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1663/1997

皆盛り上がりたかったようでした



 ヴァレットさんとアルフレットさんの話はともかくとして、さっきの盛り上がりの中でランジ村から来たハンネスさんを始め、村の人達は噂では聞いていてもはっきりと知らない人もいたようで、かなり喜んでくれていた。

 ハンネスさんに至っては、これで村も安泰です……なんて、ちょっと泣きながら喜んでいた。

 ……気持ちは嬉しいけど、俺とクレアが付き合っている事とエッケンハルトさん達にも認められたと、発表された形だが、それでなぜ村が安泰なのかは少し疑問だ。

 まぁ、この先ずっとかは確定していないけど、ランジ村とは長い付き合いになるのは間違いないからな、それを考えてだろう。


 一部……というより主にフィリップさんが、ヨハンナさんに止められてもめげずに冷やかそうとしていたり、ユートさんもそれに乗っかろうとしていたなんて事もあったが。

 二人は、無事? ヨハンナさんとルグレッタさんによる実力行使で沈黙させられていたのは、予想通りだ。

 フィリップさんとヨハンナさんの二人は、段々とユートさんとルグレッタさんのコンビに似て来たなぁ。


 毎度肘鉄をお見舞いされているフィリップさんが、ユートさんのような特殊な趣味に目覚めない事を祈るばかりだ。

 それはともかく……。


「えっと……もう少し自重した方がいい、ですかね?」

「いえ、その必要はございません。エルミーネやセバスチャンさん、他にも数名の者達との話が捗りますので」

「話が捗るって、一体どういう……?」

「タクミ様がお気になされるような事では……おそらくないです」


 おそらくって、それはつまり俺に関わりがあるって事じゃないのかな?

 エルミーネさんや他の数名って言っている人達はともかく、セバスチャンさんが関わって話が捗るって事は……俺とクレアの関係とかの事なのかもしれない。

 後で聞いた話だけど、ヴァレットさんとエルミーネさん、それからセバスチャンさんなどは、俺とクレアの話をネタによく談笑しているらしい。


 なんでも、若い人の恋愛話をすると若返る気持ちだとかなんとか……人をダシにして若返らないで、とは思うけどまぁ、それで何かあるというわけでもないので、とりあえず聞かなかった事にするだけで済ませた。

 そういう話の時は、お互いを同志と呼ぶとかも聞いたけど、まぁ少し恥ずかしいくらいで気にしないでおいた方がいいだろうし。


「まぁ、ヴァレットの言う事は置いておいても、皆微笑ましく見ている部分もありますので……ここで自重して見る機会が減れば、不仲になったのではと邪推する者も出るかもしれません。ジェーンも楽しみにしているようですから……はぁ……」

「そ、そうですか。それじゃあ、今まで通りで気にしないでおいた方がいい……のかな?」


 微笑ましく見られているというのは既に知っていたけど、はっきり言葉として聞いたうえに意識すると、照れが勝ってしまい、もう少しは自重しようかなとは思ってしまうが。

 まぁ何はともあれ、一部の冷やかす人を除けばおおむね受け入れられて、歓迎もされているようなので、それはそれで良かったかな。

 まさか、エッケンハルトさんが皆に受け入れさせるために、とまで考えているかは微妙だが……。

 いや、エルケリッヒさんやマリエッタさん、それにセバスチャンさんもいたから、全部狙い通りだったのかもしれないな。


 外堀が埋まっていく感覚もあるが……今更か。

 別にマイナスになるわけでもなし、こういう事も承知というか多くの人に色々言われるだろうな、というくらいは覚悟して貴族の、それも公爵家のご令嬢であるクレアを好きになったんだから。

 ……自分で考えていて、自分で照れてしまいそうになるが。

 むしろ、どこかから文句を言われるくらいは覚悟していたのが、歓迎されてばかりで嬉しい事ばかりだしな。


「はぁ……とにかく、皆も大分緩んでいますし解散……の前にまだ紹介する人達がいましたね」

「はい。本来の身分などはともかく、屋敷に滞在するお客様として、ですが」


 一度深いため息を吐き、アルフレットさんに苦笑して本当に最後の紹介のために、もう一度だけ気を引き締める。

 とはいっても、多少慣れたけど皆からの注目を集める事に対してだけだ。

 身分を明かさないのもあって、特に緊張する必要のない紹介となる予定だしな。


「そうですね。えーっと……宴もたけなわは違うか。宴会じゃないし……皆さん!」


 宴会のように、それぞれでワイワイと皆が話しているけど、それはともかくだ。

 頬を膨らませて、エッケンハルトさん達に何やら言っているクレア……は、先程急にあんな事を言ったのに対して、怒っているんだろう。

 それから、ティルラちゃんやリーザ、シェリーやリルルといるレオの方も見ながら、ザワザワとしている皆に対して大きく声を届ける。

 ……多くの人が集まって、思い思いに話していたら本当にザワザワという音で聞こえるんだなぁ、という新しい発見をしてしまったが、それは今は置いておこう。


「この機会なので薬草園には直接関係ありませんが、この屋敷にて迎えているお客様も、紹介しておきます。食事の時など、見かけた事はあると思いますが……」

「……こちらにどうぞ」


 アルフレットさんに目配せして、俺の言葉と共に大広間の扉を開き、迎え入れてもらう。

 最後の紹介するお客様は、テオ君とオーリエちゃん、それから近衛護衛の人達だ。

 テオ君は顔を引き締め、オーリエちゃんはテオ君の後ろに隠れながら緊張した面持ちで、近衛護衛さん達を引き連れて俺の隣まで来る。

 二人共緊張する必要はないし、むしろこのテオ君達の本当の身分を考えたら、俺を含めて集まった人達の方が緊張するだろうけど、なんて考えながら、それぞれの紹介を進める。


 お客様で屋敷の中にいる事が多いし、近衛護衛さん達は森の調査も含めて屋敷を出入りするので、一応顔合わせだな。

 近衛護衛さんはほんの一部しか、食事を一緒しないみたいだし……その時テオ君達の護衛に付いている人だけ。

 屋敷で生活していない人もいるので、ついでだから紹介しておこうってわけだ。

 本当ならついでで紹介するような人達じゃないが、それはともかくだ――。




読んで下さった方、皆様に感謝を。


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