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810/1997

レオやリーザと部屋で遊びました



 コッカーとトリースに関しては、しばらく様子を見つつ慣らしていって、ラーレが付いていなくてもちゃんと寝てくれるようになる事を願いながら、部屋で就寝の時間。


「……シェリーやコッカー達には厳しいのに、レオ自身は甘いんだなぁ?」

「ワーウ? ワフワフ」

「まぁ、先住者とか力が上だとかはわかるけどな……」


 部屋に戻ると、レオから甘えるように構ってくれと、前足でテシテシと背中を軽く叩かれたので、最近そう言えばあまり構ってやれてなかったなと思い、遊んでやる。

 とは言え室内なので、撫でてやったりとかそのくらいだ……リーザがいるから、最近はあまりこうして遊ぶ事はなかったんだが、なれてレオも甘えたくなったらしい……可愛い奴め。


「ママ、お手ー。おー……おかわり!」

「ワフ……ワウ!」

「リーザも随分とレオの扱いが上手くなって……」


 リーザにも教えてやると、一緒に遊び始めた。

 ただ、体の大きさが違い過ぎるために、レオがお手やおかわりをすると頭の上に乗せる事になってはいたが、微笑ましい触れ合いになっている。


「わー、ママぷにぷにだー」

「ワフフフ……ワウー」

「ははは、こそばゆそうだなレオ?」


 何度かお手やおかわりをするレオに対し、リーザが何を思ったのか頭の上に乗った前足を両手で捕まえ、足の裏……早い話が肉球の部分を押して、ぷにぷにした感触を楽しんでいた。

 犬というか、レオにとって感覚が鋭敏な部分でもあるので、リーザに触られてくすぐられているように、こそばゆいといった声を漏らすが、力任せに足を戻す事はできず、耐えている。

 昔もこうやってくすぐって遊んだ事もあったなぁ……その時は、今のように大きくないマルチーズだったので、レオはすぐに足を引っ込めてしまったが。

 なんて、懐かしく思いながらやんわりとリーザが捕まえている前足を離すよう促し、耐えているレオをくすぐったさから救出する。


「ぷにぷにした感触もいいけど、こっちも格別だぞ、リーザ?」

「ふわふわしてやわらかいから、こっちも好きー」

「ワフ~」


 その後レオに仰向けになってもらい、リーザと一緒にお腹を撫でてやる。

 気持ち良さそうなレオの声を聞きながら、その日の夜は更けていった……。

 寝る直前、レオが起き上がる時に背中の力だけで飛び上がり、空中で回転してシュタッと着地したが、久しぶりに見た気がするな……リーザが喜んでいたからいいけど、余り勢いが付き過ぎると危ないから、気を付けるんだぞ?



―――――――――――――――



 それからさらに数日、俺もティルラちゃんも、リズムを崩さないようにしながら薬草作りや勉強、鍛錬から遊びにと励む。

 コッカー達は相変わらず、植物の虫取りに精を出しており、使用人さん達にも評判が良かったりもした。

 虫を取り除く作業は結構神経を使うし、虫が嫌いな人もいるからな……あと、人が見逃してしまう虫の中に、植物の成長を阻害する虫というのもいるらしく、それを食べてくれているおかげで、屋敷の周囲にある植物が綺麗に花を咲かせたりしている。

 なんというか、はっきりとした言葉では言い表せないんだが、屋敷周辺の草花が元気というか、雰囲気が明るいような気がする。


 もしかしたら、これがラーレの言っていた森の掃除屋としての効果なのかもしれないな……。

 植物が元気に成長するように促せる、という事だろう。

 評判が良すぎて、セバスチャンさんを含めた数名の執事さんが、各村にコカトリスを……という検討を真剣にしていたりもした。

 結局、従魔にするかどうかとか、見つけて連れて来るのが難しいという以前の話に戻ってしまい、断念したようだけどな。


「グルルゥ!」

「ガウ!」

「ガウゥ!」

「整列してるなぁ……お腹は見せたままだけど」

「ワウ!」


 そうしている中で、しばらくぶりにフェリーがフェンとリルルを連れて、屋敷を訪ねてきた。

 目的はもちろん、ハンバーグなどの調理した食べ物……やっぱり餌付けしてしまったかな、これは。

 三体は裏庭に来た後、屋敷の人達への挨拶代わりに横へ並んだと思ったらすぐにお腹を見せ、それに対し、レオが良し! とでも言うように鳴いて頷いていた。

 ちなみに今、セバスチャンさんがヘレーナさんの所へ、昼食にハンバーグを用意するよう手配しに行っているので、望み通り食べられる事だろう。


 駅馬の話とかもあるからな……機嫌を取る必要はないんだろうが、こちらからも一応人間と拘わっておけば、いい事があると示すとかなんとか意気込んでいた。

 リーザは、ハンバーグなら手伝えるからとセバスチャンさんに付いて行った……料理に目覚めた、という程ではなくとも手伝いを率先してできるいい子だ。


「あ、そうだ……フェリー、ちょっといいかな?」

「グルゥ?」

「キャウー!」

「ガウッ!?」

「ガウゥ~」


 思い出した事があったので、フェリーにと声をかける。

 こういう事は、フェンリルの群れのリーダーをしているフェリーに聞くのが適任だろう。

 その横では、シェリーが両親であるフェンとリルルに飛びついていた……家族団らんだろうか。

 ……油断していたフェンは、勢いよくシェリーがお腹に乗ったので、結構苦しそうな声を出していたけど……リルルが起き上がり、シェリーに鼻先を近付けて気にしていないから、大丈夫そうだな……フェン、頑張れ。


「少し前に、獣人の女性に会ったんだが……その人がフェンリルに何か関係していそうなんだ」

「グルルゥ? グルル……」

「すまない、レオ。通訳してくれるか?」

「ワフ」


 デリアさんの事を聞こうとしたんだが、起き上がったフェリーからの言葉がわからない。

 リーザは厨房でヘレーナさんのお手伝いだし、ラーレはいるけどティルラちゃんは勉強の時間で、ここにはいないからレオにしか頼めない。

 頷いて少しだけ前に出るレオを見て、フェリーの体が少し緊張したようにも見えたけど……ちょっと話を聞くだけだから、緊張しなくていいんだぞー?


「えっと、フェンリルに助けられたかもっていう獣人の人がいてな? その、かなり前の事なんだけど……」

「グルゥ……」


 フェリーにデリアさんが拾われた時の事を話し、何か知っていたり関係する事がないかを聞く。

 こういう時、説明するチャンスなのにセバスチャンさんがいてくれたらと思うが、あまり頼ってばかりだといけないからな――。




読んで下さった方、皆様に感謝を。


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夫婦で異世界召喚されたので魔王の味方をしたら小さな女の子でした~身体強化(極限)と全魔法反射でのんびり魔界を満喫~


― 新着の感想 ―
[一言] 更新有り難う御座います。 コカトリス大活躍!?(合鴨?)
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