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1375/1998

水道はこれまでよりも多く設置されているようでした



 コンロっぽい物や冷蔵庫らしき物のほかに、気になったのは調理台。

 さすがにステンレスとかではないが、材質はわからないけど鈍い色をした金属製だったりと、どちらかと言えば俺の知っている厨房に近くなっている。

 まぁ、通常のかまど以外にも土間はあるし、この世界での最新式と一般的な厨房を合わせた感じだろうか……アンバランスだけど便利になるのはいい事だと思う。


「ん? これ、お湯ですか?」

「はい。この屋敷を新しく作るにあたって、水回りにはこだわっています。確か、タクミ様が住んでいた場所では、お湯も水も、どこでも出せるとか。なので、できるだけ近付けようと」

「さすがに、どこでもってわけじゃありませんけど……」


 当然ある水場……別邸でも厨房には水道があり、汲んで溜めていた水と水道からの水も使っていたけど、ここでは全てが蛇口から出る水道となっていた。

 しかも、四方向に突起がある金属製の蛇口をひねる時、魔力を込めるとお湯になるらしい。

 これも魔法具か……魔力は誰でも持っているけど、使い放題というわけではないので常にお湯を出せるわけじゃないみたいだけど。

 とはいえ少し暖かいお湯というくらいで、触れてみるとぬるく感じたから、大体三十度もないと思われる。


「便利にはなりましたが、水も使い放題というわけではありませんから、こうして溜めてもいるのですけど」

「川から引いた水を屋敷の敷地内に溜め、一度屋敷上部へ上げてそこから各場所へと配管を通して流れさせているようです」


 水道について、ヘレーナさんの手が空いた時にライラさんと一緒に教えてくれた。

 川から屋敷へと水を引いて、敷地内にあるタンクへ貯水するとともに浄水。

 そこからポンプ……これも魔法具らしいけど、水道管を通して屋敷の屋根へと運ぶ。

 さらにここでも貯水されて、配管を通して各場所へと向かうという事らしい。


 ただ、川の水の量やこちらに流す水量の関係で、延々と水を流し続けたりはできないらしい……要は節水を心掛けないといけないって事だな、うん、節水は大事だ。

 水道水が不足した時の事を考えて、厨房の各所に配置された大きな水瓶には溜めておいて備えていると。

 とりあえず、仕組みは理解できたけど魔法具便利だなぁ……という感想だな。

 あと排水は他の場所と川へと繋がる下水を通して、途中で浄水されて下流へ流されるらしいが、一部汲み取り式でもあるらしい……全部そのまま流されるじゃなくて良かった。


「次はお風呂場です。脱衣場は特に変わった事はありませんが……」


 ヘレーナさん達に挨拶して、次に行ったのはお風呂場。

 厨房から洗濯場を抜けた先にある。

 洗濯場はまぁ、水を回転させる洗濯機のような魔法具があるくらいで、他は別邸と変わりなかった。

 ただその洗濯機みたいな魔法具、水を一定の速度で回転させるくらいしかできないので、脱水などは不可能。


 まぁ、手洗いの手間が省けるだけでも大分楽になるとは思う……俺の知っている洗濯機と違って、回転速度がいまいちだったから、頑固な汚れはやっぱり手洗いになるみたいだけど。

 あと洗濯場には、水道の蛇口が一つだけあった。

 ここも多くの水が必要だからだろう。


「おぉ、広いですね。洗い場が広いと、レオも洗いやすくなります」


 案内された脱衣場、別邸と変わらず脱いだ服などを入れる籠や棚がある場所を抜けた先のお風呂場。

 レオを入れる事を想定してかかなり広かった。

 別邸よりも広く、これなら余裕をもってレオだけでなくフェンリル達も洗ってやれそうだ。

 最大四体ってとこかな? その分、洗うための人手も必要だろうけど。


「ワウゥ……」

「ははは、嫌だろうけどお風呂に入って綺麗にはしておかないとなレオ」


 お風呂という事で、いざ自分が洗われる時の事を想像したのか、しょんぼりするレオに苦笑する。

 ちょっとした汚れなら、外で水浴びでも良さそうだけど……水道があるから、ホースがあれば簡単にできそうだ。

 あ、いや、水道の水が流れる勢いは考えたよりも弱かったから、ホースを通すのは難しいか? まぁ、これに関して後々皆に相談してみよう。


「ちょっと広すぎるかと、私は思ったのですけど……」


 人が入る分には広すぎて逆に使い勝手が悪いかも、と感じたクレアがそういう。

 でもすぐに気を取り直して、レオや抱いているシェリーを見ながら微笑んだ。


「レオ様もいますし、これからシェリーも大きくなると考えたら、これくらいで良さそうですね。リルルも、お風呂が気に入ったようですし」

「キャウー」

「楽しそう!」

「こらこらリーザ。お風呂場は滑って危ないから、走って遊んじゃいけないぞ?」

「はーい」

「ふふふ、リーザお嬢様にも気に入られたようで何よりです」


 喜色満面でお風呂場を見渡すリーザに、一応の注意。

 広いからって、床が濡れて滑りやすくなっているお風呂場で走るのは危ないからな。

 プールサイドで走っちゃいけないのと同じくだ。

 そんなリーザや、微笑むクレアに同意するように鳴くシェリーを見て、満足そうに頷くライラさん。


 レオはまぁ、広かろうとなんだろうと、お風呂場で喜ぶ事はないか。

 ちなみにお風呂場はレオが匂いを嗅いだりする事はなかった……好きな場所じゃないという事もあるけど、匂いも一緒に洗い流されるから必要ないらしい、そりゃそうか。

 厨房では、シェリーと一緒にずっと鼻をヒクヒクさせていたけど、あれは美味しそうな匂いが漂っていたからか。


「広くて新しくなりましたが、一応注意が必要です。まぁ、これらは私達使用人が注意すべきでもあるのですが……」


 お風呂場でのライラさんから言われた注意。

 それは、水をあまり使い過ぎない事……厨房でも話した節水にも通じるんだけど、短時間で大量の水を使うのが間に合わないからだ。

 一度に使える水が限られている以上、当然の事だな。

 湯船のお湯は蛇口と、足りなければ井戸水を利用し、沸かすのは薪でとなるけど、この辺りは別邸と同じだな。


 一応の注意と言うだけで、基本的にはこれまでいた別邸と特に変わりはないらしい。

 水だけでなくお湯が出るので、少し沸かすのが楽になった程度だろうか。

 注意や説明を受けて、お風呂場を出た後は屋敷探訪の続き。

 お風呂場のさらに奥は物置や倉庫、食料保管庫などで、冷蔵庫みたいな物以外に地下室もあった――。




読んで下さった方、皆様に感謝を。


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