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ダイヤモンドスター  作者: オカピ
中学正編
58/70

卒団式と最後の試合

年が明け、1月の追い込み期間が始まった。


投手陣は勿論のこと、野手陣もひたすらに走った。

1番辛かったのは最終日に行った

150m走を10本30m走を10本、20m走10本の

ガチ追い込みダッシュだった...

チームの半分以上はゲロゲロとそこら中に吐き散らかしていた。


俺や焦斗、御手洗、島崎は吐かずに走り抜いたが

それでも膝はガタガタ震えていた。


焦斗と言えば、1年生の投手小川が弟子入りしたそうだ。

練習終わりのランニングに毎日必死に着いて言っていた

焦斗もあぁ見えて結構面倒見が良いのかしっかり

面倒を見ていた。今年のベンチに入る筈だし、球を受けるのが楽しみになってきた。


そして2月の下旬。

3年生の引退試合、退団式を行った。



2月20日 桑山ボーイズ第1グラウンド


「しょれでは1.2年生VS3年生の試合を行ふ。礼!!」

「「お願いします!!!」」


主審の高島コーチがマスクをつけながら喋り辛そうに

声を張上げる。マスク取ればいいのに。


3年生のピッチャーは勿論元エースの日野さんだ。

マスクを被るのは多田さん、見慣れたコンビだ。


「さっさと入れ未熟者共!!先輩に花持たせるとかしょうもないこと考えねーで思い切り来やがれ!!」


何度も聞いたその怒号に御手洗が嬉しそうに打席に入る


「多田さん!お願いします!怪我治ったんすね!

あ、日野さんもお願いします!」

「うん。全力でこい」

「てめぇ御手洗!俺はついでか!!」

「...プレイボール!!」


高島コーチのコールで試合が始まった。


グッ...っと日野さんがワインドアップで振りかぶる。

ボッ! パァァン!! 「ストライク!!」


「凄いボールだな...前よりもパワーアップしてる」

「うん。日野さん、去年の10月のボーイズ世界大会でさらに強くなったよね。」


結がそう言い、俺も頷く。

ボーイズ世界大会。数年前から始まった世界大会だ。

日本選抜チームが集結し世界の強豪たちと戦う。

日野さんはその選抜チームに選ばれ2試合を完投した


パァァン!! 「ストライクバッターアウト!!」

「くっそぉ〜!」

「出直せアホガキ!」


悔しそうに唸る御手洗に日野さんが捨て台詞を吐く


「一筋縄じゃ行かないな...!」

そう言いカポッとヘルメットを付け俺はネクストサークルに向かう。


カァァン!! 「!!ファースト!」

パァァン! 「日野!」 「放れ!」

「くっ!」 ダンッ!


2番摩耶の一二塁間への強い打球を元主将鎌田が捕球し

カバーに入った日野へパスする。

綺麗な連携プレーだ。


「摩耶か...いいバッティングするじゃねーか。頑張れよ」

「あ、ありがとうございます!!」

「ちょっと日野さん!俺にもそういう言葉ください!」

「黙れ御手洗!...さてと」

「日野さん!胸、借ります!」

「フンッ!来いや星」


日野さんと俺の戦績は一勝三敗

初対決の時は真っ直ぐだけで打てたけど

シートバッティングじゃ抑えられっぱなしだ。


「リベンジ...させてもらいます!」


フーっと右手に息を吹きかけながらスイッチを切り替える両者。

グッ...っと力を溜め、ボッ!っと球を放る。


パァァン!!「ストライク!!」


速い...インコースビタビタだ。

球速だけなら焦斗にだって劣らない程進化してる。

でも、だからってみすみす凡打はされないぞ


ビッ!タァァン! 「ボール!」

鋭いカットボールが内からボールに外れる。

危うく手が出そうだった。


グッ…ボッ! パァァン! 「ボールツー!」

「チッ...手ぇ出さねぇか。流石だな」


2ボール1ストライク。バッティングカウントだ

インインからの3球目外、セオリーならカウントを取りに来る...狙うのはカウントを取りに来るスライダー。

を待って真っ直ぐをカットする...!


グッ...ボッ!

(来た!真っ直ぐ!カット...)


そう一輝が思った瞬間、「クンッ!」っとボールが

沈んだ。

「な?!」


ゴチンッ!っと鈍い音を鳴らしながらボールはボテボテとピッチャーの前に転がる。

ビッ! パァン! 「アウト!!」


「縦カット...いや、ツーシームですか...」

「あぁ。頭から離れてたろ。まだまだ詰めがあめぇな」

「...次は打ちます!!」

「残念、後ろが控えているからな、一巡で俺は交代だ」

「えぇ!もう一回だけやりましょうよ!!」

「ダメだ。高校まで取っておけ」

「...ハイ!!」


フッと笑い、日野さんはベンチへ戻って行った。





カァァン!! ドムッ!!

「えぁ?!」

「まじか」


凄まじい打球はレフトフェンスを超え奥のネットに

突き刺さった。

打球はネットに当たっていながらも勢いはそのままだ。

打ったのは元主将で元主砲、鎌田さんだ。


「ふははは!いっき!天野!まだまだだな!!」

「流石日本選抜4番...異次元ですね。」

「そうでもないさ。俺と日野、2人とも選ばれたが

日本だけでも俺らより凄いやつは居るし、

世界はもっと広かった。実際世界一はなし得なかった。いっきよ...お前は日本だけで収まるなよ!」

「凄い...ですね...はい!

俺はもっともっと強くなります!」




試合は7回まで続き、3-5と3年生チームの勝利で

引退試合は幕を閉じた。


試合後、3年生のみで最後のミーティングが行われていた。

何を言われたかは分からなかったが

3年生全員目元が赤く腫れていた。

そして3年生全員で重いであろう鎌田さんを胴上げしていた。

次は日野だ日野だと全員が寄って集って持ち上げようとしていたが、日野さんは走って逃げていた。

それをまた追う3年生。


遠くから一輝、焦斗、御手洗、島崎がその光景を眺める。

「いいチームだよな。」

「あぁ。俺らもああいう風になれるかな...」

「作ろうぜ、星!俺らで最強最高のチーム!」

「お前に頼りすぎない。いつでも俺らを頼れよ」

「御手洗...島崎...あぁ!作ろう!これから!」

「春の大会予選も、再来週からだな...

抽選、明日だろ?頼んだぜキャプテン」

「あぁ!任せろ!」


ご視聴ありがとうございました!

春の大会編、次回から開幕です!

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@Dsutar15525

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