表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/42

貴方に追いつけますよね

「結界は、やはり内側から破られていたよ」


翌日。 


ルースとニアは、学園長室に呼ばれて、調査結果を知らされた。


「よほど優秀な生徒か……もしくは、教師でなければ、それはできないだろうね」


ローダスの言葉に、オービルが重々しく頷く。 


「というか、教師の面が濃厚だ。学園に張られた結界が、そんなに簡単に破られてたまるか」 

「そういうことだよ。君たちは不安になるだろうが……伝えておいた方が良いと判断した。こんなこと、言いたくはないが、教師には充分気をつけてくれ」

「は、はいっ」

「はい、わかりました」




「ごめんね、こんなことに巻き込んじゃって」


学園長室から出た後。ニアがルースの袖を掴みながら、ぽつりと言った。


「私が、中庭に出なければ、人質に取られることもなかったのに」

「そんな、悪いのは、レンドン派ですよ。あと、彼らをここに招き入れた人物です。ニアさんが気に病むことはありません」


ルースは、力強く、かといって大声でも言えないので、囁いた。ニアが顔を上げる。ガーネットの瞳が揺れていた。


「ルース君って、不思議な人だよね。敬語で気持ち悪いと思ってたけど、いざとなったら勇気があるし」

「ありがとうございます」

「私の知ってる人みたいで、安心する」


花が綻ぶように、ニアは笑みを浮かべた。雨に打たれて、冬を耐え忍んで、ようやく咲いた花みたいに。 






「だからもう、これ以上は巻き込めないかな」


はじめ、ルース・タイアードは復讐の駒だった。ニアと一緒に行動して、ニアと一緒に、ランゼスの真実を知るための。


そのために、学園に馴染めない成金貴族はちょうど良かったのだ。

だからこそ、ニアはーー内側から結界を破り、レンドン派を招き入れた。わざとローガンの話をさせた。


誤算だったのは、ルースがローガンを知っていたこと。


ニアは、ぎゅ、と服の胸のあたりを掴んだ。


暮れゆくロイエンターレの前庭を眺めながら。あの日の炎のように、真っ赤な。


「ルース君、知らないでしょ。貴方が所属しているブリーゼル派ってね、私が作ったんだよ」


すべては、この時のために。


「魔法資源の解放。それを謳ってやれば、食いついてくると思ったんだ……『神代の森派』が」


王族。ローガン・アルフリートの一族。『神代の森派』。それら全てを、殺してやりたくて、終わらせたくて。


「そうすれば」


とろけるような笑み。ニアが見ていたのは、昔日の思い出だ。


「貴方に追いつけますよね、ランゼス様」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ