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ダイヤモンドスター  作者: オカピ
中学2年生編
18/42

背負う番号

4回裏を三者凡退に抑え、5回の攻撃。

ワンナウト2.3塁のチャンスで3年の岸山さんが香山さんの代打に入った。

サインはスクイズだがヒッティングをし、内野フライに打ち上げてしまっていた。


「サインの見落としはチームの勝敗を左右する。取れた点を相手に要らないですと言っているようなもんだ。」「はい...」

「そのまま守備につけ。下を向いている暇は無いぞ。いけ。」

「っ...はい!!」


5回裏、焦斗の球数的にも最後の打席だろう。

「打順戻って1番からだ。3番の毛利に確実に回る。

だからってあまり気負いすぎるなよ。思いっきりこい!」

「分かってる。今できることをやるだけだよな。」

「おう!しまって行くぞ!」


[山梨付属ボーイズベンチ]

「くそぉ〜あの投手持ち直してきたな」

「5回なのに球威が落ちる所か上がってきてる気がする。」

フッと、1人の男が鼻で笑う。山梨付属ボーイズの毛利だ。

「あんなん大したことないッスよ。変化は入ってきてるようだけど見切れるし、何より俺にストレートは通じねぇ。もう完璧に捉えてるしな。だからなるべく俺の前にランナー溜めてくださいよセンパイ方。」


そう言いながらハハと笑う毛利。他のチームメイトは気に食わなそうだったが、毛利の実力がそれを許していた。


「プレイ!!」

審判の掛け声と同時に一輝がサインを出した。

ググッ..ボッ!! パァン!! 「ストライク!」

相手打者は手が出ず見逃す。

2球目、3球目遊び球無く三振で打ち取る。


2番打者が打席に入り初球を空振りすると、ネクストにいる毛利の方をチラリと見る。

ものすごい形相で打者を見ていた。


(くそっ!2年のくせに偉そうに...だがここは俺が出て毛利に返してもらうしかねぇ!)


続く2球目、インハイに行った真っ直ぐが、相手打者の左肩に当たった。

「デッドボール!!」


(?!当たりに行ったろ今!!焦斗じゃねぇーけど判定ガバすきじゃねぇか??焦斗キレてないといいけど)

「一輝!ワンアウトだ。盗塁あるぞ。」

「お、おう。」

(おぉ、冷静だ。これなら平気だな...)

「よぉ。星。」

「...」

(毛利が話しかけてきた。審判に怒られんぞ。)

「今まで名を聞かなくて辞めたかと思ってたよ。はは。ま、辞めるわけねぇか。そんだけ才能持ってる奴がよ。」

「よく喋んな。ふんぞり返ってチームに友達居なくなったか?」

「はん!お前こそ天野と仲良しこよしして俺に打たれて情けねぇなぁ!小学生ん時は手も足も出なかったが今の俺は違う!お前らを圧倒してるからなぁ!」


よく喋る奴だ。ほんとにチームに話すやつが居ないのかも。


「君達、お喋りが過ぎるぞ。早く構えて。」

「へーへー」


パンッ!ミットを叩いて構える。

スッ...パン!

「ストライク!」

(初球はカーブね。真っ直ぐ打たれて気が引けたか?)

2球目のスライダーは外れてボール。

(ふふっ。完全に逃げだな。いや、見せ球か。次だ!次は入れてくるだろうな〜。読めてるぜ。)

ズズっ..


(土が外に擦れた音がした。外のスライダー!これに決めたぜ。来いよ!おら来いよスライダー!!)


スッ...ボッ!!

「なっ?!」

パァン!!!...ズシャァ!!

インハイの真っ直ぐに毛利のバットが空を切り

その場に尻もちを着いた。

一輝がバットを拾い、クリップを毛利に向ける。


「立てよ毛利。ツーストライクワンボールだ。立てよ。」

「つっ...」 パシッ!


(落ち着け、落ち着けぇ!明らかにさっきより球威が上がっていたが、捉えられねぇ球じゃねぇ!真っ直ぐでも変化でも必ず対応してみせる...!来いよ!)


スッ...ボッ!

「んなっ...落ちっ...」 ブォン!

毛利が空振りした瞬間、一輝は中腰になっていた。


ボールは卵、優しく包んで身体を捻る!!

パシッ! ビュン!!!


飛び出していた一塁に一輝が送球する。パンッ!

「...アウトッ!!」

三振ゲッツーで攻守交代だ。


「待てっ!」

「ん?」

「隠してやがったな?!フォークなんてよぉ!

俺の事三振にとって一塁ランナーを殺す計画だったんだろ?!」

「そうだよ。絶対振ると思ってたし、ランナーが何故か知らんけどとてもホームに帰りたそうだったからな。」

「...フォークを投げてなかったのはなぜだ!」

「こういう時の為に投げないでおいたんだよ。

確実にアウトが欲しい場面の為にな。」

「くっ...」

(まぁ本当はフォークなんて負担のかかる球投げさせたくないだけだけどな。黙っとこ。)


「一輝。ナイスキャッチナイスボール。」

「おう!焦斗もナイスボール!要求通り!」

グラブでタッチをしベンチに帰る。


「天野、交代だ。新沼(2年)が代打で行く。ダウンをしておけ。」

「はい!」




この試合、代打の沼田がタイムリーツーベースを打ち代打後、白田が投げて勝利で終えた。


PM19:30

3年生達が少し緊張したような感じで夜飯を食べ、

大広間に集合した。背番号を渡す時間だ。

監督の松井が全員が集まった瞬間に話し始めた。

「これまでの練習、試合での結果を踏まえ、夏の選手権大会の背番号を発表する。」

「「はい!!!」」


(まだ...エースの可能性は0じゃないはずだ。)

(2番!2番こい!!1桁こい!!)

焦斗と一輝が心の中でそう思ってる時、キャプテンから呼ばれた。


「背番号10番...鎌田賢」

「はい!」

「人数の多いチームだが、お前が要だ。頼んだぞ。」

「はい!ありがとうございます!」

「次...背番号1番...日野陸」

「はい。」

「うちは良い投手が多い。鎌田だけで全て見れる訳ではない。お前も副キャプテンとして支えてやれ。」

「はい。ありがとうございます。」

(...ダメだったか)

「次...背番号2番...」



全員の背番号が渡され。その場は一旦解散した。

俺は焦斗と結と外で自主練をしていた。


「かぁー!!流石に多田さんから2番は取れなかったなぁー!!」

「何言ってんのよ。貰えただけでも有難く思いなよ!」

「そりゃそうだけどやっぱ目指すなら1桁だろ!2年で1桁貰ったの御手洗と島崎だけか〜。」

「まぁあの二人は春も入ってたからね。でも取り敢えず二人共写真撮ろ!11番と12番だけでも凄いから!」

「いや。俺は走ってくるからまた今度で」

「えーー!そう言って絶対撮らないじゃん!」


俺らが話していると、すすり泣く声が聞こえてきた。

岸山さんだ。傍らには鎌田さんと日野さんがいた。


「分かってたんだ..最後のチャンスだって...なのに俺は...ぐっ...サインミスなんてして...親になんて言えばいいんだ...」

「今更何言っても変わんねーぞ。」

「日野、そんなことは岸山も分かっている。」

「良いんだ...鎌田。日野の言う通りだ...俺はお前らのサポートに徹するからさ。」

「...岸山...」

「あぁ。そうしてくれ。それしかねーだろ。」

「日野!!!」

「そうすりゃ俺らは負けねぇからよ。岸山や他のベンチ入れなかった奴らがサポートしてくれなきゃよ、

俺らも戦えねーんだわ。その見返りに全国の1番いい景色見せてやるからよ。」

「っ!日野...!」

「その通りだ。行こう!頂点。」

「あぁ!あぁ!!」


隠れながらその光景を見ていた俺らは必ず勝つと近い。合宿最終日の練習を終え、東京に帰った。


ご視聴ありがとうございました!

感想、コメントよろしくお願いします!!

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