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ダイヤモンドスター  作者: オカピ
中学正編
42/73

ラストチャンス

パシっ!「アウト! チェンジ!」


4番藤の同点タイムリーツーベース、

5番北島の逆転打で勝ち越しをした天王ボーイズは

6.7番も出塁するも舞鶴ボーイズ投手東山が無失点に抑える。


「よっしゃ!ここ守りきって次の回もバリバリ点とってくで!」

「「しゃぁ!!」」


前の回とは別人の様にチームメイト達が声を出す。

それとは対照的に、舞鶴ボーイズのベンチは暗かった。


「すまん...みんな...勝負早ってもうた。」

「き、気にすんなや岡崎!」

「せや!あんなん打つ藤がどうかしとるんや!

東山もよー投げた!胸張って...」

「何がよー投げたや。欲張って勝負して。

完全にゾーン入っとった藤に勝負とかアホか。岡崎交代、南お前が捕れ。」

「た、鷹宮...」


高圧的な態度の鷹宮にチームメイトが更に沈む


「そ、そんな言い方無いやろ!!」

そう声を荒らげたのはサードの伏見だ。


「はぁ?」

「お、岡崎も試合前配球考えて東山をリードしてたやろ!」

「結果はどうや??逆転打打たれてこのまま負けたら何が残るん?」

「でも...岡崎も沢山努力して...あっ...」

「ばかお前!」


伏見の言葉にチームメイト全員に冷や汗が滴る。

俯いたまま鷹宮が声を発する。


「はぁ??」

「いや...今のは...うぶっ!」

伏見が声を発しようとした瞬間、鷹宮が口をガッと掴む。


「なぁ?伏見ぃ?努力がなんやって??」

「いやっ...ちがっ!」

「努力したとか、頑張ってきたとか。

そんなん結果が出てへんかったら意味無いんよ

負けたら終わり、やって来たこと全てパーや。

それでもお前なら努力しても適わなかったらしょうがないとでも言うんやろうなぁ〜。」

「か、監督!」

「...」


選手が監督に声をかけるも監督も見ているだけだ。


「くっ...」

「自分で努力しましたなんて言うやつはカスや。クズや。自分への慰めや。結果が出るまで努力したなんて言うな。そーゆーんは結果出してインタビューされた時だけ言えばええんや。」


徐々に手に加わる力が強くなった時、ポンッと鷹宮の肩に手を置いた者がいた。

キャプテンであり鷹宮と共に二遊間を守る白鳥凪翔だ。

少しひあ汗を垂らしながらも鷹宮を宥める。


「蓮、審判が見とる。これ以上はアカン。」

「ちっ...はよ行けや次の打者!!8番木元やろ!!」

「は、はい!!」


6回の表、舞鶴ボーイズは8番木元からだ。

パンッ!! 「ストライクバッターアウト!!」

しかし勢いを取り戻したバッテリーの前にあえなく三振


「おい。東山。」

「!な、なんや??」

「まぁーそう固くなるなや。俺はお前の事はなんとも思っとらん。お前は岡崎のリードに従ってええ球放ってた。自信もったらええ。」

「え??」

「ええか?東山。落ち着きや。セカンドの奴見てみぃ。まだ今日ノーヒット、守備でも1個やらかしとる。お前より落ち着いとらんな〜。」

「あ、あぁ。」

「揺さぶりかけろ。セーフティの構えだけでええ。」

「え??」


《9番、ピッチャー、東山くん。》


「さぁ豊田!バンバン打たしていこか!!」

「うっさいぞサード!豊田!サード不安やからショート打たせよか!!」


チームメイトの掛け声もあり、いいテンポで投球フォームに入る。


スッ...ビッ! 「!セーフティ!!」

ファーストサードが前に出てセカンドがカバーに入る。


スッ... パンッ! 「ボール!」

ビッ! スッ... パンッ! 「ストライク!!」

「ええで豊田! やらせてええ!!」


(それでええ。ワンストライク取られたな。

次も取りに来るはずや。決めに来るボールで...)

スッ...ビッ!! カァァン!

バスターからヒッティングになった為、

弱々しい打球がセカンド定位置に飛ぶ。

だがカバーに入っていたセカンド柴崎は少しボールに入るのが遅れる。


「間に合うで柴崎!ここに来い!!」

藤がそう呼び、柴崎は捕球する。

ビッ!「あっ...」 「くっ!!」

浮ついたボールを藤がジャンプして取る。が、ベースから足が離れてしまう。


「おぉぉ!!」 ダンッ! ダンッ!!「セーーフ!」


際どいタイミングだが僅かに先に東山の足がベースを踏む。


「すまん豊田、大吾!!」

「気にすんな!次ゲッツー貰おか!!」


カァァン! 打順は1番西に戻り初球を捉える

ライト前に落ち1アウト1.2塁。打席には2番白鳥凪翔。


堪らず天王ベンチがタイムをとり伝令を送る。


「落ち着いて1個ずつ、豊田ん球は走っとるから

内野は1個ずつ、白鳥の次は鷹宮だけどゆっくり自分たちのペースで!例え同点や逆転されても今のチームなら取り返せる!ってハナちゃん言っとたで!」

「さすがハナちゃん!今俺らが話してたこと一言一句違わず話してきたな!」

「予想通りやったな!俺の賭け勝ちや!」

「やっとる場合かお前ら!集中切らすなよ!!」

「よし!今の俺らなら誰にも負けん!気合い入れてくぞ!」「「しゃぁぁ!!!」」


気合いを入れ直した天王ボーイズが守備位置に戻る。

白鳥が打席に入ると球場が割れんばかりの声が飛び交う


「さぁぁこぉい!!」

「俺にゲッツー取らせろ!!」

「大吾バントケア頼んだぞ!!」

「うっしゃぁ!任せい!!」


その声にも負けず白鳥が構える。

ビッ!パンッ! 「ストライク!!」

「ええボールや豊田!」

「...」

「俺らは負けんで」

「え??」

「お前らのボスが何考えてるか知らんけど、勝つんは俺らや。」

「ボスって...れ...鷹宮の事?」

コクリと北島が頷く。

「あの...俺がキャプテンなんやけど...」

「...とにかく負けんっちゅーことや!」

「...天王ボーイズは本当に良いチームだよ。」

「あ??」

「互いに励まし合い、高め合う。最高のチームやと思う。強いのにも理由がある。」

「...」

「でもそれは...蓮の気持ち、思い...信念ほど曲がってない。」

「え?」


ビッ!! スッ...「スチール!!」「セーフティや!」


豊田からボールが離れたギリギリのタイミングで

白鳥がセーフティの構えを取る。

コンッ! っと音を立てサード塁線上に転がす。

「切れる!取るな!!」と北島が叫ぶもボールは絶妙なところに転がり、切れなかった。


1アウト満塁、打席には今日2安打の鷹宮が入る。

「ここで打ったらヒーローやなー。打たせてくれん?」

「ちっ...」

「落ち着けーい!豊田!北島!!」


藤の声にハッと我に返る2人。

胸にドンッ!っと手を当て2人を見つめる。


なん点取られてもええ!俺らが着いとる!

そう言っているような眼差しだった。


「しゃぁ!豊田!ここに強くこい!!」

「おーおー。バットでも声でもチームメイト盛り上げるとか理想的なキャプテンやなぁ。」


鷹宮の言葉に耳も貸さず、北島は構える。

ビッ! パンッ!! 「ストライク!!」

ビッ! パンッ!!「ボール!!」


「ええ球やね。さすが天王ボーイズ。層が厚いわぁ」

「...」

「あらら。会話もしてくれへんのや。」

ビッ! パンッ!「ボール!!」


カウント2-1

(ここまでは想定通りや。温存しとったこのボールでこいつを仕留めて...勝つ!!)

コクリと軽く微笑み、豊田が足を上げる。

ビッ!! 「おっ....」

強く振った腕に反しボールが来ない。

軽く抜きながら投げることにより回転がかからず落ちる

ボール。チェンジアップ。


カッ!! 「チェンジね。ええボールやけど沈まら無かったらただの棒球やけど。」


キィィィン!!

「あっ....」




6回の裏、天王ボーイズ最後の攻撃。

2アウトランナー1.3塁でバッターは4番藤。

何とか1点をとり未だチャンス。


ビッ! カァァァン!!!

思い切り引っ張り捉えた鋭い打球はファーストの横を抜けようとした。が、セカンド鷹宮がダイビングキャッチ。「アウトー!!ゲームセット!」


集合の号令がかかっても、キャッチャー北島がネクストサークルから動けずいた。

泉が肩を貸し、整列する。

藤は白鳥と握手を交し、隣の鷹宮をふと見る。


そこには無表情でつまらなそうな顔をした鷹宮がいた。

決勝打となるタイムリーツーベースを放った筈が

まるで満ち足りた顔をしておらず、今まで挑発してきた男とは別人に見えた。



スタンドはどよめき、観戦していた桑山メンバーも唖然としていた。

一輝は拳を強く握り締め、ただ鷹宮を見ていた。

その視線に気づき、鷹宮も見返す。

その顔は少し微笑みかけていた。



秋季全国大会2回戦

夏の覇者天王ボーイズVS舞鶴ボーイズは5-3で舞鶴ボーイズが制した。






ご視聴ありがとうございました!

明日も更新予定です!

よろしくお願いします!!

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