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ダイヤモンドスター  作者: オカピ
中学正編
49/70

番外編:結のドラフト会議前夜

舞鶴ボーイズとの試合が終わり、帰路に着く桑山ボーイズ


「結〜この後みんなと飯行くけどどうする??」

一輝が結に声をかける。

そうすると結は真剣な面持ちで


「ごめん。ウチは用事あるから。」

「用事??...あぁ。そういえばそんな時期だな。」


10月下旬。プロ野球ファンにとっては大事な日が

近くなっていた。そう。ドラフト会議だ。

結はフォロワー数70000人を誇る「球ファン」という

SNSアカウントを運営している。一人でだ。


「ただいまー!ちょっと勉強するから!」

勢いよく玄関を開きドタドタと階段を駆け上がっていく。

[無許可の立ち入り禁止]と書かれた張り紙がある部屋のドアを開け、カバンと靴下をベットへ放り投げる。

勉強机に向かいパソコンを開く。


「んー。もうそろそろ全球団公言してもいいと思うんだけどな〜。全球団公言しないなー。」


そう呟きながらパソコンをカタカタと鳴らせる。


[球ファンさんは○○大の○○はどこがとると思います?]フォロワーのコメントが目に浮かぶ。


「そうですね。○○君は大阪出身のThe阪急ボーイなので大阪タイガースが肌に合うと思います。しかしタイガースは今年ブレイクした○○選手が…」


1来たら100返す。このアカウントでは定番となっている

現象だ。


[こいつが女子大生とか嘘だろ]

[おっさんが成りすましてる]

[フォロー外さないから正直に言いな?]

などそれなりの罵詈雑言を浴びせられるが


「女子大生がこんな時間に野球のこと騙ってもいいだろ」

「おじさんがなりすましていたとしてもこの熱量は凄い」などフォロワーからのフォローも熱い。



キーンコーンカーンコーン

学校のチャイムがなりスタスタと優雅に歩く結。


「あ、朝日さんだ!」

「今日も可愛い〜」


同じ女子生徒が声を上げる。

結は気づきその2人に手をヒラヒラさせる。

「きゃ〜!」


ぺこりと一礼し、またスタスタ歩き出す。

その歩く姿には品があり周りの生徒も釘漬け。

女子生徒しか居ないこの学校では結は人気を誇っていた。

「結〜。もう帰んの〜??」

「あ!きっちゃん!」

声をかけてきたのはお嬢様校には似合わない

不良っぽい見た目の生徒。通称きっちゃん。

2人は一緒に歩き出し校門を抜ける。


「すっごい人気だなぁ〜。アタシもあやかりたいぜ」

「うん…」

「キャラ作んのも大変だな〜」

「ホントにね…入学初日、本当にミスった。」

「まーあとちょっとだし頑張れよ〜」

「うん。あ、やばいもうこんな時間!じゃぁきっちゃん!またね!!明日ウチ試合で来ないから!」

「おぉ!頑張れ〜!あと何か知らんけど急げ〜!」


バスを下り同じ中学校の生徒が見えなくなると

結はカバンにしまっていたランニングシューズを取り出しローファーと取り替える。

そして勢いよく走り出し家へ向かう。

15時40分。時間は余裕。家に入るなり手を洗い、うがいをし、すぐに寝間着へ着替える。

そしてリストアップしていた選手役140人を

1位2位3位と育成までランク付けをする。

その表をSNSに投稿し一息つく。


「フー...」っと椅子にもたれ掛かると意識が遠のく。


ハッ!! っと急に目が覚める。

「時間は?!18:40??!!ヤバいヤバい!」

テレビを付けるとドラフト会議も中盤に差し掛かっていた。


「○○君は??!!…1位でヤクルコー!的中!」


それから各選手の指名を見ていく。


全ての選手を見た頃にはもう20:00を回っていた。



はぁー!疲れた!!

○○さんは東京タイタンズ、○○君は東北イーグル!

予想の2/3位は当たったかな〜…

いつかきっと、ここに出てよね。 一輝…



そう思い、結は再び瞼を閉じた。


ご視聴ありがとうございました!

次回、秋季全国大会決勝!

よろしくお願いします!!

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