新チーム
AM5:00
結は毎朝の日課であるランニングに向かう途中だった。
今日から新チームか〜。
一輝達の代!どうなるんだろ〜
ブンッ! ブンッ!!
いつもの待ち合わせの公園に行くと
風切り音が聞こえてきた。幼馴染の一輝だ。
「おーい!一輝〜!」
「お!おー。おはー」
「おはー。焦斗は〜?」
「しらね。先に走ってるんじゃね?」
「ほんとにマイペース!いつも通りだけど!」
「まぁ大吾達との試合の後ちょっとオーバーワーク気味だな。スカしてるけどやっぴ思うとこあるんだろ。」
「...そっか。そうだよね。」
一輝は他人事みたいに言うけど、それは一輝も同じだよ。
あの日以降毎日軍手がすり減るほど振ってるし
靴もボロボロ。
配球の仕方も前より聞いてくるようになったし。
まぁ何言ってもやり続けるんだろうな。
「どっちも...無理は良くないよ。」
「ん?なんか言った?」
「なんでも!言っても意味無いし!いこっ!」
「おー待てよ〜。」
タッタッタッ...
町内を2人は走りながら話をする。
「新チーム、どうなりそう?」
「どうって言ってもなぁ〜。メンバー入ってた奴らはかなり気合入ってるし、メンバー外の奴らは先輩達に触発されて必死に練習してるから...まぁ良いんじゃね?秋の予選、何があるか分からないけどなぁ」
「そっか〜。あと新キャプテンは誰になるんだろうね!」
「うーん白田とか?てかどうやって決めんの?」
「うちは完全投票制だよ。自分たちで考えて
名前書いて提出。おじい...監督が最後確認して決まるって感じ。」
「へー。自主性と主体性を鍛えるってヤツか。」
「ま〜そんな感じかな...」
ダッダッダ...!!
後ろからものすごい足音が聞こえてきた。
焦斗だ。あぁ、またこの展開なのね。
そう結が思ったのも束の間、一輝が全力で前にでる。
2人の競走だ。そしてうちは置いてかれた。
2日後。AM9:30 桑山ボーイズグラウンド
「集合!!」
そう大きな声で選手を呼ぶのはコーチの高島だ。
「えー先日投票して貰った主将、副主将の件だが、
スタッフで集計が終わった。今から幹部3人の名前を呼ぶから、呼ばれた者は前へ来るように。」
全国出場チームの新主将、その重荷はきっとものすごい。
御手洗なんて目が泳いでいる。
主将になりたいのか怖くてなりたくないのか分からない。
「まず、副主将、1人目は白田甲!そして島崎恵!」
「「はい!!」」
(白田が副主将か。ならもう主将は...)
(白田と島崎!ってことは俺が主将か?!)
早く練習したそうな焦斗と泳ぎまくった御手洗がそう考えていると
「次。主将は星一輝、お前だ。」
「!!」
「?どうした?返事!!」
「は、はい!!」
(俺?俺か?途中入団でまだ4ヶ月ちょっとなのに...)
一輝がそう不安に思っていると、焦斗が前に押す。
「はやく行け」と言わんばかりの顔をしていた。
周りを見渡すと全員が納得してくれている様だった。
監督の朝日陽一が前に出てきた。
「一輝。入団したばっかのお前に主将を任せるのは
正直言うとどうかと思っていた。」
「はい。」
「でもこれはチーム全員で選んだ結果だ。
その迷いはここで断ち切りなさい。ただ勝つ為に。」
「はい!!」
監督がコクりと頷き、高島が口を開く。
「では練習だ!キャプテン、ランニングからだ。」
「はい!全員ポールまで走って移動!行くぞ!」
「「おぉ!!!!」」
新チームが始動した。
2週間後、スポーツセンターで抽選会が行われていた。一輝は結と二人で抽選会に来ていた。
「お?」
「あ?」
「一輝〜!」
瀬田ボーイズの喜多と西村山中央ボーイズの荒浪だった。
「お前がキャプテンか。ふん!まぁ妥当だな」
「ここで会えるとはね...ふふふ。朝日ちゃんも久しぶり。」
「えぇ〜...お前らがキャプテンとかチーム平気かよぉ?特に喜多。」
「っせぇーよ!順調バリバリ絶好調だわ!」
「こんなにうるさいのにこの間練習試合した時声が小さかったがな。恥ずかしかった様だ。」
「うるせーよ荒浪!!おい星!今大会、全国行くんは俺ら瀬田ボーイズだ!やれるのを楽しみにしてるぜ!」
「それは無理だ。なぜなら全国に行くのは我ら西村ボーイズだからね。」
「へへっ...気合十分だな...楽しみにしてるぜ!」
[抽選会場]
「まさかのあの二人だったね。」
「あぁ。喜多がキャプテンとかイメージつかねぇわ。ししし。」
「嫌な笑い方...てか、抽選大丈夫?うちが行こうか?」
「いやいいよ。俺が引き悪いのは小学生まで。今の俺はもう違うんだ。」
[次、桑山ボーイズさん、お並びください。]
「お、アナウンスだ。引いてくるわ。」
「うん...行ってらっしゃい。」
次の日、桑山ボーイズグラウンド
「秋の予選大会の結果が出た。全員目を通して置くように。メンバーの者は特に。」
「はい!!!」
ぞろぞろと紙に群がる選手たち。
御手洗が一輝に聞く。
「なぁ星、結果はどうだったんだ?」
「あぁ。最悪だったよ。引きが強くなったと思ったんだけどな...」
「うちはシードで...え?!瀬田と西村中央と中附向こうのブロックやん!!」
「うちのブロック超安牌だぞ?!」
「四強のうち三強が向こうで潰し合うのか...」
「星さんめっちゃ引き強い!!」
選手達がざわついている。
そしてまた御手洗と焦斗が口を開く。
「やっぱ星は引きが強えな!」
「毎回こういうブロックを引いてくるな。
一輝が引くと他チームの強豪が何故か固まるんだよな。」
そう話している2人に一輝がいやいやと遮る。
「最初に強い奴らと当たった方がいいに決まってんだろ!!なーにふざけたこと言ってんだよ!!
お前らいつまで見てんだよ!練習するぞぉ!!」
八つ当たりのような声がグラウンドにびびく。
ご視聴ありがとうございました!
1部2部分けようとしたのですがやめます!
ここで続けていくので是非宜しくお願いします!
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