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異世界転移したら飼っていた犬が最強になりました~最強と言われるシルバーフェンリルと俺がギフトで異世界暮らしを始めたら~【Web版】  作者: 龍央


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1310/1998

レオから覗き込まれていました



「そういうもの?」

「うん。だって、もう多くの人に見られているわけだから、噂でも広まっちゃうし……隠している方が怪しまれる事だってあるからね。何も知らずにいる事と、そうなる可能性を知っているのでは全く違うけど、そんなもんだよ。問題や事件なんて、どこにでも起こる事だからね」

「商隊を襲う盗賊などは、これまでにもいましたから。この公爵領では民が飢える事は少ないため、事例はほとんどありませんが……今回は偶然、レオ様やタクミ様に直接ではないにしても、関係してしまったというだけでしょう」


 まぁ、この世界の治安の維持は難しそうだからなぁ。

 ユートさんが言っているように、知っている事は大事なのかもしれないけど、それで委縮して気にし過ぎない方がいいのかもしれない。

 そもそもそのために、ちゃんと訓練された兵士さんが見回っているわけでもあるし……魔物の対処もあるけど。


 これから先、駅馬でフェンリル達に協力してもらう事を考えたら、今回の件を気にしない方がいいんだろうな。

 それに、レオは子供が好きで色んな人と仲良くなる事も楽しいみたいだから、それを制限するのはあまりやりたくないし。


「ってわけで、これから先重要なのはレオちゃんやフェンリル達を、人目に触れさせないようにするんじゃなくて、従魔に関する決まり事をちゃんと整備する事だと思うんだよ」

「あぁ、それは俺も考えていた事だよ。デウルゴとヴォルグラウの件があったからだけど……」

「そうですね。今は従魔にできる魔物は誰でもでき、その方法や従魔にした後の魔物の待遇なども、その人次第になっていますから。私も、シェリーが従魔になってくれていますから……ちゃんと考えなくてはいけません」


 先程までの後悔の念は振り切ったのか、クレアもユートさんの話に積極的に参加する姿勢を見せた。

 こういうずっと悩んでいたり、自分がもっとこうしていれば……みたいな事に囚われないのは、クレアのいいところだと思う。

 それはともかく、従魔に関する決まり事か……許可制にすると、今従魔を持っている人達から色々言われそうだなぁ……。

 俺が考える事なのか、考えられるのかはわからないけど、ヴォルグラウを保護して面倒を見ている立場上、考えなきゃいけない事だと思う、場合によってはレオにも関係する事だから。


「ってわけで、従魔の決まりに関してちょっと相談したいんだけど……タクミ君は、外に出てくれないかな?」

「え? 俺も考えたかったんだけど。もしかして、俺には聞かせられない話とか?」 

「いやぁ……全然聞いていていい話だし、レオちゃんにも今後関係するかもしれないんだけどね。でもほら、そこの窓……」


 何やら密談……というか、貴族の会談みたいな話で俺には聞かせられない話になるのかな? と思いきや、そうではない様子。

 ユートさんが手で示す方を見てみると……。


「レオ!?」

「レオ様!?」


 クレアいる側の窓を見てみると、その端からレオがジーっと中を覗き込んでいた。

 窓を見た俺とクレアが、ほぼ同時に驚いて声を出す。

 俺はクレアがいたから気付かなかったし、クレアは俺やユートさんの方を見ていたから気付いていなかったらしい。


 というか、馬に曳かれて走っている馬車と並走して、ほとんど動かないように片目だけ馬車内を覗くとか……どこぞの使用人さんは見た! じゃないんだから。

 いや、あれは壁や扉の隙間で、走る馬車の中は覗いていないけど。


「さっきから、ずっとこっちをジーっと見ているんだよ。なんというか、お前達ばっかり楽しそうに話をして、みたいに訴えかけられている気がするんだ」

「ワフ、ワフワフ!」


 ユートさんの声が聞こえたのか、抗議するように鳴くレオ。

 窓越しでも、走りながらでもちょっとくぐもってレオが鳴く声で、何が言いたいのかわかる。

 見ていたのは確かだけど、ユートさんの言っている事とレオが覗いていた理由は違うようだ。


「ワウー、ワウワフ!」

「なんか、俺がずっと馬車にいるのが気に入らないのかも。せっかく、一緒に走れるのに……みたいな事を言っているから」


 ジト目、という程じゃないけど不満そうな目……片目だけど、それを馬車の窓から覗かせているレオ。

 どうやら、リーザを乗せてはいるものの俺も乗せて走りたいみたいだ。


「ははは、レオちゃんはタクミ君と一緒にいたいんだね。それじゃ、そうだね……クレアちゃん」

「は、はい?」


 クレアちゃん……何度もユートさんがそう呼ぶけど、聞き慣れていないから妙な感じだ。

 それはクレアも同様なようで、ちょっと戸惑いながら返事をしている。


「さっきの執事さん、あの人は公爵家の使用人の中じゃ上の方の人かな? 年齢や対応なんかを見ていたら、そうじゃないかと思うんだけど……」

「えぇ、セバスチャンはリーベルト家の家令でこそありませんが、お父様も信頼している執事の一人です。屋敷……あ、これまでいた別荘の事ですけど、そこで執事長をしています」

「そうなんだ。それじゃそのセバスチャンさんと、クレアちゃん。あともう一人くらいで、従魔に関して話そうか。タクミ君は、レオちゃんの相手だね」

「……わかった。このままレオが覗き込んでいるのは落ち着かないし」


 俺に聞かせられない話というわけではないけど、レオが覗き込んでいる状態では落ち着いた話もできないだろうからなぁ。

 仕方なく、俺は馬車の外に行ってレオに乗り、クレアはセバスチャンさんと一緒にユートさんと話をする事になった。

 ユートさんはもう一人くらいと言っていたので、意見が欲しいのかもしれないし、俺の代わりとしてアルフレットさんに頼もうか。

 ユートさん、ルグレッタさん、クレア、セバスチャンさん、アルフレットさんの五人で話し合うなら良さそうだ。


 アルフレットさんが話をしてくれれば、後で報告してくれるだろうし。

 クレアもセバスチャンさんも、エッケンハルトさんの代わりみたいだけど……まぁ、ここで話していた事が決定になるわけじゃないけど、素案を作るにはちょうどいいかもしれない。

 だからこそ、エッケンハルトさんに提案や意見ができるクレア達を選んだのもあるんだろうけども。


 というわけで、急遽馬車を止めてもらい人の入れ替え……と思ったが、昼食時だと簡易的な野営を始めて、食後に話す事になった。

 食事時は、フェンリル達が多いために料理の手伝い等々で忙しかった――。




読んで下さった方、皆様に感謝を。


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