合宿③
「ハァハァハァ...」
き、きつい。普段走ってるけどこんな重いもの背負って走るのは初めてだ。
焦斗、御手洗、白田、島崎の背中はもう見えない。
ん?
「はぁ、、、あぁ!!あぁ!!」
「お、おい!戸山!大丈夫か??」
同じ学年の戸山。ポジションも同じ捕手だ。
這いずりながら気合いで前に進もうとしている。
「?...!星...!!」
「だ、大丈夫かよ??どっか怪我してんのか??」
「あぁ?はぁ。ほっといて行けよ。俺はこんなとこで終わらねぇ。少ししたらすぐ追い抜いてやる...」
「...なら今立てよ。」
「?!」
「俺とお前は同じチームの仲間だけど、
仲間だけど同じポジション争うライバルでもあんだ。そんな奴が後で追いつくから先行けとか言うなよ!今立て!走れ!」
「がぁぁぁぁ!!」
宿舎の前で焦斗と御手洗、白田、神崎が話していた。
「きっつぅ~~~~~~~~!去年10kgの砂背負いながら10km走ってた時点でわかってたけど...倍になるだけでクソつれぇ〜!」
「御手洗、競走は俺の勝ちだったな。ジュース1本ごち。」
二人の会話に呆れているのか疲れているからなのか
白田と神崎は寝そべっていた。
「ふはははは!お前らそんな賭けしてたのか!元気な奴らだ!」
「まだまだ余裕そうだなぁ?!」
「俺らが2年の時でもこうはなってなかったな。」
「!お疲れ様です!!」
主将の鎌田と山下、香山が宿舎から出てきた。
(こ、この人ら30kg背負って30kmなのになんで俺らより涼しい顔してんだよ...)
(来年こんなんになってる自身ないぞ...)
白田、神崎がそう思っていた。
「あの、日野さんは?」
「ん?日野は帰ってきて1年生の応援に行ったぞ。」
「...俺ちょっと走ってきます。」
「お、おい!天野!もう12:00になるぞ!」
「ふははははは!桑山の未来は明るいな!!」
「おん?誰か戻ってきたぞ。ありゃ戸山か?...ってあぁ?!」
山下が驚いた声を出す。
戸山の姿が見えるが、その姿はやっと立っているような状態だった。
後ろで一輝が押していたのだ。
「はぁ。はぁ。おぉぉぉ!!」
怒声のような声で一輝が戸山を押して走ってきた。
「ゴォォォォォール!!っはぁ。はぁ。」
倒れる戸山を香山が、一輝を山下が支える。
「おいおいいっき。戸山押してずっと走ってたのか?!」
「い、いえ。ゴール近くらへんからなので、戸山はちゃんと走ってました。少し背中を...っはぁはぁ。押しただけです。」
ジョボジョボ...話を遮るように
鎌田が一輝に水をかける。
「初参加で良く走り切り、よく仲間を見捨てなかった!地獄のゴールテープを切ったぞ!だが辛い時は俺や仲間を頼るんだ。」
「は、はい。ありがとうございます。」
一輝初合宿。初日の午前中終了。
3年生全員時間通り
2年生3名時間超過
1年生2名のみ時間内。
なお。この後のお昼ご飯を時間内に食べきったのは
3年生のみだった...
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