背中が語っているようだった。


そのプレーに矢澤は持ち直し、その回は1点で終わった


裏の攻撃、中附の1番〜3番はいい当たりを連発するも

センターラインががっちり固められた丸田三兄弟が

ヒットを許さない。


そのまま回は進み、1-0で5回へ進んでいた。

5回の表、多摩大ボーイズは8番打者が倒れ

裏の中附ボーイズの攻撃へ移る。


キィィン!! 3番平石がセンター前を放ち

2アウトランナー1塁で打席には長房。


緊張が走る初球、カァァァン!と球場に

破裂したような音が響く。


「いったな」

そう呟くのは、試合を見学していた

桑山ボーイズの一輝達。


ドンッ!っとバックスクリーンに叩き込まれた

打球は逆転のツーランホームランとなった。


中附ボーイズは勢いそのまま連打が続くが

この回はその2点で終わった。


6回、中附ボーイズは投手の矢澤がレフトへ。

そしてエース長房泰斗がマウンドを登る。

ご視聴ありがとうございました!

次回もよろしくお願いします!

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