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1893/1997

エッケンハルトさんを楽しませたようでした



 俺の事はともかくとして、今回到着した調査隊は五百人程で、まださらに三百人を超える後続がいるとの事だ。

 合計すると、千人以上の人が集まる事になるわけだけど……さらに森の調査に力を入れて行かないとなと、自分に気合を入れる。


 まぁ、細かい人の割り振りなんかは、俺じゃなくてエッケンハルトさんや調査の実働隊をまとめるルグリアさんがやってくれるんだけどな。

 俺がやると、とにかく全員で森に入って山狩りならぬ森狩りだ、なんて事になりかねない。

 いやまぁ迅速に森を広範囲に、そしてしらみつぶしに調べるという意味では悪くないかもしれないが、それはそれでフェンリルの数が足りないしな。

 そして……。


「こ、これ程のフェンリルが集まると、それだけで圧のようなものを感じます……」


 フェリーに頼んで、屋敷にいるフェンリルを全て呼んできてもらったのを見て、新しく到着した調査隊の人が発した言葉がこれだ。

 こめかみから汗を流すどころか、後ずさりしたり足だけでなく体を震わせて、怯えているような人がいたり、トラウマにならなきゃいいけど。

 他にも、ラクトスからの調査隊で多くのフェンリルを見ていた人達も、全部が集まった光景はこれが初めてなんだろう、多少は慣れてきているようではあるけど、さすがに驚いているようではあった。

 要は、全体にどよめきが広がった感じだな。


「フェンリル達は特に、圧を発するような事をしておらんのだがな」


 なんて、落ち着いた様子で話すエッケンハルトさんだけど、その顔は目論見通りというか、面白そうに満面の笑みだ。

 そもそもフェリーに頼んでフェンリル達を集めたのはエッケンハルトさんからの提案だから、予想通りに行って楽しんでいるんだろうけど。

 まぁ、調査に加わる以上フェンリルと協力する必要があるので、今のうちに慣れさせた方がいいと言われ、こうなるのを俺やクレアは止められなかったんだが。


「村の人達と和やかに過ごしているだけですからねぇ」


 フェンリル達は、何事かと出てきた村の人達に撫でられたりと、穏やかに過ごしているから圧なんて発してはいない。

 レオを前にした時とは違って、整列なんてしていないしな。

 けどまぁ、フェンリルは体が大きいし、恐ろしい魔物という認識がある人もいるようだから、大量にそこにいるだけで圧のような物を勝手に感じる事もあるのかもしれないな。

 その流れというか騒ぎという程でもないけど、村長のハンネスさんも出てきている。


 新たに調査隊が到着した事など、村でお世話になる人達でもあるので、ハンネスさんには話しておかないといけない事もあっただろうし、ちょうどいいと言えばちょうどいいか。

 これを、エッケンハルトさんが狙ってフェンリルを集めたわけではないだろうけど――。


「さて、大体の情報は説明したとおりだが……」


 あれからいくつかハンネスさんも交えて、調査隊の隊長格の人達と話、屋敷へ移動。

 リーザはラーレと一緒にティルラちゃんのところへ行き、そちらでデリアさんも加えてフェンリル達と共にいる。

 それ以外の、俺、レオ、クレア、エッケンハルトさんは、新しい調査隊の隊長さん達六人を加えて、俺の執務室へ。

 アルフレットさん、ライラさん、ヴァレットさん、セバスチャンさんも加わって、まずは現状の調査の進捗を共有。


 ほとんどが、目を輝かせたセバスチャンさんが説明してくれて、それが終わったところだ。

 調査に関する話なら、ルグリアさんやプレルスさんもと思ったけど、そちらは集まらなかったフェンリルと一緒にまだ森での調査中。

 まださらにフェンリルがいる、という事実に新しい調査隊の隊長さん達は驚いたようだけど、まぁそれはいいか。

 調査の方は現在、森の入り口付近を広い範囲で見張りつつ、森の奥へと進んでいる。


 俺がレオ達とニグレオスオークなどを狩りに行った場所より、さらに奥へと行っているらしい。

 さすがにラクトスからの調査隊が加わった事もあって、調査の進みが早い。

 前までは少しずつ、ポイントごとの調査だったけど今は広範囲でありながらも、奥へと進む速度が早いな。


「失礼します。森の調査を終えましたのでご報告に……っと、新たな調査協力者が到着いたしましたか」

「ルグリアさんお疲れ様です。はい、先程到着したばかりで、進捗状況の共有をしたところです」


 そんなこんなで、あらかた話すべき事を話した頃に見計らったかのようなタイミングで、ルグリアさんがパプティストさんとプレルスさんを伴って戻ってきた。

 すぐに執務室にいる面々、いつもなら俺とアルフレットさんやライラさんに、レオがいるくらいなのに、エッケンハルトさんやクレア、さらに明らかに兵士といった装いの隊長さん達がいるのを見て、調査隊の到着に気付いたようだ。


「まだまだ手が足りませんでしたので、助かります。すぐにでも、調査隊に組み込んでも?」

「えーっと……はい、構わないと思います。細かな人数などは、それぞれで」

「了解しました」


 どうかな? と思ってエッケンハルトさんにチラッと視線を巡らせると、すぐに頷いてくれたのでいいのだと判断。

 クレアもルグリアさんに話す俺の言葉を聞いて頷いていたから、これで良さそうだ。

 さらに調査の進みが早くなる事を願う。


「それで、今日の報告という事ですが……皆いるのでちょうどいいかと」

「はい。それでは……」


 ちょうど隊長さん達もいるし、どういう調査を実際にしているのかルグリアさんの口から話してもらった方がわかりやすいだろうと、報告ついでに話してもらう事にする。

 それからしばらく、本日の調査内容などがルグリアさん達の口から説明されるが……大体は昨日までと同じような内容で、さらに森の奥に進めている、といった内容くらいかな。

 なんて思っていたら……。


「森全体からすると、まだ半分にも達していないはずですが……その中で、一つ不審な物を発見いたしました」

「不審な物、ですか? これまでの調査ではなかった物なんですか?」


 何やら、今までの似たり寄ったりになってしまっていた報告とは、また別の事があったらしい。

 新しい調査の進捗になってくれるといいんだけど。

 とりあえず、何を発見したのかを聞く事にした――。




読んで下さった方、皆様に感謝を。


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