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レオやティルラちゃん達と遊ぶ事を推奨しました



「わかりました。それじゃ、レオを呼びますね?」

「う、うむ……」


 エッケンハルトさんに頷き、レオを呼ぶ事にする。

 薬草を作るために裏庭へ来た時、ティルラちゃんと一緒にレオも来て今もそこらを走りまわって遊んでる。

 楽しそうに遊んでるのを邪魔するのは悪いが、仕方ない。


「おーい、レオー!」

「ワフ?」

「ちょっと来てくれー!」

「ワフワフ!」

「タクミさん、どうしたんですか?」


 走ってるレオに声をかけると、すぐに俺の方へ向いて止まる。

 俺の所へ呼ぶと、ティルラちゃんとシェリーを乗せたまま、こちらへ走って来た。

 エッケンハルトさんは、少し後退り気味だ。


「遊んでる最中にすまないな。えっと……エッケンハルトさん?」

「うむ……そのだな……ティルラ? すまないが、あっちでシェリーと遊んでおきなさい」

「……わかりました。シェリー!」

「キャゥ!」

「……これで私とタクミ殿と、レオ様だけになったな」

「ワフゥ?」


 及び腰のエッケンハルトさんは、娘であるティルラちゃんに、あまり情けない姿を見せたくないんだろう。

 シェリーと別の場所で遊ぶように言い、素直に従ったティルラちゃんを見送った。

 レオは、そんなエッケンハルトさんに首を傾げて、何の用があるのか俺に視線を向けた。

 用があるのは俺じゃなくて、エッケンハルトさんだからな?


「そのだな……レオ様」

「ワフ?」


 言いにくそうに声を出すエッケンハルトさんを見るレオ。

 その様子は、俺から見ても昨日の事を気にして睨んでるようには見えないから、やっぱりエッケンハルトさんが怖がってそう感じてるだけなんだろう。


「昨日の事をな、謝りたいのだ……いえ、謝りたいのです」

「ワフ、ワフワフ?」

「昨日の事を? と言ってるようです」


 レオが何を言っているのか、エッケンハルトさんは完全にわからないから、俺が通訳になってるな。


「その……タクミ殿を危ない目にあわせた事、反省しております。もうこのような事はしないと約束致しますので、許していただけないでしょうか?」

「ワフゥ? ワフワフ、ワウ!」

「……レオ様は、なんと?」

「えーと、本当に? もし次があったら、許さないぞ! ……と言っています」

「はい! 約束させて頂きます! もう昨日の事のように、タクミ殿を危ない目に合わせないように致しますので、なにとぞ!」

「ワウワウ。ワフ」

「ん。同じ事をしないのであれば、今回は許す。だそうです」

「本当ですか!? ありがとうございます!」


 レオに謝るエッケンハルトさんに、俺が通訳して何を言っているのかを伝える。

 レオに許された事で、安心したようにお礼を言うエッケンハルトさん。

 ……嬉しそうだ。


「ワフワフ? ワフ、ワフワウ」

「ん? あぁ、そうだな。その方が良いかもしれないな」

「……何を話しているのかな?」


 レオからの提案を受けて、俺が頷く。

 何となく、嫌な予感のようなものを感じているエッケンハルトさん。

 そんなエッケンハルトさんにレオと俺が視線を向け、どうしようとしているのかを伝える。


「いえ、レオがですね……乗って走るのが一番、許したとわかりやすいだろう……との事です。良い機会なので、慣れるのと一緒に、ティルラちゃん達とも一緒に遊べば良いかな? と。昨日の帰りのような速度は出さないようですよ?」

「……ティルラと遊ぶのは構わないのだが……レオ様に? 以前ここで乗った時は、何事も無く快適だったが……昨日のような事は……」

「大丈夫ですよ。レオはそこらの事はしっかりわかってます。昨日のような速度を出す事も無く走ってくれます。ティルラちゃんも一緒にいるんですからね」

「そうか……そうだな」

「ワフワフ」


 ティルラちゃんも一緒に遊ぶのだから、レオも無茶な事はしないだろう。

 それに、しっかり謝って反省し、同じような事をしないと約束したエッケンハルトさんの事を、レオはちゃんと許してるみたいだしな。

 まだ完全に恐怖が消えないエッケンハルトさんには、一緒に遊ぶのが一番慣れやすいだろうと思う。

 ティルラちゃんも父親と遊べるんだから、一石二鳥だな。


「さ、どうぞ」

「父様、どうぞ!」

「う、うむ……」

「ワフー」

「キャゥー」


 エッケンハルトさんの背を押して、レオに乗るよう促す。

 少し及び腰のエッケンハルトさんだが、俺とティルラちゃんに押されて諦めたようだ。

 レオの背中にティルラちゃんと一緒に乗り込む。

 シェリーは、レオの頭の上だな……最近はそこがお気に入りのようだ。


「さ、レオ」

「ワフ!」

「うぉ!」


 俺の言葉に頷いたレオが立ち上がり、さっきまでティルラちゃんと遊んでた場所へと走り出す。

 走り出したレオに、エッケンハルトさんは驚いたようにしがみつく。

 何度も乗ってるから、そろそろ慣れても良いと思うんだけど……まぁ、これで慣れてくれれば良いか。


「きゃー、レオ様その調子です!」

「ちょ、ちょっと速度を出し過ぎじゃないか、レオ様?」

「ワフー」

「キャゥ! キャゥ!」

「……楽しそうだな」


 離れた場所から走るレオを見ながら、呟く。

 まぁ、楽しそうな声を出してるのはティルラちゃんとシェリーだけで、エッケンハルトさんはまだ戸惑っているようだけどな。

 ……レオも楽しそうだ。


「さて、あちらばかり気にかけてても仕方ない。……薬酒の事でも考えるか」


 いつもの薬草作りは粗方終わったので、時間の開いているうちに薬酒にできそうな物を考えないとな。

 これによって、買い取ったワインが良い物になるかが決まって来る。

 今のままでも、ジュースにしたら美味しいんだけどな。

 でも、ランジ村の産業にもできる可能性があるから、しっかり考えたい。


「薬酒か……あの赤い箱のやつが最初に思いつくけど……でもどんな物でできてるか、詳しく知らないしな……」


 日本にいた頃、何度か飲んだ事はある。

 お酒があまり好きじゃなかったため、常飲はしてなかったが。

 詳しく成分とかを調べた事がないため、どんな物で作られてたのかをよく知らない。

 まぁ、漢方とか体に良い物を使って……という事は知ってるんだがな。


「ふむ、どうするか……体に良い成分。漢方は詳しくないからなぁ……」




読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

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面白いな、続きが読みたいな、と思われた方はブックマークを是非お願い致します。


作品を続ける上で重要なモチベーションアップになりますので、どうかよろしくお願い致します。

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