表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダイヤモンドスター  作者: オカピ
中学正編
57/71

日の出

秋のボーイズリーグ全国大会が終わり数日が経過した日の朝。


AM5:00

一輝、焦斗、結はいつも通り朝のランニングの為

休日の公園に集まっていた。


「おはよー」

「おはー」

「おー」


気の抜けた挨拶に始まり3人でダラダラストレッチを

していた。

秋の全国大会の後、2日間の練習がオフとなった為

3人は土曜日の朝からランニングをしようとしていた。


「流石に連戦ばっかで疲れたな〜」

「まぁな。一輝はフルでマスク被ってたし

疲労もそれなりにあるだろ。監督もそれを組んでのオフだろ」

「まぁそれでも個人練習はして平気だからな。

俺はフルで出たけど決勝は何もしなかったし...」

「3タコ」

「うるせっ!」


2人が冗談を話し合いながらストレッチをしていると

結がおもむろにカメラを取り出す。


「ねね!結局試合の後取材とかで3人で写真撮れなかったから今撮ろうよ!」

「え〜?撮るならユニがいいわ〜」

「俺は別にいいや。カメラ貸せよ俺が撮ってやる」

「なんでよ!3人じゃないと意味無いでしょ!!」


そんな会話をしていると、思い出すように一輝が

焦斗に質問をしだす


「そういえば今年の初日の出はどーする?また高尾山まで走って行って山頂で過ごす??」

「うちあれきついから嫌だ〜!パパに連れてってもらおーよー!」

「あ、一輝、結。悪いけど俺今年は広島帰るから

年末年始こっち居ないんだよな」

「えー?珍しいな!いつも行かねーくせに!」

「まぁ...和也と約束しちまったからな。」

「和也...?あぁ坂町ボーイズの迫か。

そういえばそんな約束してたな!じゃー球納の日から次会うのは年始の練習ん時か!」

「ああ。すまんな」




同刻、舞鶴市多目的広場


パンッ!っと言う乾いたグローブの音が広場に聞こえた


「なんやねん凪翔、急にキャッチボールしようって」

「まぁいいやん。練習終わって蓮も暇やったやろ?」

「暇やったで!兄ちゃん素振りしてたし!」

「暇ちゃうわアホ」


そこでキャッチボールしていたのは

舞鶴ボーイズ鷹宮蓮と同じく舞鶴ボーイズキャプテン白鳥

そしてもう1人は妹の鷹宮凛。


ザッ...ザッ...

3人が話しながらキャッチボールをしていると

2人の男が近寄ってくる。


「おっ、来たんやな」

「あ??....お前は...」

「よう。白鳥、そして鷹宮!」

大柄で体格がいいがまだ子供のような笑顔を向けているのは大阪天王ボーイズキャプテン藤大吾。

その隣には鷹宮を嫌そうな目で見るエース泉優心。


「...藤...」

「久しぶりだな」


白鳥、泉、凛が3人でキャッチボールをしているのを

見ながら藤と鷹宮がベンチに腰を下ろす。


「一輝達は強かっただろう?お前は活躍したらしいがな!一輝から聞いたよ。」

「...」

「だが次ウチがお前らや一輝達と当たった時は絶対に負けん!それまで覚悟しておけよ!!」

「...それだけか??」

「ん??」

「俺にそんなことを言いに来ただけなんか?

開会式の時のこと...なんか無いんか??」

「あぁ。あれか。白鳥から聞いたよ

俺や一輝達を動揺させる為にああいう言い方をしたんだってな。」

「そうだ」

「んー。まぁ確かにあれのせいで俺はお前を意識してしまったな。見事な策略だった!」

「そうじゃないやろ。勝つ為とは言え、あれは良くなった。」

「そうだな。だがお前が言っていた通り、俺の親父は人殺しや。でもな、そんな俺ら家族を一輝は許してくれたんや。だからもういい。」

「...」

「...すまなかったな」

「え?」

「...なんでもない。次当たった時の為にちゃんと

練習しとけよ。俺らも次取るのは一番や。

下から俺らがてっぺん取るとこ目かっ開いてよく見とけ」

「はっはっは!!望むところだ!!」

「てかお前らわざわざ大阪から京都まで来たんか?

どいつもこいつもどんだけ暇やねん」

「暇なお前に構ってやれって白鳥に言われてな!」

「誰が暇やねんボケ」


2人が雑談を交わしていると

「おい鷹宮!肩あったまったからバット持って

打席入れや!リベンジや!!」と泉が声を張る。


「え?!私も入っていいですか?!」と

妹の凛がヘルメットを被り打席に走っていく。


「女の子相手でも俺は手を抜かへんぞ!」

「凛ちゃんは地元のソフトボールチーム入ってるからな!手を抜いたら逆に痛い目を見るぞ泉!」

「上等や!白鳥!お前も打席入れや!!」


そんな3人のやり取りを見て藤と鷹宮がベンチから

腰を上げグローブを持って守備に着く。




12月、桑山ボーイズが球納が終わり新年までオフとなった。





ー広島県坂町ー

バタンと車を降り焦斗は荷物を持ちながら

「迫」という家の門をくぐる。

ふと気がつくと玄関の前には焦斗の従兄弟である

坂町ボーイズキャプテン、迫和也が立っていた。


「久しぶり」

「ん。荷物置いとけよ。」

「そうする。...キャッチボール....するか??」

「ああ。やろう。」

2人は口数こそ少なかったが、数時間かけて

キャッチボールや野球の話をしていた。






1月1日

初日の出を見に来ていた一輝と結。


「結局山には登るの〜?」

「身体動かさねーと!ほら走れ走れ!」

「も〜!」


まだ暗い空、2人は暖かい飲み物を手に山頂の塀にもたれ掛かりながら話す。


「全国制覇...しちゃったね」

「あぁ。ちょっと時間かかっちまったけどな。」

「でも凄いよ!ちゃんと約束守ってくれたね!」

「...ここまで来れたのは間違いなく俺一人の力じゃなかった。」

「そうだね。みんなの力があってこその日本一だもんね」

「....」


一輝は言葉を詰まらせながらも続ける


「来年は春夏連覇!桑山ボーイズ最強世代を

作る!だから見ててくれよな!」

「まだ神社じゃないよここ!...ふふっ」


初日の出と共に一輝は再び日本一を目指すと宣言した。


ご視聴ありがとうございました!

次回もよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ