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ダイヤモンドスター  作者: オカピ
中学正編
51/72

南の海から来たボール

パンッ!! 「ナイスボール!」


後攻の桑山ボーイズが守備につきボール回しをしている。マウンドにたっているのは2年生左腕 白田甲(しろたこう)


「白田ー!誰もお前に期待してない!打たれてこい!」

「白田さん!気持ちで負けないで行きましょう!」


御手洗、摩耶の2人に冗談を叩かれながらも

白田はポンポンっとロジンをつける。


「あいつら言いたい放題言いやがって...」

そう言いながらもその顔は少し微笑んでいた。



昨日、公民館の部屋で告げられたスターティングメンバー。


1.遊 御手洗

2.一 摩耶

3.捕 星

4.右 島崎

5.左 天野

6.中 綾部

7.二 新沼

8.三 梶原

9.投 白田


最初聞いた時はキャッチャーの俺自身、決勝は焦斗で

行くと勝手に思っていた。

しかし決勝の首里ボーイズは準々決勝、準決勝と

延長を投手を交代で投げ抜き勝ち上がってきた。

きっと監督はその事を懸念して白田に先発を任せたのだろう。焦斗もいつでも行けるように+最近バッティング好調だからこの起用だった。本人はすごい不貞腐れていた。


《1番.ショート.比嘉くん》

そうアナウンスされ左打席に入る比嘉。


ぺこりと主審、そして一輝に頭を下げながら打席に

入り、軸足の位置を決めていた。


比嘉琉太、本格派右腕でありながら打撃センスも抜群。

今大会7割近い打撃を披露していてそれなりに有名になっていた。


「プレイ!!」

審判の声が響き、試合が始まる。


「さぁ来い!!」っと、桑山ナインが吠える。

サインを交し、白田が腕を真上に上げる。


グッ...ビッ! タァン!! 「ストライク!!」

初球アウトロービタビタ。

この制球力で打者を打たせるのが白田の投球だ。


比嘉は一瞬体をピクつかせたが、打ちに行こうとしていなかった。


(初球ここ取って貰えたのはデカイぞ。次は...)

インローにカーブ、外れてもいいという配球だ。

白田も頷き投げる。


ピッ! タンッ! 「ストライクツー!」

「「!!」」


一輝、比嘉が同時に驚く。

若干外れ気味だ。しかし取ってくれた。


(今日の主審は低め広いぞ。使っていこう。)

3球目は外の真っ直ぐが外れ2-1。

2人はサインを交わし振りかぶる。


ビッ! タンッ!! 「ストライク!バッターアウト!」


比嘉は一輝が取ったボールをじっと見つめ、打席を離れていく。


「よしよし!白田いいボール!いい流れ!」

(最近良くバッターボックスで話しかけてくる奴多いからなんか話しかけて来ると思った。)


続く2番もファーストフライで倒れ2アウト。

白田の立ち上がりは上々だ。


《3番、ピッチャー、新垣くん》

「うっしゃァー!ブリブリ振っていくぜ!」


その大きな声に一輝が反応する。


(元気いいなコイツ。比嘉とは真反対。)

「おう!おめぇが星だな?!真っ向勝負しろ!」

(うわ、話しかけてきた。ほんとに真反対。)

「君!私語は謹んで!」

「っす!すいませんっす!」

(如何にも真正面から勝負するバッターだな...

でも油断すんなよな白田。コイツコレでも結構打つから)


コクリと頷き振りかぶる。

グッ...ピッ!

「オラァー!」 ブンッ!!

タンッ!! 「ストラインク!」


勢いよく振り抜いたが全くタイミングが合っていない。

なぜ真っ直ぐじゃないんだと言う顔でバットを見る新垣。

その後は2球とも変化球で空振り三振となった。


「おっけー白田!低めいっぱいに決まってんぞ!

あそこ投げとけばまず打たれん!変化抑えめでいいな!」

「おぉ!ほんと?でもあの3番ちょっと怖いな。」

「あいつは特別、変化あってないからこのまま変化で押し切ろう!」


1回の裏、桑山ボーイズの攻撃は1番御手洗だ。

前の試合では1安打だったが気持ちは乗っている。

そして相手先発は背番号1番、さっき空振り三振をした

新垣渉だ。左のサイドスローで低い位置からボールが来る。


「プレイ!」審判の掛け声で新垣がセットポジションに入る。


「っしゃ!行くぜ!」

スッ...ググッ.... ピッ! 「うらぁ!!」

タンッ! 「ストライク!!」

低めいっぱい、球は遅いが制球力は今大会でも随一だ。


「御手洗ー!狙っていけー!」


タンッ! 「ストライクツー!」


(低い...っていうかコイツほぼアンダースローじゃねぇか!下から過ぎて軌道が読めねぇ...あと...)


グッ... ピッ! 「しゃァァ!!」

カァァン!! 「ファールボール!!」


(コイツ声の割に球がクソ遅せぇ!!打撃妨害レベルにうるせぇ!)


「打ちずらそうですね。」

「あぁ。俺もこういう投手は初めて戦うよ。

投げ方も性格も...」

「一輝君は右打者だから見えやすいんじゃないですか?」

「だといいんだけど、遅いボールが下からライジングするなんて想像つかねーよ...」


キィィン! 「クソっ!」

「りゅーーたー!!」


ボテボテの当たりはショート比嘉の所へ。

「うっさい...」 パシっ! ビッ!!

パァァン! 早い握り変えで御手洗をアウトにする。


「しやぁ!1アウト!!」

「うっさいぞ渉!!毎回やって飽きねぇのか!」


味方からの野次にも屈せず、アウトコールをずっと一人で叫ぶ新垣。


2番の摩耶も手元で動く変化に上手く合わせられず

ピッチャーフライを打ち上げる。


《3番、キャッチャー、星くん》

そのアナウンスに、スタンドが湧く。


「星だ!星一輝!!」

「夏から名を挙げてるよな...プロスカウトも見に来るって言ってるし、あそこで見てるのアメリカの高校らしいぜ...」


一輝が打席に入ると、新垣の目が輝く。


「来たな...!ラスボス!」

まるでプロ野球選手にサインを貰った子供のような顔で

一輝を見つめる新垣。


そのままググッと足を上げる。


ご視聴ありがとうございました!

次回もよろしくお願いします!!


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