ベスト4
5/24 AM11:40 ジャイアンタウンスタジアム
カァーン!!!....ドムッ!!
快音轟かせたボールは内野の頭を超え外野を超え
フェンスを超え防弾ネットに直撃した。
グッと右手を上げダイヤモンドを一周するのは
桑山ボーイズ2年生、星一輝。
「うぉー!今日二発目ー!!」
「星ぃー!てめぇ調子乗んなよー!!」
先輩たちの嫉妬のような喜びの様な声が
ベースを回る一輝へ浴びせられる。
ダンッ!! っと
ホームベースを力強く踏みベンチに帰る。
「ナイスバッチ!」
「飛んだなぁ!」
「これは負けてられんなぁ!」
御手洗、香山さん、鎌田さんが頭を叩きながら
称えてくれた。
「ふぅ...」
「...」
焦斗が何か言いたげな、いや何も言うなみたいな顔でベンチに座っていた。
「いやー今日の先発が頼りないから二発も
打っちゃったよ〜」
「っせーな。これから調子上がんだよ。」
「お前力みすぎ。日野さんみたいに70球以内に
完封しようとしてんの?辞めろよそんなの。
お前の旨みが無くなるだけだぜ?」
「俺にも出来る。出来る。」
何言ってもダメそうだな。
5回の時点で9-1と
何も無ければこのまま終わるけど
今日の焦斗ははっきり言ってダメダメだ。
力んでフォアボールに次ぐフォアボール。
ヒットも打たれてる。
日野さんを意識しすぎてんだろうな。
こまめにタイム取ってるけどすぐ返される。
仲間に声掛けも忘れる時あるし。
かく言う俺も2本ホームラン打ったけどパスボールで1点献上してる。
2年バッテリーは最悪の公式戦デビューだ。
キィーーーン!!
「おっ...デカイ」
俺がそう呟くと
ドンッ!!っと
バックスクリーン下の謎スペースに放たれた打球はサヨナラのツーランホームランになった
打ったのは同じ2年の島崎だ。流石だな。
試合が終わりミーティングが始まった。
俺は1打席目のホームランを打ったあとの捕球ミスを指摘され、打てばそれで終わりじゃないと言われた。
焦斗は独りよがりなピッチングを叱られてた。
ミーティング後、色んな記者や高校の部長が名刺を渡してきた。
でも何校目かは忘れたいた。
理由はひとつ、
今は全国に行くことで頭がいっぱいだからだ。
帰り道、結と焦斗と次の試合について
歩きながら話をしていた。
「次はどこだー?あと何回勝てば全国?」
「勝ってるからって調子乗りすぎじゃない?
次の相手、ていうかベスト4は急にレベル
上がるのよ。」
「ほんほん。ベスト4ね。」
「まず前に練習試合した瀬田ボーイズね。
うちと同じで3試合ともコールド勝ち。」
「あぁ喜田のとこか。あそこはやばいな。」
「次が中附ボーイズ。前回の春決勝でやったとこで桑山うちが唯一負け越してるチーム。」
「春は勝ったのに?」
「春は勝ったのに!
2年生エースがまーすごいの!
なんと身長190cm!巨人よ巨人!」
「デカすぎんだろ〜。」
「...次が桑山うちがやるチーム
西村山中央ボーイズ。去年の秋の大会決勝やったとこね。ここも凄い強い!
去年は日野さんがボコボコやられてね。
何とか打ち勝ったって感じのチーム。」
「日野さんが?!まーじかよ。
今日の焦斗ならコールドだな」
俺がチラッと焦斗を見ると
「しね」と一蹴された
「こっわ。」
「いい!?焦斗!日野さんも一人で勝てないって言ってたんだから!
ちゃんと準備して抑えるのよぉ〜?」
「言われなくてもやってやるつもりだ。」
「あー俺でるかなー?でも島崎今日も打ってたから監督たちも悩ましいだろうなぁ〜。
島崎使うかどうか。」
「なんであんたが出る前提なのよ!」
「冗談だって。ま、チャンスがあれば俺はいつでも行けるけどな!」
「空回りすんなよ熱血デコッパチ」
「お前もなクールまつ毛」
6/7 PM12:10 二本杉球場 選手通路
チーム全員が集合していた。
「今日は準決勝だ!相手は西村山中央ボーイズ!去年の秋は危ない試合だったが、今日もそうなることを想定している。日野!気負いせずに自分のペースで行け!」
高島コーチの激励に
「はい!」と日野さんが力強く返事をする。
「控えの投手陣もいつでも行けるように準備を
忘れるな!メンバー発表する!」
PM13:00
ベンチ前の声がかかり全員が並ぶ。
俺は5番レフトでスタメンだ。
外野も最近慣れてきたし足を引っ張るとかじゃなくて戦力になることを考えてやるぞ!
「整列!」
いつもの審判の声でチームが出揃う。
相手は今まで見た選手たちより
一層強そうな顔をしてた。
ふと見渡していると、ん??
こちらをニヤニヤしながら見ている奴がいた。
あ!荒浪?!
荒浪翔太。小学生の時同じチームだった顔がそこにあった。
俺は結構鈍感だと言われるが
こいつが俺にどんな感情を抱いているのか
俺は知っている。
「礼!!!」
「「「お願いします!!!」」」
「お、お願いします!」
少し出遅れた挨拶で試合が始まる。
ご視聴ありがとうございました!
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