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セバスチャンさんに魔法を習う事になりました



「そこでですが、タクミ様にもしもの事が無いよう魔法を教えようと思うのです」

「魔法ですか……」


 そう言えば俺がこの屋敷に来た時、セバスチャンさんから魔法の説明を受けてたな。

 途中でティルラちゃんが来たから、途中になってたが。

 ラクトスでギフトを調べた時、俺には魔法の素質もあるようだったから、使おうと思えば使えるんだろう。


「タクミ様は旦那様に師事して、剣の鍛錬をしております。ですが、剣だけで対処出来ない場合があるかもしれません」


 剣の鍛錬は初めてそんなに時間が経ってないから、まだ一人前とは言えない。

 ニックをいなす事は出来たが、それだけだとまだまだ不安だ。

 もし俺のにわか剣術が通用しない相手が襲って来たとしたら……レオに頼る事は考えられるが、俺が対処する事も考えておかないといけないだろう。


「そうですね……レオが一緒なので、早々そんな目には合わないとは思いますが……もしもの事を考えると、必要かもしれませんね」

「はい。道中に魔物と遭遇する可能性もゼロではありません。ですので、簡単なものにはなりますが……出発するまでに、タクミ様にはいくつかの魔法を使えるようになってもらえればと思います」

「わかりました。自分の身を守るためですからね。よろしくお願いします」


 これまでいくつかの魔法は見て来た。

 どれも魔物との戦闘で使える物じゃなかったが、使えるようになれれば便利だと思う。

 セバスチャンが教えてくれる魔法は、どんな物なんだろうか……。

 俺でも魔法が使えるという事に、少しだけワクワクしながら裏庭にティルラちゃんと向かった。


「今日は、ちょっと集中力に欠けてたな」


 ティルラちゃんとの素振り後、部屋に帰って反省。

 魔法が使えるワクワク感から、そっちに意識がとられてしまい素振りにあまり集中出来なかった。

 ティルラちゃんの方はしっかり集中していたのにな……ちゃんとしないと。


「ワウ」

「そうだな。ちゃんと集中する時は集中しないと」


 レオの咎めるような視線と声に、反省しながら床に就いた。

 明日からは、魔法に鍛錬、薬草作りに薬の勉強と……やる事がいっぱいだ……。


――――――――――――――――――――


 翌日、朝食を食べた後ハンネスさん達は村へと出発する。


「クレアお嬢様、ありがとうございました」

「ありがとうございました!」


 ハンネスさんとロザリーちゃんを見送るため、クレアさんと一緒に出る。

 ハンネスさん達の言葉に、クレアさんは微笑みながら頷いた。


「ワフワフ」

「レオ様、村で待ってますね!」


 レオがロザリーちゃんに挨拶するように近づく。

 ロザリーちゃんは、笑顔でレオに返す。

 しっかり懐いたようで、何よりだ。


「では、お願いしますよ、フィリップ」

「はっ」


 クレアさんの言葉に、馬に乗ったフィリップさんが頷く。

 この屋敷に来る時は、ハンネスさんとロザリーちゃんの二人だけだったが、帰りはフィリップさんの護衛付きだ。

 道中の安全のためと、確実に村に帰り着くためだろう。


「それじゃあハンネスさん。また村で」

「はい。お待ちしております」


 ロザリーちゃんと一緒に馬に跨るハンネスさんに声を掛け、屋敷を離れて行く三人を見送る。

 しかし、結構な年に見えたハンネスさんだけど、しっかり馬に乗れてるなぁ。

 ……俺も馬に乗る練習をした方が良いのかな?

 まぁ、今はやる事がいっぱいだから、暇が出来た時にしよう。

 俺にはレオがいるしな。


「それじゃあ、俺は鍛錬と薬草作りをして来ます」

「お願いしますね、タクミさん」

「はい」


 クレアさんに言って、レオを連れて裏庭へ向かう。

 裏庭で先に待っていた、ティルラちゃんとシェリーに合流し、まずは鍛錬。

 しばらくした後、ミリナちゃんに手伝ってもらって、ラモギも含めた薬草の栽培だ。


「ふぅ……今日はこんなもんか」

「お疲れ様です、師匠」


 ミリナちゃんが手伝ってくれたおかげで、結構な量のラモギが用意出来た。

 ハンネスさんから聞いた、ランジ村の住人の数にはまだ届かないが、これなら出発するまでに8割くらい用意出来そうだ。

 残りは、村に着いてからか、移動中に休憩した時にでも作れば間に合うだろう。

 無理しないように気を付けるのも、大変だ。


「これが今日のラクトスの街の分だ。あと、しばらく屋敷を離れるから、その間の分も少し入ってる」

「へい。確かに」


 ラクトスの街に卸す分も、考えなくちゃいけないから大変だ。

 屋敷を離れてる間、その分の薬草を作れないから、いつもより多めに作る必要がある。

 だから、ランジ村に持って行くラモギの数がギリギリになるんだけどな。


「師匠、ここは……?」

「あぁ、ここはね……」


 ニックに薬草を渡した後は、昼食を取る。

 その後にミリナちゃんとの勉強を開始だ。

 いつもは夕方近くまで勉強しているんだが、今日からセバスチャンさんによる魔法の講義があるため、数時間だけ集中して行う。


「タクミ様、時間です」

「わかりました。ミリナちゃん、ちょっと時間が短くなっちゃったけど、ごめんね」

「良いんです。屋敷の使用人として覚える事もありますから。そちらの方を頑張ります」


 ライラさんに、勉強を終わる時間指定していた予定の時間を教えられ、勉強を終わらせる。

 ミリナちゃんには、時間が短くなって申し訳ないと思って謝る。

 使用人見習いもやってるミリナちゃんは、そっちでも覚える事が沢山あるだろうから、そちらを重視する事にしたみたいだ。

 そんなミリナちゃんに心の中で感謝しつつ、セバスチャンさんの待つ裏庭へと向かった。


「さて、タクミ様始めましょうか」

「はい、お願いします」


 裏庭に出ると、すぐにセバスチャンさんによる魔法の講義が始まった。

 魔法は建物の中で使うと危ないものもあるので、裏庭でやる事になった。

 ちなみに、ティルラちゃんは今日は裏庭にいない。

 クレアさんに連れられて、勉強をしているようだ。


「まず、魔法ですが……以前にある程度説明したと思いますが……」

「はい、覚えています」


 確か、魔法を使うためには魔力が必要で、その魔力を魔法へ変換するのが呪文……だったな。

 呪文で火や水等の属性を決め、その属性がどう発動するかも決める、と。

 以前はここから、無詠唱魔法について説明する途中で、ティルラちゃんが乱入してきたために中断したんだった。




読んで下さった方、皆様に感謝を。


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