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薬酒の事を考えました

ブックマーク登録をしてくれた方々、評価を下さった方々、本当にありがとうございます。


すごくありがたいです。

おかげ様でモチベーション維持の助けになっております!



 日本は物に溢れてたから、あれが体に良いだの、これが体に良いだのと言った物はいっぱいあった。

 でも、仕事にかまけてて関心は無かったし、あまりそういった事に凝ったりもしてない。

 仕事の疲れを取りたいと思う事はあったが、いくつか試しても実感は得られなかった。

 ……効果があるとかないとかは関係なく、仕事ばかりで、ろくに休めなかったのが原因なんだろうけどな。


 どれだけ効果のある物でも、休まなければ意味がないしなぁ……。

 それこそ、この世界に来てから作った疲労回復の薬草や、筋肉疲労を取る薬草の方が、よほど効果が実感できる。

 あれは、『雑草栽培』という特別な能力で作った薬草だからなぁ……休まなくても良いというわけじゃないけどな。

 ……考えてみると、魔法に近い物なのかもしれない。


「ふむ、疲労回復か……あの赤い箱の薬酒も、疲労回復効果があるらしいよな?」


 誰に聞かせるともなく呟き、考えてみる。

 ワインに混ぜ込み、味を損ねる事無く効果が表れるかどうかというのはわからないが、試してみるのも良いかもしれない。


「まずはラモギだな。とりあえず今、屋敷にあるワインの病原を取り除かないと」


 どれだけ疲労を回復できるワインを作れたとしても、病原があるままでは飲む事はできない。

 疲労が回復したとしても、病気になっては意味がないからな。

 ヘレーナさんに試作してもらうため、ラモギを多めに作りながら、薬草を考えて行く。


「んー……疲労回復、栄養補給、眠気……は取らない方が良いか。寝る事で休まる部分もあるはずだしな。逆に眠気を誘発するのも悪くないか……睡眠薬? いや、それだと強力過ぎて危ないか」


 作ったラモギを摘み取りながら、どんな薬草が良いかを考えて行く。


「……待てよ? 別に一つの物にしなくても良いのか……それなら……」


 摘み取ったラモギの処理を済まし、ニックに渡すのとは別にして保管しながら考える。

 ……この場に他の誰かがいなくて良かった……ぶつぶつ言いながら薬草を作る姿は、怪しく見えても仕方ないだろうから。


「滋養強壮とかもあったな……あとは、血行促進……はアルコールと合わせたら危ないか」


 量を守って飲むのであれば、血行促進をしても大丈夫だろうが、この世界の人達は用法用量守って……という考えが浸透してるとは考えにくい。

 まぁ、言えば守ってもらえるかもしれないが、そこまでするのはちょっと手間かもしれないしな。

 主に、販売をする人達が……だけどな。


「アルコールが回って酔いが早くなるのは、酔いたいだけの人には良いかもしれないが……やっぱり危険そうだから考えるのは止めよう。そもそも、アルコールにも血行促進の効果があるしな……」


 少量だけ飲む、血行促進の薬酒を作っても良いかもしれないが、それはまた今度にしよう。

 まずは、数多く出荷できる可能性のある物を考えるべきだ、ランジ村のために。


「欲しいのは、疲労回復と滋養強壮と栄養補給……かな。この3つで、病気になりにくい状態にした方が良いだろうな」


 病気になりにくければ、それだけラモギのような薬草を必要としなくなる。

 絶対病気にならないわけじゃないから、需要はなくならないだろうけどな。

 

「疲労回復は、今ある薬草を使えば良いか。問題は、滋養強壮と栄養補給だな……栄養と言っても、色んな成分があるし……どうやって作るかだ……」


 まず栄養補給をして、滋養強壮効果のある物を飲む。

 そうする事で、必要な栄養分を体へと行き渡らせる事ができる……という考えだ。

 知識なんて聞きかじった程度にしかないから、正しいとは言えないが、大きく間違ってはいないはずだ。

 しかし栄養素なんて、色々あるしなぁ……取り過ぎてはいけない物もあるし……難しいな。


「基本的には、食事から栄養を取るだろうから……タンパク質とビタミン……あと鉄分あたりを少量含んでいるのが良いか。多過ぎてもいけないから、補助をするくらいので……」


 健康補助食品と同じような考え方だな。

 あくまで、通常の食事にプラスして飲む事で、足りない栄養を補う事を考える。

 あとは、滋養強壮の部分で少なくとも必要な分はしっかり吸収される……とした方が良いだろう。

 管理栄養士の資格とかを持っていれば、色々考える事ができたのかもしれないが、俺はそういった資格を取ったり、勉強をしたりはして来てないからな。

 この世界に、栄養素を分析する技術とかも無さそうだし。


「よし、滋養強壮と栄養補給の薬草を……」


 ある程度考えをまとめて、地面に手を付いて『雑草栽培』を発動。

 数秒おいて、いくつかの植物が生えて来た。

 その植物を摘み取り、手のひらに乗せてもう一度『雑草栽培』を発動。

 乾燥して粉になった物や、何も変わらない物などができて、処理は完了だ。


「むぅ……多分これが滋養強壮なんだろうけど……他のがな……」


 滋養強壮の薬草は、見た目がアシタバに似た薬草だ。

 『雑草栽培』での処理をすると、葉から黄色い汁が出てそれが全体を包み、葉が黄色くなったところで乾燥。

 この状態で完成のようだ。

 見た事のある薬草だから、何となくこれが滋養強壮だとわかったが……この世界だと何て名前なんだろうなぁ……?

 効果もアロエがロエだったように、強力な効果があったりするんだろうか……後でセバスチャンさんに聞くか、借りた勉強用の本で調べてみよう。


 それはともかく、他の薬草。

 いくつかの薬草が出来上がったんだが、そのどれもが効果がいまいちわからない。

 栄養補給の事を考えて栽培したんだから、豊富な栄養素を持っている薬草だとは思うんだけど……5種類もあったらどれを使って良いのかわからない……。

 ……これも、後でセバスチャンさんに相談……かな?


「とりあえず、こんなもんか。ラモギを持ってヘレーナさんの所に行こう。まずは試作してもらわないとな」


 作った薬草を持ち、裏庭から屋敷へ入るために移動する。


「レオ―、俺はちょっと厨房に行くから、そのまま遊んでていいぞー」

「ワフー!」

「キャゥー!」

「タクミさん、いってらっしゃーい」

「ちょ、ちょっと待ってくれー」


 レオに声をかけ、ティルラちゃん達にも裏庭を離れる事を伝えてから、厨房へ向かう。

 エッケンハルトさんだけは、助けを求めていたようにも見えたけど……ちょっとだけ楽しそうな雰囲気だったから、そのままにしておいた。




読んで下さった方、皆様に感謝を。


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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移


完結しました!
勇者パーティを追放された万能勇者、魔王のもとで働く事を決意する~おかしな魔王とおかしな部下と管理職~

申し訳ありません、更新停止中です。
夫婦で異世界召喚されたので魔王の味方をしたら小さな女の子でした~身体強化(極限)と全魔法反射でのんびり魔界を満喫~


― 新着の感想 ―
[良い点] レオちゃんの可愛さに癒される‼️
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