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「まぁ、それでクレアがどう対応されようと、公爵家としての権力を振るうのでなければ構わんだろう」


 そうは言いつつも、エッケンハルトさんはもしクレアに何かしようものなら、全力で叩き潰すと考えているような雰囲気を醸し出している。

 また、エルケリッヒさんも同じくだし……俺もだ。

 多少ぞんざいに扱われた程度ならまだしも、クレアに手を出そうとしたり害そうとするような相手に対して、俺は我慢なんてできそうにないし、それはエッケンハルトさん達も同様だろう。


「はい、もちろんです。ただ商隊としての移動と同様になりますので、護衛はもちろん連れて行きますが」

「それはそうだな。誰であれ、腕に覚えがないのであれば護衛を雇う。ならず者もいるだろうし、魔物に襲われる可能性だってあるのだからな」


 旅には危険が付き物だ。

 だから当然、少人数で旅をする人や魔物とも戦う心得がある人は除いて、商隊などは護衛を雇う。

 その護衛が、公爵家の護衛であっても不思議では……いや、不思議だけど、ただの護衛を連れているくらいは問題ない。


 フィリップさんやヨハンナさん達なら、自分から所属を明かすような事はしないだろうし。

 エルミーネさんのようなお世話をするための、使用人を連れて行く予定でもあるから、お金持ちのお嬢様くらいには思われるだろうけど。


「リルルとシェリーがいてくれれば、旅の安全は保障されたようなものです」

「シェリーはまだ子供だが、リルルもいるのなら、私も安心だな」

「フェンリルに守られておれば、そうそう手出しはできんだろう。一体に一つの軍でまともにやり合えるかというくらいだからな。例外を除いて……だが」


 クレア、エッケンハルトさん、エルケリッヒさんの三人の言葉に、他の皆が何度も頷いている。

 特に、フェリーとフェンの戦いを見た事がある使用人さんの頷きが激しい。

 確かにあれを見たら、軍隊だとしても勝てる想像ができない……少なくとも甚大な被害を軍が受けるのは間違いないだろうなぁ。

 あとは、それなりに成長しているシェリーが、リルルの入れないような建物内でのクレアについてくれていれば、安心というわけだ。


 ヨハンナさんやフィリップさん達が、自分達は護衛として必要なのか? と言うように、なんだか初めてレオがオークを倒す場面を見た時のような、遠い目をしている気がするけど、気にしない。

 必要ないなんて事はないと思いますよー!


「それで、あくまでこれは予定なのですが……エメラダ?」

「は、はい! まず私達は、ラクトスの北西にある村や街との販路を築こうかと考えています」


 クレアさんが促して、エメラダさんが発表する。

 わざわざエメラダさんを通して発表するのは、クレア一人だけが交渉をするため各地に赴くわけではない、と伝えたいんだろう。

 エメラダさんもいるし、他にも一緒に並んで立っている人達もいる。

 販路を拡げるための交渉のみならず、輸送もするから役割分担が必要だからな。


「ほぉ、北西とな。つまり、公爵領でも王都側に当たる方面だな」

「そ、そうなります、せ、先代公爵様」

「ワシの事は、エルケリッヒで構わんよ。親しみを込めて、エルケでも良いぞ?」


 少しだけ茶化すような口ぶりのエルケリッヒさん。

 エメラダさんの緊張を解すためだと思うけど……さすがにいきなり先代公爵様をエルケ呼ばわりなんてできないだろうなぁ。


「あ、いえ……それでは、エルケリッヒ様で……」

「ふむ、そんなに畏まらんでも、もうワシは先代というだけで特に何もできない、しがない老人なのじゃがのう」

「何をおっしゃいますか。大旦那様が動けば、それだけで多くの者が追従しましょう」


 急に老け込んだような喋り方をするエルケリッヒさんに、セバスチャンさんの言葉。

 公爵家としての実権はエッケンハルトさんが持っているとしても、先代公爵様として活躍していたエルケリッヒさんのためなら、という人も多いんだろうな。

 セバスチャンさんも多分、その一人だと思う。

 まだまだ、濃い影響力を残している人だってわけだ……それが、全く悪い雰囲気もなく、裏表すらなく明るく話せているリーベルト家は、俺の感覚だけどいい貴族だと思う。


 俺の貴族のイメージなんて、口を開けば自慢やマウント合戦、そのうえ親族や他貴族を相手に権力争いとかだから。

 公爵家の人達が、そんなイメージとはかけ離れている人達で良かった。

 権力を笠に着ない、という教えやクレア達を見ていると権力に対する執着力が少ないのかもしれない。

 だからこそ、ユートさんが気軽に遊びに来たり、テオ君やオーリエちゃんを預ける事もできるんだろう……テオ君に関しては、ユートさんは俺に預けたような感覚っぽかったけど。


「お爺様の事はともかく、王都方面の公爵領にと考えたのには訳があります」


 エルケリッヒさん相手にともかくと言えるのは、エッケンハルトさんやクレアくらいだろうなぁ……あと、クレアのお婆さんとかか。


「エメラダ、大丈夫?」

「は、はい! 大丈夫です! えぇと、王都方面の村や街を目指す理由ですが、そのまま王都に近いからとなります――」


 クレアに再び促されたエメラダさんが、緊張しながら話した内容によると……。

 王都方面というのは、ラクトスの東、別邸からさらに王都へと街道を進んだ先の村や街の事。

 ラクトスから続く街道は、フェンリルの森より手前で北に向かい、国の中心地である王都へと向かう。

 フェンリルの森が広すぎて、他領にもまたがっているため多くの人が迂回してラクトスを通り、往来の激しい交易の街ができ上がったらしいんだけどそれはともかく。


 王都へ向かう途中、街道沿いか街道から離れているかはともかく、いくつかの街や村が点在している。

 そのうちラクトスに近い場所から徐々に、薬草や薬の販路を拡げて行こうというわけだ。

 ラクトス同様、王都に近いという事は国の中心地に近いわけで、人が多く行き交う。

 街や村だけで完結せず、通りがかった人にも売れるだろうと見込んでの事だ。


「成る程な……つまり、王都への評判も広げようというわけか」

「えぇ、お父様。国の中心地である王都まで話が広がれば、評判は国中に届きます。もちろん、本来の目的と優先されるべきは公爵領内の民達ですが、広く広まれば広まる程、求めるものが多くなる算段です」


 物の評判は口コミで広がるから、王都に近い場所で売られればそれが王都へと届く。

 国の中心地で広がれば、そこから波紋状に広がって国全体へというわけだ――。




読んで下さった方、皆様に感謝を。


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