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1670/1997

ルグリアさんから調査報告をしてもらいました

ブックマーク登録をしてくれた方々、評価を下さった方々、本当にありがとうございます。


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「ふむ、私にも報告するべき事が見つかったのだな?」

「はっ。タクミ様、公爵閣下御二方にご報告しておくべき事が、本日の調査で見つかりました」


 エッケンハルトさんが話を振ると、姿勢を正したルグリアさんが応える。

 パプティストさんも同じく、ルグリアさんの斜め後ろで姿勢を正した。


「調査で見つかった事、というのは?」


 一応、俺が調査隊を指揮している……という名目になっているので、俺からも聞いてみる。


「以前、この屋敷よりも東に位置する場所、森との境界付近で何者かの足跡が発見されましたが……それと同様な物、同一人物なのかはわかりかねますが、何者かの足跡を逆の西方面で発見しました」

「今度は西か……」

「東と西……あからさまにランジ村を避けているような気がしますね。――北では見つかっていないんですよね?」

「はっ、何者かの足跡を発見したのは、この屋敷や村からですと東西でのみです。北と言える場所では見つかっておりません」


 眉根を寄せるエッケンハルトさん、クレアも同じく西で見つかったと聞いて考え込んでいる様子だ。

 一応、ルグリアさんに確認をするとやはり屋敷や村の北では見つかっていないらしいので、ランジ村を避けていると考えられる。

 まぁ、ランジ村に近い場所から森に入ったら、村の人達が見かける可能性もあるからな……そもそも、フェンリル達が自由に過ごしていたりもするため、そちらで見つかる可能性が高い。


「タクミ殿、森に踏み入っている者達は、我々だけでなくフェンリル達の事も知っている……と考えられるか?」

「……それはわかりませんね。ランジ村がある事を知らないわけはないでしょうから」


 エッケンハルトさんから問いかけられるが、俺は首を振る。

 足跡を残した何者かがどう考えているのは知らないけど、ランジ村は別に隠された村とかなわけじゃないから、村そのものを知らないって事はないだろう。

 フェンリル達や俺達……というかエッケンハルトさんやレオなどがいると知っているかどうかまではわからないが。


「村があるから、誰かに見つかるのを警戒して避けているだけとも考えられます。レオやフェンリル達がいる以上、一定以上離れていないと間違いなく見つかっているでしょうけど」

「そうだな。それだけ、見つかりたくないと思う事をしている……もしくはしようと考えているとも言えるか」

「はい。――すみません、その足跡を発見した状況と……場所は森の出入り口の近くでしょうか?」


 エッケンハルトさんに頷き、とりあえずの推測を止めて再びルグリアさんに聞く。

 まだ足跡を見つけた、というだけだからもっとしっかり報告を聞いてからじゃないと、判断できない事が多いな。


「いえ、東で発見した物と違い、森にある程度入った場所でした。そうですね……パプティスト、フェンリル達の様子が変わってから、どれくらい移動した?」

「はっ、奥へ行きたがらなくなったフェンリル達と、隊長他数名を置いて奥に少々といったところでしょうか。森に入ってからだと、人の足で歩いて一時間もかからない距離になるかと」

「……出入口付近じゃない、というのはわかりましたけど……フェンリル達の様子が変わった、というのは? 奥へ行きたがらなくなったというのも……」

「ワウ?」


 ルグリアさんとパプティストさんの二人が続ける報告で、気になった部分を改めて聞く事にする。

 フェンリル達の様子が変わったとか言われたら、気になって当然だし、ルグリアさん達はそちらの方もちゃんと報告してくれるつもりなんだろうけど。

 レオも、俺と同じ部分が気になったのか、首を傾げて小さく鳴いた。

 リーザはレオに寄りかかりながら少し眠そうだから、寝てていいぞ?


「順を追って説明いたします。屋敷から真っ直ぐ北に行き、森との境目から少しずつ西に場所を変えながら、森に入って調査を続けておりました」

「はい」


 それは、東側の足跡を発見してから調査隊が、ローラー作戦じゃないが森をくまなく調べるためにやり始めた事だ。

 東側は足跡を起点にして、また森に入った何者かが戻って来る可能性を考えて見張りをしてもらっているけど、西側はこれまでほぼ調べられていなかったからな。

 どの地点まで行けば何かしらの痕跡が見つかるか、もしくは見つからないかもわからないため、ある程度村から離れた場所まで少しずつ森に入る位置をずらして、調査をしてもらっていた。

 時間はかかってしまうけど、ちょっとした違和感や痕跡を見逃さないためには、これが一番いいのだそうだ……もっと調査隊に参加できる人がいれば、別の方法があったのかもしれないけど。


 ちなみにくまなく調べるといっても、森を突き抜けるくらい奥まではさすがに遠いので、程々の所で引き返すようにしているとか。

 まぁ、足跡を残したままの何者かが入ったのなら、あまり奥まで行かずとも痕跡が見つかるだろうからな。


「そうして、しばらくはこれまでタクミ様に報告した通り、特にこれといった痕跡の発見はできておりませんでした」


 東側の足跡と、その付近を見張る人員を割いた事で、少し調査のペースが落ちてしまったのもあるけど……ともあれ、今日までの数日間はめぼしい報告は何もなかったのは確かだな。

 それでも、真面目に定例報告のようにほとんど時間のズレなく戻って来て、ルグリアさんが俺に報告に来てくれていたのは、さすが騎士だなと思うと同時に、真面目だなぁと思ったものだ。


「村から……正確にはこれからですが、おそらく馬で三時間以上の距離でしょうか。フェンリル達のおかげで、あまり時間はかかりませんでしたが。その辺りまで調査が進み、森の中を奥へと進んでいたところ……」


 馬で三時間以上という事は、急がない速度だろうから大体数十キロってところか。

 それだけ離れていれば、村の人達どころかフェンリル達にも悟られずに森へ入る事もできるな。

 狙ってやっているのかは、まだわからないが。


 ともかく、ルグリアさんの話によると、今日森の中に入って少し進んだ辺りで、フェンリル達が森の奥へ行くのを嫌がり始めたのだとか。

 レオと一緒の俺やシェリーを伴ったクレア、ギフトを持つティルラちゃん、それにリーザなどフェンリルと正しく細かな会話や意志の疎通ができる人がいなかったため、その時は調査隊の人達も困ってしまったらしい――。




読んで下さった方、皆様に感謝を。


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■7巻書影■mclzc7335mw83zqpg1o41o7ggi3d_rj1_15y_1no_fpwq.jpg


■7巻口絵■ mclzc7335mw83zqpg1o41o7ggi3d_rj1_15y_1no_fpwq.jpg


■7巻挿絵■ mclzc7335mw83zqpg1o41o7ggi3d_rj1_15y_1no_fpwq.jpg


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