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アニメ制作会社、制作部。  作者: 鋭画計画
12/18

第12話

第12話登場人物


『有限会社三鷹プロダクション』

 アニメーション制作会社。通称【みたかプロ】もしくは、【 三プロ】。

 設立数年の暗黒時代を知っている人は三流プロダクションという意味を込めて、三プロと呼んでいる。


『マジョスパ! ~魔法少女温泉街~』

 伏見班の冬番組。通称【マジョスパ】。魔法少女もの。


『午後の城』

 堀田班の現在進行形の作品。分割2クール。

 通称【ゴゴシロ】。学園もの。


――――――――――――――――――――――――みたかプロ・制作部

伏見  … 女。制作デスク。マジョスパ担当。

堀田  … 男。制作デスク。ゴゴシロ担当。

本山  … 男。制作進行。堀田班。

日比野 … 男。制作進行。新人。堀田班。

黒川  … 男。プロデューサー。

藤丘  … 女。設定制作。

中村  … 男。制作進行。伏見班。

岩塚  … 男。制作進行。動画管理補佐。堀田班。

八田  … 女。デスク補佐兼動画管理。スタジオアルファ所属で堀田班に出向中。


みたかプロ・動画部

小野  … 女。動画検査。

二条  … 女。動画。


みたかプロ・総務部


曽根  … 女。総務。

――――――――――――――――――――――――

伏見班担当作品スタッフ

白石  … 男。『マジョスパ!』監督。

宮沢  … 男。キャラクターデザイン。プロダクション・ゼロ所属。

新川  … 男。編集。

 

堀田班担当作品スタッフ

豊平  … 男。『ゴゴシロ』監督。

美園  … 男。助監督。

菊水  … 男。キャラクターデザイン。

片倉  … 男。美術監督。背景会社スカイブルー所属。

中島  … 男。本山担当話数の演出。

平岸  … 女。本山担当話数の作監。

広瀬  … 女。本山担当話数のセル検。

大谷  … 男。編集。


――――――――――――――――――――――――

その他

高瀬  … 男。他社制作。本山と同期。

掛川  … 男。急逝した若手監督。




○ 編集室

 深夜2時過ぎ。

 本山が携帯で堀田と話している。

本山「原版終わりました。日比野が今、テープ持って監督たちと一緒にこっちを出たのでV編会場のプロデューサーに連絡お願いします」



○ みたかプロ・制作部屋

 制作部で堀田以外が屍のように机の上に突っ伏したり椅子にもたれて寝ている。

 本山からの電話を受けている堀田。

堀田「ん、わかった。おつかれ。よくやった。お前は戻ってきて良いよ。あ、大谷さんに変わって」



○ 編集室

 再び、編集。

本山「了解です。変わりますね。大谷さん、堀田さんが変わってくれだそうです」

 本山が編集の大谷に携帯を渡す。

大谷「ん」

 電話を受け取る。

大谷「おつかれぃ」

堀田(OFF)「おつかれさまですー。今回もありがとうございましたー」

大谷「いえいえ。堀田くんもお疲れ様」



○ みたかプロ・制作部屋

 再び、制作部。

堀田「また飲みに行きましょうー。はい、了解しました。伝えておきますー。お疲れ様でしたー」

 電話を切り、プロデューサーにかける。

堀田「お疲れ様です、今さっき原版終わって監督達とテープがそっち向かってます」



○ V編室・外廊下

 黒川が携帯で堀田の電話を受けている。

黒川「わかった。お疲れ。また電話するわ」



○ みたかプロ・制作部屋

堀田「了解しました。あとはよろしくお願いします〜」

 受話器を置く。

一同「おつかれさまでーす」

堀田「おつかれー。この後V編だけどね」

 制作部屋にほとんどの制作が残っている。

 伏見班も佳境。

 堀田班はDVDリテイク作業があるものの、ほとんどノリで残っている。

 八田が、カップスープにお湯を入れて戻ってくる。

八田「あ、ひょっとして原版終わりました?」

堀田「今さっきね」

八田「お疲れ様ですー」

堀田「八田さんもお疲れ。毎回助けられました」

八田「いやいや、こちらこそ何のお役にも立てず。勉強になりました」

堀田「綱渡りの勉強かしら」

八田「綱渡り?」

堀田「制作状況ピーンチっていうね」

八田「あぁ、大丈夫です。アルファだと日常茶飯事ですから…あー戻りたくないなぁ」

堀田「これで年内は休暇じゃないですか」

八田「いやまぁこっちの作業とあとはまぁあっちに何回か顔出さないとですから、そんな長い休暇じゃないですよ。1月番のグロス入ってるらしいですし」

堀田「マジョスパのグロスやってくれれば良いのに」

八田「ホントそうですよ〜。席移動しなくて良いし」

伏見「うちとしてはこのまま八田さんに残って欲しいんだけどね」

八田「なんて嬉しいお言葉」

伏見「どう?いっそ残るなら堀田班からうちの班に、来ない?」

 キリッとした表情でキメる伏見。

堀田「いや、八田さんはうちの子だから」

八田「え、そうだったんですか」

堀田「え」

伏見「ほら、こっちおいでよ」

 八田を見ると考える素振りをしている。

堀田「え、そこ悩まないでよ」

 慌てる堀田。

八田「冗談ですよ冗談」



○ みたかプロ・休憩室

 堀田がたばこを吸っている。

堀田「なんとか今回も終わったかぁ…」

 安堵の表情を浮かべる堀田。



○ みたかプロ・外観

 深夜。

 新聞配達のバイクの音が聞こえる。



○ みたかプロ・制作部屋

 深夜4時。

 伏見班はほとんど帰っている。

 堀田班は帰らずにそれぞれの席で仮眠を取っている。

 本山も戻ってきている。

 日比野は監督達の送りがあるため会場で待機している。


 電話が鳴る。

 岩塚が取る。

岩塚「はい、みたかプロ」

 堀田班みんながごそごそと起きる。

岩塚「はい、変わります」

 電話を保留にする。

岩塚「堀田さん、プロデューサーです」

 受話器を取る。

堀田「はい、堀田です」



○ V編室・外廊下

黒川「無事終わったぞ。お疲れ」



○ みたかプロ・制作部屋

堀田「はい、ありがとうございます。お疲れ様でした」

 堀田の言葉を聞き、察してそれぞれが片付けを始める。

堀田「あ、監督お疲れ様です〜。えぇ、ひとまず無事終わって良かったです。ほんとに。美園さんもお疲れ様です。とりあえず、今日はゆっくり休んで下さい。はい、お疲れ様でしたー」

 受話器を置く。

 堀田が顔を上げると全員と目が合う。

堀田「24話のV編無事終了して、納品完了しました。これでゴゴシロ、完パケです。ご苦労様でした」

一同「お疲れ様でした!」

 拍手。



○ OP



○ みたかプロ・外観

 昼。



○ みたかプロ・制作部屋

 昼。

 ゴゴシロ、V編終了から3日後。

 相変わらず、バタバタしている制作部。



○ みたかプロ・休憩室

 たばこを吸っている堀田。

 伏見がやってきて扉から顔を出す。

伏見「やっと見つけた」

堀田「おう」

伏見「堀田班、誰かお正月出勤する予定の人いる?」

堀田「いや、いねぇんじゃねぇの?DVDリテイクだけだし」

伏見「ちょっと確認しといて。鍵を誰が開けるか相談しないとだから」

堀田「あいよ」

 たばこの火を消して立ち上がる。



○ みたかプロ・制作部屋

 堀田と伏見が戻ってくる。

堀田「岩塚、リテイク作業どうなってる?」

岩塚「えーと、15話までは大体終わってますね」

堀田「社内は年末年始、どこからどこまで作業ありそう」

岩塚「えーと作画部はマジョスパもあるんで調整かけないとですね。優先順位的にマジョスパ優先でこっちのリテイクは外に出してもいいですし、年末年始止めても余裕はありますからね」

堀田「止まるのは仕方ないけど止めるのは嫌だなぁ」

岩塚「えぇまぁ、でもどこも年末年始は仕事したくないですからね」

堀田「まぁそりゃそうだよなぁ」

 カレンダーを眺める堀田。


 藤丘が制作部屋にやってくる。

藤丘「先輩、夜21時に2話のバラチェックです。監督と宮沢さんには伝えてあります」

伏見「あー了解。今日夜、その時間予定あって外してるから進めといて。戻ってきたらチェックするわ」

藤丘「了解です。また忘年会ですか」

伏見「今日は作画さんたちと」

中村「今年は俺は無理そうですわぁ」

伏見「まぁ1月番の1話だしね」

中村「今こうして話してる相手は1月番のデスクのはずなんですけどね」

伏見「スケジュール管理能力が違うのよ」

黒川「伏見、監督取材は今日の21時からで良かったか?」

伏見「え」

黒川「ほら、雑誌取材」

伏見「入ってましたっけ」

黒川「先週言ったじゃん。まさか監督知らないとかないよな」

伏見「あー…一応確認しときます」

黒川「よろしく」

 黒川が去る。

中村「スケジュール管理能力ねぇ」

 一部始終を見ていた中村が呟く。

伏見「うるさい」

藤丘「あれ、ちょっと待って下さい21時からだとバラチェックと被ってますけど、何も言ってなかったですよ監督」

伏見「まさか」

中村「伝え忘れてるとか」

伏見「やばい」

 伏見が慌てて、作画部屋の白石の元に行く。



○ みたかプロ・作画部屋

 伏見が白石に確認している。

白石「あぁ、そういえば取材今日だったか」

伏見「そうなんです、21時から」

白石「忘れてた忘れてた。じゃあ取材終わったらバラチェックだな。中村に伝えといて」

伏見「了解です。じゃ、よろしくお願いします」

白石「うぃ」

 ふぅ、と額をぬぐいつつ伏見が白石の元をあとにする。



○ 牛丼屋

 昼。

 本山と高瀬が2人で肩を並べて座っている。

高瀬「納品お疲れ」

本山「ありがと。今回も綱渡りになったなぁ」

高瀬「最終回は大変だから、ある程度は仕方あるまい」

本山「もうちょい楽に仕事したいなぁ」

高瀬「それはアニメが楽に作れたらってことか?」

本山「まぁそうとも取れるな」

高瀬「そんなことになったら、真っ先に失業するのは俺たちだろうな」

本山「そいつは困るなぁ」



○ みたかプロ・制作部屋

 総務の曽根が伏見の所にやってきて声をかける。

曽根「大掃除だけど、26日でいい?」

伏見「はい?」

曽根「大掃除」

 コッペパンを頬張っている伏見。

伏見「あぁいつもの。堀田班は?」

曽根「堀田君に聞いたら納品終わってるからいつでもいいって。進行中の伏見班に合わせると」

伏見「なるほど。ちょっと確認してあとで伝えます」

曽根「明日までには教えてね」

伏見「ふぁい」

曽根「よろしく」

 曽根が去る。

伏見「藤丘、聞いてたよね」

藤丘「大掃除の日取りですか?」

伏見「そう。26日て打ち合わせ入ってるっけ」

藤丘「定例のは今週中にまとめてやるんで来週はないですね」

伏見「だとすると各制作ごとに打ち合わせが入るかどうかか」

藤丘「あとは動画部とかじゃないです?」

伏見「あー」

 伏見が立ち上がり八田の席に向かう。

伏見「八田さん、動画部のことって八田さんに聞いた方が良い?それとも岩塚?」

八田「あ、まだ私で良いですよ。今引き継ぎ中なんで」

伏見「来週って動画部の作業ってどうなってる?26日に大掃除で半日ぐらい作業止まっても大丈夫?」

八田「あーちょっと今の進捗含めて小野さんと相談してきます。26日ですよね」

伏見「うん、26日」

八田「じゃあ、確認しておきますね」  

伏見「お願いします」



○ みたかプロ・外観

 夕方。



○ みたかプロ・会議室

 夕方。

 制作会議。

黒川「ゴゴシロお疲れ様でした」

一同「お疲れ様でした」

黒川「まぁ最後の方はばたついたけど何とか納品間に合ってホッとしました。まだDVDリテイクはあるけど、ひとまず一区切りって事でお疲れ様でした。で、とりあえず、岩塚と日比野が堀田の下でDVDリテイクを進めてもらうって事でオッケー?」

堀田「えぇ。2人ともよろしく」

岩塚&日比野「はい」

堀田「他のメンバーはこのあとマジョスパに合流していってくれ。といっても本山以外は合流してるか」

黒川「みんなでマジョスパをフォローし合って進めてくれ」

一同「うぃーす」

黒川「えーと、ゴゴシロスタッフの席ってどんな感じ」

堀田「メインスタッフの机はDVDリテイクの関係があるのでまだしばらくはこのままで、各話の作画さん達でほとんどこっちに入ってない人は年内に片付けてもらう感じですね」

黒川「26日が大掃除だから、それも制作が各自伝えて出来ればそこまでか、その日には片付けてもらうように」

一同「うぃーす」

黒川「あ、あと堀田のミスで会社忘年会と制作部忘年会の2回やることになりましたが、制作部の方は明日?」

堀田「明日です」

黒川「明日の夜だそうなので、みんな忘れないように。八田さんの送別会も兼ねてるからちゃんと顔を出すように」

 日比野が小さな声で本山に話しかける。

日比野「なんで2回やることになったんでしたっけ」

本山「堀田さんがテンパって相談せずに先に店を予約しちゃったからだよ」

日比野「なるほど」

本山「年末でキャンセル料請求されるからって事で2回開催に」

黒川「八田さんは今日はアルファの方に行ってるのか」

堀田「えぇ書類関係もありますから」

黒川「じゃあ、挨拶は明日だな。えーと、次に年末年始の鍵の件だけど…」

 年末年始にかけての報告事項が続く。



○ みたかプロ・外観

 夕方。

 時間が経過している。



○ みたかプロ・会議室

 制作会議。

 伏見班の報告が終わる。

黒川「じゃあ、今年の制作会議はこれで一応最後って事で。年末最終日に社長挨拶あるけどね」

 それぞれが書類をまとめ始める。

堀田「プロデューサー」

黒川「ん?」

伏見「忘れてます」

黒川「何を」

堀田「次の」

黒川「次?」

 一瞬、考えて思い出す黒川。

黒川「来年の秋番が決まりまして」

 一同がざわつく。

黒川「準備時間はそんなにないんだけどな。とりあえず、来年年明けから堀田を中心に動いてもらうので、頭の片隅に置いといてくれ。漫画原作で作品名は『百貨繚乱』。百貨店を舞台にしたコメディだな。ま、そんな感じです。以上」

堀田「じゃ、解散」

一同「おつかれさまでしたー」



○ 某所・居酒屋

 夜。

 各社制作有志の忘年会。

高瀬「本山こっちこっち」

 高瀬が手招きしている。

本山「おお」

高瀬「あ、彼、みたかプロの進行の本山です」

本山「本山です。よろしくお願いします」

 皆、ワイワイと各々盛り上がっているので高瀬の周りだけ反応する。

制作「お、本山じゃん。久しぶり」

本山「久しぶりじゃん。あれだ、暴露本でこき下ろされてた会社の人じゃないか。元気」

制作「もうお前で5回目だわ、そのネタ。今年で終われば良いなぁそのいじり」

本山「誰が書いたか、わかってんの」

制作「そりゃもちろん」

本山「ほう?」

制作「ここだけの話、辞めた奴らがうちのPと仲が悪くて腹いせに書いたんだよ」

本山「まぁ何かしらの恨みはなきゃ書かんわな。やつら?」

制作「そう、複数の人間で書いてんの。で、あの本の業界話はカモフラージュというか本題じゃなくてだな」

本山「ふむ」

制作「うちの会社でこき下ろされてたPに関しての暴露話が核心という」

本山「なんか書いてあったっけ」

制作「不倫してること書いてあったんよ」

本山「あらぁ」

制作「おまけにそれが社内の人間からすれば、まぁ知ってる人は知ってる話なんだけど、Pの奥さんにバレてね。しかも相手がさぁ社内の人間でさぁ」

本山「制作?作画部?」

制作「両方」

本山「まさかの」

制作「大揉め」

本山「そりゃ揉めるわなぁ。てか、社内でよくやるなぁ」

制作「ま、まだ現在進行形で揉めてんだけど、多分、年明けにでもうちのPはクビになるかなぁ。社長があいつはクビにしても良いけど作画部の人手は足らないから困るって」

本山「制作の方は」

制作「グループ会社に放牧に出された」

本山「あらぁ」

制作「ま、そんなわけでうちは内部のごたごたでめんどくさいし、そこいら中に知れ渡ってるから女性の作画さんからの評判落ちたよねぇ…」

本山「あー結構そういうネタ嫌いな人いるっちゃいるからなぁ」

制作「ま、良いスタジオ合ったら紹介してちょうだい」

本山「俺が紹介して欲しいぐらいだよ」



○ みたかプロ・外観

 夜。



○ みたかプロ・制作部屋

 夜。

 日比野と岩塚、伏見班が残っている。

 ホワイトボードを見るとそれ以外の面子は外出中や帰宅となっている。

 日比野が堀田の机に書類を置く。

日比野「みんな忘年会なんですね」

岩塚「ん?」

 パソコンで、ゴゴシロのDVDを流してリテイクチェックをしていた岩塚がイヤホンを外す。

岩塚「なんか言った?」

日比野「みんな忘年会なんですね」

岩塚「あぁ。そうだな。この時期は特に」

日比野「いいなぁ」

岩塚「この前、会社の忘年会あったじゃねぇか」

日比野「何回あってもいいですよ」

岩塚「そうかぁ?忘年会って言っても基本的には情報交換、営業の場だからな。他社制作と繋がって作画さんに媚び売って」

日比野「そっちじゃなくて、お酒飲めるんで」

岩塚「あぁ、そっち」

日比野「制作進行になってから、数えるほどですよ。いつ運転するか分からないし、大体会社にいるじゃないですか」

岩塚「まーねー」

日比野「俺も飲みに行きたいです」

岩塚「俺に言われても。行ってこいよ、友達いるだろ」

日比野「この1年で友達は大分減りました。予定が合わなさすぎて」

岩塚「はっ、その程度で連絡取らなくなるのは友達じゃねぇよ」

日比野「ですかねぇ」

岩塚「そういうもんよ、はい」

 日比野の目の前にカット袋の束を置く。

日比野「なんすか」

岩塚「社内動画入れ持ってって。よろしく」



○ みたかプロ・外観

 翌日。

 昼。



○ みたかプロ・作画部屋

 本山が演出の中島のところにやってくる。

本山「おつかれさまでーす」

中島「おつかれ」

本山「順調ですか、あっち」

中島「冬?」

本山「そう」

中島「なんとかなりそうかな。これ、サークルチケット」

 財布からチケットを本山に手渡す。

本山「あぁ」

中島「なくすなよ、オークションに出すなよ、当日、寝坊しないでよ」

本山「大丈夫ですよ。寝坊はわからんですけど」

中島「まぁ、手伝いよろしくな」

本山「どんとこいです」

中島「そんな忙しくはならんだろうけど」

本山「ところで、この前話してたマジョスパの件なんですけど、年明けからでも大丈夫です?」

中島「あれ、コンテが年内には出なさそう?」

本山「出ないっぽいです」

中島「とりあえず、もう一個の方も年明けだからスタート被るかもなぁ」

本山「動きがあったら連絡しますよ」

中島「そうしてくれると助かる。今日はDVDリテイク直したら、移動するからよろしく」

本山「了解です」



○ みたかプロ・制作部屋

 本山が戻ってくる。

本山「伏見さん、中島さん大丈夫そうです」

伏見「あ、ほんと?何か言ってた?」

本山「年明けからだと掛け持ちの作品と出だしが被るかもとは言ってましたけど、いつも被ってるんで気にしなくていいです」

伏見「わかった。もう中島さんは本山に任せた。とりあえず、コンテ出たらすぐ渡すから」

本山「よろしくお願いします」

  


○ 居酒屋・座敷

 夜。

 日比野の歓迎会をやった場所と同じ居酒屋。

 制作部忘年会と八田の送別会を兼ねている。

 幹事は堀田。

 堀田班を中心に伏見班もちらほら。

 伏見と藤丘がまだいない。

堀田「えー伏見班は現在進行形で忙しいので、若干名遅れています」

 堀田がざわついてる中、喋っている。

堀田「とりあえず、飲み物も来たようなので早速ですね始めたいと思います。八田さんどうぞこちらに」

八田「は、はい」

 本日の主役と書かれたタスキとキラキラしたとんがり帽をかぶせられている。

堀田「じゃあ、八田さんからお言葉をいただきます。どうぞ」

 サッと静かになる。

八田「そ、そんなかしこまらなくて結構ですので。えー、八田です。半年ぐらいでしたけど、お世話になりました。自分自身、出向が初めてで果たして他のスタジオでも馴染めるだろうかと不安でしたが黒川プロデューサーや堀田さんやみなさんのおかげで楽しく過ごすことが出来ました。そして、勉強させていただきました。ありがとうございました。狭いアニメ業界多分すぐお会いすることになると思いますが、その時はぜひともよろしくお願いします」

 ぺこりとお辞儀をする。

堀田「ありがとうございます。ではプロデューサー、乾杯の音頭をお願いします」

 黒川がグラスを手に立ち上がる。



○ 居酒屋・廊下

 伏見と藤丘が小走りでやってくる。

藤丘「先輩、早く早く」

伏見「一応、堀田にメールを入れといたから大丈夫だって」

藤丘「あの人朝からガッチガチだったんですからメール読む余裕なんてあると思います?」

伏見「ないね!」

藤丘「でしょう」

 黒川の声が聞こえる。

藤丘「あ、まずい。プロデューサーが喋ってる」



○ 居酒屋・座敷

 全員が立ち上がっている。

黒川「えーでは、今年1年お疲れ様でした。そして、八田さんお疲れ様でした。乾杯!」

一同「かんぱーい」

伏見&藤丘「かんぱーい」

 ブーツ半脱ぎの伏見達が滑り込みで乾杯のジェスチャーをする。

 全員が伏見達の方を見る。

黒川「ギリギリセーフだな」

伏見「へへ…あざます」

黒川「来年はみんな、余裕持って納品するように。以上」

 黒川が自分の場所に戻っていき、忘年会兼送別会が始まる。


 合流した伏見達。

 八田を挟み込んで座っている。

伏見「八田さんなにその格好」

八田「いや、なんか付けてくれって堀田さんから」

伏見「堀田、なにこのセンス」

 向かい側にいる堀田に絡む。

堀田「え、わかりやすくていいだろ」

伏見「八田さんわからん人この中におらんだろ」

藤丘「ダサい」

 しゅんとする堀田。

八田「まぁまぁ。中々かぶることないですし、この帽子」

伏見「最後まで八田さんにフォローしてもらってんじゃないわよ」

堀田「なんだなんだ、辛辣だな」

伏見「あんたがちゃんと引き止めないから八田さん戻って行っちゃうじゃない」

堀田「元々そういう契約なんだからしょうがないだろ」

伏見「契約なんて破るためにあるのよ」

 むせる黒川。

黒川「なんか制作にあるまじき物騒な言葉が聞こえたが聞かなかったことにしよう」

 


○ みたかプロ・外観

 昼。

 12月24日。



○ みたかプロ・制作部屋

 いつも通り仕事をこなしている制作部の面々。

 ホワイトボードの八田の欄には「アルファ」(所属先のスタジオ)と書かれている。



○ みたかプロ・制作部屋

 17時過ぎ。

制作A「デスク、そろそろ」

伏見「じゃあ、原版行ってくるわ」

藤丘「行ってらっしゃい」

伏見「今回はほとんどリテイク潰れてるから、多分大丈夫だろうけど何かあったら電話するわ」

藤丘「はーい。今日は残業なしでお願いしますね」

伏見「祈ってて」

 制作部屋を後にする。



○ みたかプロ・制作部屋玄関

 下駄箱で靴を履き替えると動画部の面々がぞろぞろと降りてくる。

伏見「お疲れ様ー」

小野「お疲れ」

伏見「これから3話の原版行ってきますわ」

小野「リテイク出ても対応は来年でしょ?」

伏見「えぇ、万が一出たらですけどね。みんなでどっか行くんですか」

小野「動画部忘年会〜。今日はもう電話でないからね」

伏見「了解です〜。楽しんできてくださいませ」

小野「そっちも原版頑張って」

 小野が階段を降りていく。

伏見「はーい」



○ みたかプロ・外観

 夜。



○ みたかプロ・制作部屋

 19時過ぎ。

岩塚「デスク、そろそろじゃないすか」

堀田「あぁ、ぼちぼち準備するか」

日比野「何がです?」

 岩塚の隣で作業していた日比野が尋ねる。

堀田「お前も暇そうだな、今年はお前も行ってこい」

日比野「?」

岩塚「行くぞ」

堀田「よろしく」

 堀田が財布から何枚かお札を渡す。

 岩塚が受け取り、日比野を連れて出て行く。


中村「またあっちは今年もやるのか」

藤丘「なにが?」

中村「寂しい男達の集会」

藤丘「コート着てどこ行くのよ」

中村「デート。じゃ、今日は上がります」

藤丘「さすが、モテる男は違うねぇ」

中村「褒めても何も出ませんよ」

 中村がタイムカーどを押す。

中村「じゃ、お先に失礼します」

 中村が制作部屋を後にする。


本山「今年もデートですかねぇ、中村さんは」

堀田「あぁ、奴のようなモテ男はデートだろうなぁ。ところでなんでお前コート着てるんだ。どっか外回りか?」

本山「自分も予定あるんで今日は帰ります」

堀田「はぁ!?」

本山「いや、別に良いでしょ納品終わって、やることそんなにないんだし」

堀田「デートか」

本山「違いますよ。ただの食事ですよ」

堀田「それを、世間ではなぁ、デートと言うんだよ!ばーか」

本山「なんなんすか、情緒不安すぎるでしょ」

堀田「どこへでも行ってしまえ」

本山「じゃ、お疲れ様です」

 本山もタイムカードを押して出て行く。

堀田「どいつもこいつも浮かれやがって」


 電話が鳴る。

藤丘「はい、みたかプロ。お疲れ様です。了解です、お疲れ様でしたー」

 電話を切る。

藤丘「さてと」

 藤丘が立ち上がり、コートを取りに行く。

堀田「原版終わったって?」

藤丘「はい、滞りなく終わったそうです」

堀田「お疲れ様です」

藤丘「ありがとうございます。というわけで私も帰ります」

堀田「お前は良いよ。旦那持ちだから。帰りたまえよ」

藤丘「堀田さんも早くいい人見つけた方が良いですよ」

堀田「うるせぃ」

藤丘「おさきでーす」

 タイムカードを押して出て行く。

 制作部屋には堀田を始めとして数人の男だけが残っている。



○ 編集室・廊下

 田辺から携帯に着信がある。

田辺(OFF)「何してんの」

伏見「仕事ですよ仕事」

田辺(OFF)「じゃあ、どう晩飯でも」

伏見「もうちょっとお洒落な誘い方ないんですか。晩飯って。せめてディナーとか言ってもらえます?」

田辺(OFF)「ディナーどう?」

伏見「でも残念、ホントに仕事なんですよ」

田辺(OFF)「晩飯くらい大丈夫でしょ」

伏見「年末進行で原版前倒しなんです。3話。テープ書き出し中」

田辺(OFF)「なんだ、ホントに仕事なのか」

伏見「だからそう言ってるじゃないですか」

田辺(OFF)「じゃあ、頑張って」

伏見「ありがとうございます」

 電話を切る。

白石「晩飯ぐらい行ってこれば良いのに」

 伏見が驚く。

 白石がコンビニで肉まんを買ってきて頬張っている。

伏見「聞いてたんですか」

白石「別にこの後、仕事ないだろ。行ってこれば良いのに」

伏見「仕事ありますよ」

白石「クリスマス・イヴに?」

伏見「PV」

白石「あれ」

伏見「年末、冬のコマケット会場で流すPV」

白石「今日だっけ」

伏見「いつのタイミングだと思ったんですか。今日やらないと次編集来るの年明けですよ。最近うっかりしすぎですよ」

白石「誰かが休ませてくれないから、疲れてんだよ」

伏見「はい、これ終わったらスタジオ戻りますよ」

白石「家に帰してくれよ!せめて休みをくれ!」

伏見「サンタさんにでも頼んでください」

 白石の背中を押して編集室に消えていく。



○ みたかプロ・外観

 日比野と岩塚が両手にパンパンの袋を持って階段を登っていく。



○ みたかプロ・制作部屋

 日比野と岩塚が戻ってくる。

岩塚「戻りましたー」

堀田「おつかれー」

 袋を机の上にドサリと置く。

堀田「じゃ、会議室に運んじゃって」

岩塚「うぃ」

 わらわらと群がってくる男達。

 埋もれる日比野。

岩塚「とりあえず、安売りのローストチキンと安定のフライドチキンのバケツパックを確保して参りました。あと売れ残りのケーキ達」

堀田「うむ、ご苦労。間もなくピザが到着する」

配達「こんばんはー、ピザお届けに上がりましたー」

堀田「日比野、受け取りよろ。これ、お金」

 日比野がピザを受け取りに行く。



○ みたかプロ・会議室

 机の上に広げられる、チキンやピザ。

 ちょっとしたパーティ状態。

日比野「なんすかこの宴」

岩塚「なにって、クリスマス・イヴだから今日」

日比野「彼女いない組の集まりですか」

豊平「いや、クリスマスなのに仕事してる組の集まりでもある」

日比野「監督、お疲れ様です」

 いつの間にか背後にいた監督の豊平。

一同「お疲れ様です!」

豊平「お疲れ。堀田、ほらお土産」

堀田「まさか」

 大きな包みを受け取り、包みを開く。

堀田「キターーーーー」

日比野「なんすかテンション上がって」

堀田「ゼロの下にあるピザ屋の特製パエリア。これめちゃくちゃうまいんだよ」

豊平「あと、ノンアルだけど買って来たぞ」

 ノンアルコールビールをどさっと机の上に置く。

堀田「じゃあ、ぼちぼち始めますか。日比野、作画部屋に声かけてきて」



○ みたかプロ・作画部屋

 一通り、声をかけおえる日比野。

 マジョスパ班の席に灯りがついているのに気付く。

日比野「忘れるところだった」

 宮沢が1人作業をしている。

日比野「お疲れ様です」

宮沢「お疲れ様」

日比野「あの、良かったら下で宴会?パーティ?みたいな、なんか集まって食べてますので」

宮沢「ん?なんか楽しいことやってんの?」

日比野「えぇ、まぁ楽しいというか美味しいというか。チキンとかありますから」

宮沢「チキン?あぁ、そうかクリスマスか」

日比野「お仕事の合間で大丈夫ですんで良かったら」

宮沢「わかった。ちょっと一区切りついたら顔出すよ」

日比野「了解です」

 ぺこりとお辞儀をして日比野が去って行く。

 カレンダーを眺める。

宮沢「もうクリスマスかぁ」




○ みたかプロ・制作部屋

 制作部屋にそこそこの人数が集まっている。

堀田「じゃ、細かいことは抜きにして。お仕事お疲れ様です。クリスマスに!」

一同「クリスマスに!」

 乾杯する。

 宴が始まる。


日比野「毎年やってるんですか」

岩塚「なんか、男のデスクで独身者がいる年は開くのが慣習でね」

日比野「じゃあ、この先毎年じゃないですか」

堀田「おお、どういうことだ、おら」

 ローストチキンの骨で頬をつつかれる日比野。

日比野「冗談です冗談です」

美園「でも、スタジオでこうやって集まって飲み食いするのも楽しいから」

豊平「まぁなぁ」

 豊平と美園が会話に加わる。

美園「パエリア、ウマいですねぇ」

豊平「ゼロのプロデューサーに朝から並ばせた」

美園「え」

豊平「だって、予約は出来ねぇって言うんだもん」

堀田「で、受け取ったパエリアを持ってよそのスタジオに消えていったわけですね。鬼やアンタ」

豊平「ばか、ちゃんと4つ頼んで1つはあげたわ」

 机に3つパエリアが並んでいる。



○ 某所・居酒屋

 動画部忘年会。



○ 某所・居酒屋

 本山と広瀬が食事をしている。



○ 某所・レストラン

 中村が美女とディナーを楽しんでいる。



○ 編集室

 PV編集中の白石達。

 肉まんを食べている伏見。



○ みたかプロ・制作部屋

 食べ散らかした後がそのまま。

 人がいない。

 廊下の奥から声がする。



○ みたかプロ・会議室

 電気が消え、薄暗い。

 堀田がDVDを流している。

 今年亡くなった掛川監督の作品「鉄道」のDVD。

 


○ 編集室

 編集作業が終わる。

新川「じゃ、これでオッケーかな。お疲れ様」

伏見「お疲れ様でした」

白石「おつかれー」

制作A「おつかれさまです」

白石「さ、帰るぞ」

伏見「監督送ってちゃって、私書き出し終わったら会社にテープ置いてくるから」

白石「じゃあ一緒に行けば良いじゃん」

伏見「遠回りになりますし、今日は早く帰った方がいいんじゃないですか?奥さん待ってますよ」

新川「家族サービスはしといた方が良いですよ〜。今年もどうせ仕事でしょって娘達は嫁とライブ見に行ってますから。家に帰ってもご飯がありません」

伏見「切ない」

白石「では、お言葉に甘えて」

伏見「はい、お疲れ様でした」

 制作Aと白石が立ち上がり、部屋を出て行こうとする。

 白石が何かに気付き立ち止まる。

白石「あ、そうだ。新川さん。今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします」

新川「あぁそうか。今年はこれで終わりでしたね。いえいえ、こちらこそお世話になりました。来年もどうぞよろしく」

白石「じゃ、良いお年を〜」

新川「良いお年を〜」

 手を振って白石が去る。



○ みたかプロ・会議室

 エンドロールが流れている。

 目頭をぬぐう堀田たち。

堀田「じゃあ、次はこれで」

 次のDVDを準備し始める。




○ みたか駅

 伏見が改札をくぐる。

 外はカップルや幸せそうな家族だらけ。

伏見「うぅ」

 何故かダメージを受ける伏見。

伏見「さぁさぁ私には仕事があるぞ。楽しいなぁ」

 呪文のように呟く。

 視界に入るケーキ屋のガラスウィンドウ。

 近づいていき、眺める。

店員「よかったらいかがですかぁ」

 色とりどりのフルーツが乗ったケーキが並んでいる。

伏見「ケーキでも買っていってやるかぁ。これ1つください」

店員「はーい、ありがとうございまーす」

 伏見が財布を出す。



○ みたかプロ・制作部屋

 全員会議室でDVDを見ているので誰もいない。

 レイアウト上がりを手にしながら宮沢が下りてくる。

宮沢「こりゃ盛大だなぁ」

 散らかっている制作部を見渡す。

 伏見の席に上がりを置き、傍にあったピザを頬張る。

宮沢「うま」

 もぐもぐとピザを食べる。



○ みたかプロ・外観

 夜。

 ケーキの入った袋を手にした伏見が階段を上がっていく。



○ みたかプロ・制作部屋

 伏見が制作部屋の扉を開ける。

伏見「めりーくりすまーす」

宮沢「わっ」

 ケーキを掲げて勢いよく入ると、ちょうど2切れ

目のピザを頬張ろうとしている瞬間だったのでむせる宮沢。

 散らかっている制作部。

伏見「なんじゃこりゃ」

 宮沢がブンブンと首を横に振り、自分ではないと否定する。

 廊下の奥から声がするので察する伏見。

伏見「まぁいいか…ケーキ買ってきましたよ。宮沢さん」

宮沢「おお、甘い物は好きだよ」

伏見「それはよかった」

宮沢「上がり置いといたから」

伏見「ありがとうございまーす」

宮沢「そういえば、原版だったよね。どうでした?」

伏見「無事終わりましたよ〜。監督も家族サービスで帰りましたし。あ、そうだ。冬のコマケット用のPVも出来ましたよ。見ます?」

宮沢「是非是非」

伏見「じゃ、準備しますんで、宮沢さんは好きなケーキ選んどいてください」

 宮沢にケーキを渡し、伏見が自分の席に向かう。

伏見「これで、年内の編集は全て終わりです。年明けたら本番ですが、あっという間に終わっちゃうんでしょうねぇ」

宮沢「だろうねぇ。気を引き締めないと。あ、ボクはこの苺のやつで」

伏見「じゃあ、私はマスカットのやつで」

 宮沢がそこら辺に置いてあった紙皿に移し、キョロキョロと何かを探しながら持ってくる。

 伏見が机の引き出しから使い捨てフォークを取りだし、宮沢に渡す。

宮沢「さすが」

伏見「これでも一応、制作なんで。じゃ、流します」

宮沢「うぃ、よろしくお願いしまーす」

 PVが流れ始める。



○ みたかプロ・外観

 夜。





おわり

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