さりげない一言
何もない、何もない、そんな空間....。
そんな空間に取り残された男。
彼は、空間の中央に座って考え事をしていた。
"人から話されない楽しさも非常に楽しいものだ"
しかし、それ以前に元から相手にされていなかったのは彼は知らなかった。
そして、その寂しさを紛らわすかのように、この空間に居ることを肯定し続けた。
そんな長時間に隔離された男は、徐々に希望を失っていく....。
そうした中、後ろから声が聞こえたきがした。
期待感を膨らませた彼は、勢いよく後ろを向いた。
しかし、そこには誰もいなかった。
ただ、彼の脳内には謎の声が響いた。
「君は、人を悲しませた人数を覚えてるかい?」
響き渡った後、ゆっくりと暗闇に飲み込まれていくのでした。