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ダイヤモンドスター  作者: オカピ
中学正編
39/70

玉座をねらえ!

PM15:00航空公園球場 第3試合

天王ボーイズ (大阪)VS舞鶴ボーイズ (京都)


パァァン!!


「ナイスボール優心!」

「次、ラスト。」


天王ボーイズエース、泉優心がブルペンで肩を作っていた。


ブォン!! ブォン!!

そしてベンチ前で素振りをしているのは

4番にしてキャプテン、今大会2試合で3本塁打を記録している男、藤大吾。


「なんかあの二人、妙に気合い入ってへんか??

まだ3回戦っちゅーに。」

「確かに。大吾とか試合前いつも眼球ストレッチとかしてんのに、ずっと振ってんな。」


「大吾!そろそろ試合!みんな集めて!!」

「お、あぁ。わかったよハナちゃん。」

「監督代理や!!」



[舞鶴ボーイズベンチ側]


「いやー天王ボーイズ間近にするとなんて言うか...

やっぱ迫力あんなぁ〜。」

「せやなぁ。4番の藤とか高校生にしか見えへんし。」

「なぁたかみ...」


話している選手の後ろで目を閉じ座っているのは

舞鶴ボーイズ:鷹宮蓮。


「アホ!試合前に鷹宮に声掛けんなや!殺されんで!」


「選手ベンチ前!!」

審判の声で両チームが整列する。

鷹宮が整列すると視線を感じた。視線の先には

対に並んでいる藤と泉が睨みを利かす。

それを嘲笑うように鷹宮が見下す。


(おーおー意識しちゃってー。そない睨んでたら怖くて自分のプレー出来んくなってしまうわ。 作戦通りやわ。)


《1回の表、舞鶴ボーイズの攻撃は1番、センター西君。》

「プレイ!!」


「フー...」っと泉が息を吐く。


スッ... 静かに足を上げる。

ビッ! パァァン!! 「ストライク!!」


(うわぁ〜初球からスライダーって...しかもこのキレ...

えっぐいわぁ...)


「本戦...どころか予選大会でも無失点。桑山の天野も無失点やったな。観客はこのふたりの投げ合い見たいんやろなぁ〜。」


鷹宮がそう呟く。


ビッ! カァァン! 「?!」

「サード!!」 パンッ! サードの倉木が取る。

「大吾!!」 パンッ!! 「アウト!!」


「たぁー!おっしぃ!」

「...」

「優心!少し内に入ったな!腕振って来いよ!」

(バットに当てられるのは別に驚くことじゃないが...

2球目でヒット性の当たり...いや、いちいち不安に思うことじゃないな。)


キャッチャーの北島が考える。


《2番、ショート白鳥君。》

白鳥がバッターボックスに入る。


「スライダーのキレホンマエグいわ。真っ直ぐも結構伸びて来よった。」

ベンチに戻った西が全員に情報を伝達していた。


「1番なのになに2球目で終わっとんの??」

ネクストに入ろうとしていた鷹宮が口を開く。


「たった2球で何を伝えることがあんねん。

打てる自信があるならええけどサードゴロて(笑)

見送って球数稼いで球種見せてもらえばええやろ。

なんの為の1番やねんカスが。」

「お、俺は行けると思って」

「行けてへんやん。結果打ってへんのに何反論してきてるん?」

「すまん...」


キィィィン!! 「ファール!!」

キィィィン!!「ファール!!」


「おっけーおっけー!優心ええボールや!攻めてけ!」

(7球...結構粘ってんな。)


キィィィン! パンッ!!

痛烈な当たりはピッチャーライナーとなる。


「すまん蓮。」

「まぁええわ。最低限や最低限。」


《3番セカンド、鷹宮君。》

鷹宮が左のバッターボックスに入る。


(来たな...)


藤、泉の2人が身構える。


(さぁ〜て。お手並み拝見やね。)


バッ!っと泉が振りかぶる

ビッ!! 「おっ?!」 パァァン! 「ボール!」


インコース高め、顔付近に真っ直ぐが突き刺さる。


「おー怖。力んで抜けたんか、わざとなんか。

キャッチャーさんのサイン??」

「...」

「少しくらいお話してくれてもええやろ。」


ビッ!! パァァン!! 「ストライク!!」


「おぉ〜。ええ球!今のスラ?カット??」

「...」

「君!グラウンド内での不要な会話は謹んで!」

「あー。すんませんすんません。気ぃつけます。」


(ボールは走っているぞ優心!!妙な雰囲気を纏って居るが、夏のお前とは真っ直ぐのキレも変化のキレも全て上だ!内に逃げるスライダーだ。自信もって腕を振ってこい!!)


ビッ!! ギュルっと手元で球が変化する。

カァァァン!!! 「「?!」」


完璧に捉えた打球はファースト、藤の元へ

バチィ!! 強い球を藤が弾く。

「くっ!!」 「はっはぁ!」


弾いた球をすぐさま広い、ボールを拾うも、鷹宮が俊足を飛ばす。


ドッ!! ドムッ! 「...セーーフ!!」


「しゃぁー!鷹宮出たァ!」

「続けよォ!四条!!」


「クソっ!取れへんかった!すまん優心!」

謝る藤に泉は片手をフイっと「大丈夫」とでも言うように振る。


「すまんなぁー藤くん。怪我とかないかぁ?

ビッグスターに怪我させたら外あるけんからなぁ〜。」

「ツッ...」

「おー怖。わざとや無いで??事故やん事故。」


《4番、レフト、四条君。》

「さぁ!四条行こうぜ!!ランナー返そう!!」


舞鶴ベンチが声を出す。


ビッ! パンッ!

泉が牽制をする。

「おっとぉ。はは、泉クン気合い入っとるね。

なんか気に触ったこと言うたかなぁ??なぁ藤クン。」

「...黙れ」

「ハハッ...怖いからここに居たくないなぁ。はよ次の塁行こっと。」

「は??」


セットポジションに入る泉、スっと素早いクイックを行う。が、動いたと同時に完璧なタイミングで鷹宮が走り出す。「スチール!!」「「な?!」」

パンッ!! 北島がボールを持ち替える。

(初球ビシバシスタート?!牽制されたばっかで?!)


「来い北島!!」

「遅いわァ」


ズザァーっと鷹宮が滑り込む。「セーフ!!」


「よぉーし!得点圏!!」

「先制点貰おうや!!」


「すまん優心!!」

北島の声に先程同様、手を上げるだけの返事をする。


(ここで切れば盗塁もカンケーない。2球目取りいくぞ)


コクリと頷き振りかぶる。

スッ... 「スチール!!!」

「「なっ?!!」」


2球目、鷹宮がまた駆け出す。


「舐めんなぁ!」 ビッ! ズザァー! パンッ!

「セーフ!!」

「くっ!マジか...」

「フー...セーフセーフ。」


「気にすんな北島!ここ切ればええ!」

「お、おぉ!すまんな!切ろう!」


パァァン!! 「ストライクツー!」


「あーこりゃあかんな。まぁプレッシャーはかけられたやろ。」


パァァン!! 「ストライクバッターアウト!!」


三振に切って落としマウンドを降りる。

去り際、泉と鷹宮の目が合う。

ニヤリと笑う鷹宮、見続ける泉。

ポンッと藤が泉に手を置く。


「ナイスピッチ優心。ここからは俺らの攻撃や!」

「...ふんっ!エラーしとったやつが偉そうにすんなや。」「うっ!だからすまんて。」

「頼りにしとるわ。4番。」

「任せろ!」

ご視聴ありがとうございました!

次回もよろしくお願いします!!

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