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ダイヤモンドスター  作者: オカピ
中学正編
50/73

沖縄二枚看板

「よし。全員揃ったな。それじゃぁチームミーティング始めるぞ」


ある公民館の一室で桑山ボーイズのミーティングが始まろうとしていた。

舞鶴ボーイズとの試合を終え一夜明けた夕方、

ベンチ入りメンバーが集まっていた。

コーチの高島がある資料を手に説明を始める。


「まず、昨日の試合は良くやった。相手も癖のあるチームだったが、それを打ち崩し、守り抜いた。

昨日の勝利は明日の試合への大事な経験だと俺は思う。」


つらつらと話し始める高島、いつも選手のデータは

マネージャーの結が説明をするのだが、今日は用事が

あったようでお休みだ。


「昨日、大宮球場での埼玉の狭山西ボーイズと沖縄の首里ボーイズが戦い、首里ボーイズが決勝へのチケットを手にした。今年の夏は全国予選敗退、春も同様だ。

その為あまりデータはないがマネージャーの朝日ができる限り集めてくれた。」


さすがは結だ。自分の行っていない球場の事も

バッチリだ。今頃ドラフト会議を見ているだろうが。


「首里ボーイズは投手をローテーションさせて投げていて、全く掴めないチームだ。だが今からあげる2人が、間違いなくエース級だろう。」


高島コーチはそういうとペラりと資料をめくる。


「まず1人目は左サイドスロー新垣渉。

最速115kmと早くは無いが、手元で四方に曲がる変化球が特徴的だ。」


変則ピッチャーで四方にバラける球...

対戦したことないなぁ〜。


一輝がそう考え込みながら聞いていると、高島は続ける。


「次に2人目が右の本格派比嘉大弥。最速128kmの真っ直ぐと鋭いカットボールを投げるそうだ。」


カット...投げてみたいなぁ...

今度一輝に聞いてみるか。


焦斗もボケ〜っと聞き流しながら右手でボールを遊ばせていた。


「この比嘉という選手は基本中継ぎ、抑えのような系統をされていて、基本的には1番でショートを守っている。

ローテーション的には明日は新垣が投げるという。

だが今更何を準備しても遅い。自分達の全力を100%でぶつけていけ!!」


「「はい!!」」


泣いても笑っても明日で秋は終わりだ。

負けて散った奴ら、俺らに経験をさせてくれた奴らの

分まで、全力で明日は挑むのみだ!





[首里ボーイズサイド]


タンッ!! 日が落ちた公園に3人の影が映る。

首里ボーイズエース新垣渉(あらかきわたる)

同じくエース比嘉琉太(ひがりゅうた)

そして正捕手であり主砲の仲宗根仁(なかそねじん)だ。


「今のはどうだ?!手ぇでんだろ?!」

「ダメだダメだ。星だったら行かれてるぞ。」

「厳しいな琉太!このコースなら絶対打たれないだろ!」

「そんくらい高ぇ壁っつー事だ。ダウンして帰ろう。明日試合だ。」

「お前は投げんのかー?」

「俺が投げんくても勝てる試合作れ。」

「なんじゃ!そりゃ!」

「だいじょぶやっさ渉。琉太が出て俺が返す。渉が抑えて俺らが勝つ。それでいいさ。」

「そねが言うなら良いよ〜。でも琉太適当に言ってるからな〜。」


とぼとぼと歩いていく3人の後ろ姿はやがて見えなくなる。





次の日、大田スタジアムPM12:30。

両チームが整列する。

桑山ボーイズ8年の歴史で全国大会出場7回。

首里ボーイズは19年の歴史で5回。

共に強豪と言われるチーム同士、

700チームの頂点をかけた試合が始まろうとしていた。


「礼!!」

「「「しゃぁす!!!」」」



ご視聴ありがとうございました!

次回より秋の全国大会決勝、VS首里ボーイズが始まります!よろしくお願いします!!

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