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レオと相談した内容をクレアさん達に伝えました



「ワウ?」


 おっと、考え込んでしまってレオに不思議そうに見られている。

 

「何でもないよ。それじゃあレオは森に行く事になっても良いんだな?」

「ワウ! ワウワフワウーワフワフ! ワウーワフワフ」


 えっと……今回は……うん、大丈夫! それに、久しぶりに思いっきり運動出来て楽しそう!ご主人と住んでた部屋だとあんまり運動出来なかったから……かな?

 何か表情と声、さらに前足も時折動かして伝えようとしているレオ。

 しかし……運動か……。


「何と言うか……すまない……あまり運動をさせてやれなかったな……」

「ワフワフ」


 謝った俺にレオは顔を寄せて、頬をペロッと一舐め。

 どうやらレオは、気にするなと言ってくれてるようだ。

 ……ありがとうな、レオ……。


「……これからもよろしくな、相棒」

「ワフワフ!」


 勢いよく頷くレオ。

 レオと外で遊ぼうにも、その時間がかなり少なかったせいもある……仕事で時間が取れなかったからな……。

 相棒という言葉に頷いてくれたレオ、お前のおかげで前の世界でも、この世界に来ても何とかやっていける気がするぞ。

 ……おっと、このまま浸ってたらいけないな。

 俺は一度、レオの頭をしっかり撫でてクレアさん達の方へ体を向けた。

 ……レオへの感謝と謝罪の念からか、目が潤んで少し視界が霞むが、部屋の端から戻るまでにはまばたきを繰り返して何とかしておいた。


「クレアさん、決まりました」

「……タクミさん、何だか泣いているように見えますけど、大丈夫ですか?」

「大丈夫です。気にしないで下さい、何でもありませんから」

「……わかりました。タクミさんがそういうなら気にしない事にします」

「お願いします」


 ……何とか誤魔化せると思ったけど、表情に出たままだったようだ。

 誤魔化せなかった恥ずかしさを無理矢理抑え込んで、クレアさんに返答をする。


「クレアさん、一緒に森に行きましょう」

「本当ですか!?」


 俺の言葉にクレアさんは顔を輝かせる。

 さっきまでの怒った雰囲気は欠片もない。

 やっぱりクレアさんは怒った顔より、笑った顔の方がいいな。


「「「……」」」


 クレアさんの後ろで控えてるセバスチャンさん達の視線が痛い……。

 森に入っても、そんなに危険は無い事をしっかり伝えよう。

 レオの言葉を信じるなら、だけどな。

 俺は、相棒であるレオが一緒に居るなら大丈夫だと確信してるけどな。


「えっと……セバスチャンさん、ライラさん、ゲルダさん」

「「「はい」」」

「フェンリルの森にはフェンリルがいて、もしかしたら最強の魔物と言われるシルバーフェンリルもいるかもしれない。だから危険だし、クレアさんを行かせてもしもの事があったらと止めたいんですよね?」

「……その通りでございます」

「セバスチャン……」


 クレアさんはようやく冷静になれたようだ。

 さすがにクレアさんも、セバスチャンさん達が本気で心配してたから、さっきのように詰め寄ったのだという事は理解してるだろう。

 怒ったのは多分、話を中断させた事と、クレアさん自身の行きたい気持ちが無視されてると感じたからだと思う。

 ……もし違ったらゴメンナサイ。


「セバスチャンさん、レオと話したんですが……レオがいればあの森は安全だそうです」

「……それは本当ですか? いくらレオ様がいるとは言え、もし予想通りにフェンリルの群れがいたとしたら……いくらレオ様でも、数で押されるかもしれません。それに、初代当主様が森に入った時のようにシルバーフェンリルが現れたとしたら……」

「フェンリルとシルバーフェンリルが一緒に出てきたら、レオだけじゃ対処出来ないと思うんですよね?」

「……はい」


 セバスチャンさん達の考えはわかる。

 俺もその事は考えたが、レオが全部否定してくれた。

 レオが何を言ってるのかわかるのは俺だけかもしれないから、この事は俺が伝えないとな。


「えっと、レオが言うにはですが……」

「待ってください。それ以前に、タクミ様はレオ様の言う事がわかると言うのですか?」


 俺が話そうとした言葉を遮って、ライラさんが進み出た。

 クレアさんがその事に対してライラさんを睨んでるけど、今回はクレアさんも自分を心配してくれてるからこその行動だと分かってるので、何も言わない。


「あー……えっと……それは俺にもレオにもはっきりとはわからないんですが、一緒にいる時間が長いせいなのか、何となくわかるんです」

「ワウ!」


 レオも俺の言葉に頷いてくれる。

 俺がレオの言いたい事が伝わるように、レオにも俺が言う事が伝わるようだ。


「レオ様も頷いてますし……タクミ様の言う事は本当なんでしょう……」


 何とか納得したライラさんは、俺とクレアさんに対して一礼をして後ろに下がった。

 クレアさんは俺の言った事について何か考えている。


「えっと、クレアさん。続きを話しても大丈夫ですか?」

「……あっ、はい。失礼しました」

「それで……えっと、レオが言うにはですが。シルバーフェンリルからすると、普通のフェンリルはただの雑魚扱いなんだそうです。ついでに、森にいる他の魔物も同様に雑魚だと。それと、シルバーフェンリルはフェンリルの上位の存在だから、フェンリルはレオを見たら服従するとの事です」

「「……」」


 フェンリルを雑魚と言い切ったレオの言葉を伝え、その内容に驚きを隠せないメイドさん達。


「タクミ様、シルバーフェンリルは確かにフェンリルの上位とは伝わっていますが……本当なのですか? フェンリルは獰猛な魔物であり、群れで人間を襲う魔物です。シルバーフェンリルとは言え、とても他者に服従するとは思えませんが……」

「んー……本当なんだよな、レオ?」


 俺は横にいるレオを見て、確かめるように聞いてみた。




読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでよろしくお願いします。

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