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1708/1996

主要メンバーで集まって会議を始めました



「俺が悠長に寝ている間に、そんな事になっていたんですね……ずっと寝ていて申し訳ないです」

「いえ、旦那様がフェンリル達を心配し、ギフトにより多少の無理をしていた事は皆知っています。お気になさらず」

「そう言ってもらえると、少しは気が楽になりますね。よし、っと……」


 話しながら、俺自身の身支度が終了。

 まぁ男の身支度なんて、髭を剃って顔を洗って寝癖を直して、というくらいでそんなに多く時間がかからないからな。

 時間をかけてやる人もそれなりにいるかもしれないが。


「リーザ達の方は……」

「んにゅー、気持ちいいねー」

「ワフ~」

「……もう少しかかりそうかな」


 ジェーンさんがリーザの尻尾や耳、髪などを梳かし、チタさんと他の人達が総がかりでレオの毛を梳かしていた。

 両方気持ち良さそうな声を出してご満悦だな。

 大きな尻尾を持ち、俺より髪の長いリーザは当然時間がかかるし、レオはそもそもに体が大きいからな。

 あちらの身支度が整うまでまだかかりそうだし、その間にアルフレットさんからあれからの事をもっと聞いておこう――。



 ――支度を整えて、アルフレットさんと話していると俺が起きた事が伝わったらしく、エッケンハルトさんやユートさん達から呼び出され、俺の執務室に集まった。

 なぜ俺の執務室かは……まぁ話しやすいからいいんだけど。


「おはようございます、タクミさん」

「うん、おはようクレア。疲れとかは大丈夫?」

「はい。ちょっと寝すぎちゃったくらいです……」


 最後に、起きて身支度を整えたクレアがシェリーを抱えて入室し、全員集まった。

 ちゃんと整えたからっていうのもあるだろうけど、話していても表情などからも、クレアが徹夜の疲れを引きずっていないのがわかる。

 疲れが残っていないのはいいんだけど、夜寝られるかどうかが逆に心配だなぁ……それは俺やリーザもそうだけど。


「うむ、全員集まったな。それでは、カナンビスについての確認だ」


 クレアが入室して来て俺の、執務室でいつも使っている机に着く俺の横に座ったのを見て、部屋内を見渡すエッケンハルトさんが言う。

 この部屋には、俺とクレア、エッケンハルトさん以外にレオとシェリー、俺の使用人代表としてライラさん、アルフレットさん、クレアの使用人代表としてエルミーネさん、ヴァレットさんが起きたクレアと共に入って来ている。

 その他に、エルケリッヒさんとマリエッタさん、その使用人であるハイディさん。

 それからユートさんにルグレッタさん、あとテオ君と近衛護衛さんからルグリアさんとパプティストさんだ。


 最後に、ソファーに座って疲れた様子を隠し切れないセバスチャンさんとヴォルターさんだな。

 もしかすると、俺達が厩舎にこもってからずっと図書室で寝ずにカナンビスについて調べてくれていたのかもしれない。

 目の下の隈がはっきりとわかるくらいだ……後で、疲労回復と安眠薬草を渡しておこうと思う。

 ともかく、これだけの人が執務室に入る事が初めてなので、いつもより少し狭く感じるけど、元々広めの執務室だから本当に狭いと言う程じゃない。


 ちなみに、ティルラちゃん、リーザ、オーリエちゃんはカナンビスに関わるには若すぎる……要は、言葉が悪いけどまだ子供だからという事でここにはいない。

 リーザはともかく、ティルラちゃんや、オーリエちゃんはいずれ成長したら知る事になるのだろうか。

 とりあえず今は、フェンリル達の様子を見るというのも含めて、ラーレ達と一緒に過ごしてもらっている。


「タクミ殿、頼む」

「俺からでいいんですかね……まぁ、それじゃ……セバスチャンさん、ヴォルターさん。まずは二人が調べてくれた事に関してですけど……」


 錚々たるメンバー、というのが正しい人達の中で俺に振るエッケンハルトさん。

 フェンリルの対処をしたのが俺だから、というのもあるのかもしれないが、とりあえずそれに従って話を進める。

 ある程度の事はアルフレットさんから聞いていたけど、まずはセバスチャンさん達が調べてくれた事からだ。


 図書室で調べた事に関しては、数枚の紙にまとめられて全員にとまでは言わないが、ある程度皆に渡っている。

 俺のはクレアを待つ間に目を通していて、今はクレアが読んでいるけど。

 

「そ、それでは……」

「あまり無理はしないで下さい。立つのが辛いなら、座ったままでも大丈夫です」

「うむ」

「畏まりました。それではこのままで失礼して……」


 セバスチャンさんが立ち上がろうとして、フラフラしていたので無理をしないように俺が言うのに同意するエッケンハルトさん。

 少し申し訳なさそうにしながらも、さすがに年齢が年齢なのもあって集中して調べ物をした後、しかもほぼ寝ていない状態での疲れはごまかせないのだろう、座ったままで説明を開始してくれた。

 いつもなら、生き生きとしたセバスチャンさんが朗々と説明してくれるんだけど、今回は疲れ過ぎているのもあってそんな様子はなく、淡々とした説明だった。


「……新しい事は多くはわからなかったか」

「そうみたいですね。まぁ、ここにある書物……本も別邸とかから持ってきたものですから、仕方ありません。本邸はわかりませんが、別邸よりも数や種類も少ないですし」


 あくまで、今いるこの屋敷の図書室にある本は、多少新しく買いそろえているとはいえ、ほとんどが別邸からだったり、写本した物だからな。

 ここにいる誰もが知らない真新しい情報、というのは少ないんだろう。


「……あまり知りたくはありませんでしたが、調合法などには詳しくなってしまいましたな」

「そうですね。調べてくれた事によると、その調合法でカナンビスの効果を与える先を変える……という事でしたが……」


 フェンリル達の異変を知る前、香りについて調べていた時にあったカナンビスの薬。

 あれは獣型の魔物に対してだったが、それ以外にも魔物の種別によって強弱を付けた効果を、匂いを嗅がせる事で発揮する調合法というのがあった。

 しかも、カナンビスを直接摂取するよりも、さらに効果を高めて人間に影響を与えるものまで。

 なぜそこまで危険な内容が本に記されているのか……発禁とかにならないのか? と思ってしまうが、さすがに本の隅に書かれていたりする内容だし、カナンビスの事を知らなければ、もしくはそれと知ろうとして読まなければわからないようになっているのもあったらしい――。




読んで下さった方、皆様に感謝を。


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