表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダイヤモンドスター  作者: オカピ
中学正編
55/71

負けん気

6回裏桑山ボーイズの攻撃

打順は7番新沼からだ。


「天野が勢いを断ったとは言え、1点差だ

下位打線から始まるうちの攻撃、ピッチャーにプレッシャーをかけ続けろ!」

「「はい!!」」


監督の朝日が激励を飛びしていると球場アナウンスが流れた。


《6回裏、守備につきます首里ボーイズシートの変更をお知らせします。》


円陣を組んでいた桑山ナインがグラウンドに顔を向ける


《ピッチャーの新垣くんがライト、ライトの大城くんがショートへ。ショートの比嘉くんがピッチャーへ。

1番、ピッチャー比嘉くん。》


首里ボーイズWエースの1人、

比嘉琉太がマウンドへ上がった。


パァァン!!

投球練習でもわかるそのボールの勢い、速度。


「新垣の球見た後だとより早く見えるな」

「あぁ。新沼!初球ビビらずガンガン振れよ!」


御手洗の言葉にコクっと頷き新沼が打席へ入る。


「プレイ!!」

審判の掛け声と共に比嘉がセットポジションに入る。

そしてゆっくり足を上げる。


ボッ! パァァン! 「ストライク!」

(おぉ早い...)

そう思わず口にしそうになった新沼、掲示板も136kmを計測していた。

ボッ! パァァン! 「ストライクツー!」


(テンポ早いな。ていうか...なんかすげー...)

ボッ! パァァン! 「ストライクバッターアウト!」


外のボールを見逃し三振に倒れた新沼

8番の梶原に打席が回る。

新沼がベンチへ戻ると一輝が声をかける。


「ボール球か?」

「いや、審判が正しい。ホントに手が出なかった。

すいません監督。」

「球が伸びてきたか??」

「はい。かなり伸びます。体感は130後半です。あと...」

「どした?」

「テンポ...が早いのはそうなんだけど、タイミングが取りずらいかな...ゆったりしたフォームであの球が来ると少しビビるかも。」

「梶原には伝えたか??」

「はい。通り際に」

「分かった。全員、ベンチとネクストサークルでタイミングをしっかり合わせろ。打席に入ると入らないじゃかなり変わってくるが、ある程度は掴んでおけ!」

「「はい!!」」


パァァン! 「ボール!!」

ベンチで話していた間、カウントは1ストライク3ボールとなっていた。


(テンポと球は早いけどコントロールはそこまでだな。)

パァァン! 「ボールフォア!」

「くそっ...」

比嘉がロジンをつけながら悔しがる。


次は9番の山崎、今日の試合初めての打席だ。

左打席に入りバントの構えをする。

その構えを見て怪訝な顔をする比嘉だが、すぐにセットポジションに入る。


スッ...ボッ! カァァン! 「ファール!」

勢いのあるボールは山崎のバットを弾きファールゾーンへ飛んでいく。


「くっ...」

悔し顔をする山崎。比嘉はマウンドから1歩前へ出た。

まるでバントが成功しないのをわかっていたような態度

2球目も山崎はバントの構えを崩さずいる。


ビッ! タァン! 「ボール!」

スライダーが外れカウント1-1

3球目、またもバントの構えで待つ山崎。


スッ...そう比嘉が足を上げた瞬間、一塁ランナーの梶原がスタートを切る。


「スチール!!」ファーストが声を上げるもスタートは完璧。キャッチャーの中曽根が中腰になった瞬間。

山崎がバットを持ち直し キィィン!っとヒッティングした

打球は一二塁間を割りライトへ。

ヒットとなり1アウトランナー1.3塁

桑山ボーイズがチャンスを広げる。

打席には1番御手洗奏汰

初球、スクイズを警戒し大きくボールを外す首里バッテリー

2球目はスライダーがインコースに刺さり

御手洗も思い切りスイング。ファールとなり1-1

そして3球目、緊張が走りながらも足を上げる比嘉。


ボッ!! パァァン!! 「ストライクツー!!」

外の真っ直ぐに手が出ずカウント2-1。

次で決まる。そう皆が思いながら対決を見守る。


グッ...ボッ!! カァァン!

内に入った真っ直ぐを御手洗が振り抜く。


打球はライトへ上がる。タッチアップをするには

際どいポジションだ。

3塁ランナー梶原は行方をじっくり見ている。

ライトには今日快投をしたエース新垣


パァン! ダッ!!

「行ったぞ!!」

「バックホーム!!」

「渉ー!!」

叫ぶ首里ボーイズ。

「突っ込め!!梶原!!」

叫ぶ桑山ボーイズ。


ボッ!! 矢のようなボールがマウンド横で跳ねる

タンッ! パシッ!! そのボールをキャッチャー中曽根が捕球。

梶原が避けるようにスライディングをする。

バシッ! ズザァ!

「...」アウトかセーフか、審判が少しの沈黙の後に口を開く。


「...アウトォ!!!」


「しゃぁぁ!!!」

首里ナインが叫ぶ。


投げ終えて仰向けに倒れた新垣が呟く

「ノーバンは無理だったなぁ...ははっ...」


7回表桑山ボーイズの攻撃はピッチャー比嘉の

無失点リリーフ、そしてエース新垣のホーム刺殺で

無失点に抑え、最後の攻撃へ挑む。

ご視聴ありがとうございました!

次回もよろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ