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異世界転移したら飼っていた犬が最強になりました~最強と言われるシルバーフェンリルと俺がギフトで異世界暮らしを始めたら~【Web版】  作者: 龍央


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1291/2000

新しい従業員を雇いました



「それでえっと、一人増えていますか?」

「はい。その、もし連れて行って下さるのであれば、なのですが……成人して孤児院を出た後に仕事をしていたのです」


 話を聞いて見ると、当初は顔合わせの時に会った男女一人ずつの予定だったんだけど、少し前に戻ってきた人物らしい。

 元々はラクトスではない別の場所で働いていたらしいが……会社が倒産して働き口がなくなったんだとか。

 まぁ、会社だの倒産だのは俺なりの解釈で、アンナさんの言い方ではないけど。


「カールラです。商品を売る仕事をしていたので、タクミ様がランジ村でなされる事とは違いますが……もしよろしければとこの場に。急なお願いですので、断られるのを承知で連れてきました」

「これまでと違う仕事でも、頑張りますので何卒よろしくお願いします!」

「そうですか……ふむ」


 深々と腰を曲げて頭を下げるアンナさんと、それに続くカールラさん。

 残りの男女二人も、同じく頭を下げている。

 雇用者の定員は決まっていないし、追加で雇ってはいけないというわけでもない。

 俺やクレアが雇えば雇う程、孤児院の方に余裕が出るわけで……仕事がなくて仕方なく戻ってきたのだから、本人に大きな問題はなさそうだし。


 アンナさんが連れてきているのだから、問題のある人を連れては来ないか。

 とはいえ無計画に雇っていいはずもない。

 商品を売る仕事をしていたと……だったら、力仕事になると予想される畑仕事よりは、内勤的な仕事の方がいいかな? 事務とか。

 あ、待てよ……?


「カールラさん、でしたね?」

「は、はい!」


 名前を呼ぶと、緊張した面持ちで顔を上げるカールラさん。

 そんなに緊張しなくても……とは思うが、雇ってもらえるかどうかの場面なのだから、仕方ないか。

 社長に直接会って面接しているようなものだし。


「商品を売る仕事をしていたという事は、計算も?」

「はい! 商品やその値段を覚えるのは得意です! お客様と直接やり取りもしていました!」


 って事は、お金の計算も任せられるか。

 この世界というかこの国では、文字の読み書きは働くうえで重要なので、孤児院でも教育で教えられるみたいだが、計算に関してはできない人も結構いるらしい。

 一桁から二桁くらいの足し算引き算はできる人が多いみたいだけど……金貨、銀貨など数種類の貨幣があるので、銅貨何枚で銀貨何枚分、といったような計算もしなければいけなくなる。

 そのあたりで難易度が上がるらしいな。


 まぁ、それはともかくとして……計算ができて、値段や商品を覚えるのも得意。

 さらに直接お客とのやり取りもしていたのなら、ピッタリな仕事がある。


「では、ランジ村でやる薬や薬草の販売員をやってもらいましょうか」

「いいのですか!?」

「えぇ。もちろん、最初から全て任せるわけにはいかないので、試しながらではありますけど」


 接客は問題なさそうだし、むしろ心強い。

 まだ薬の値段の詳細や、売るための物自体ができていないので追々にはなるけど。

 ランジ村の人達に頼んで、誰か販売員をしてくれる人を探したり、使用人さん達や従業員さん達の中から持ち回りでやってもらおうかな? と考えていたからちょうどいい。

 カールラさんにも言っているように、最初から全部任せるわけじゃないが。


「あ、ありがとうございます!」

「タクミ様、カールラをよろしくお願いします!」

「はい。それじゃえっと……あ、いた。キースさん!」


 カールラさんを雇うと決めてお礼を言われ、頷いてから振り返り、キースさんを見つける。

 名前を呼ぶと、すぐにこちらに来てくれた。


「お呼びでしょうか、タクミ様?」

「すみませんが、こちらのカールラさんにランジ村での事などを教えてあげて下さい。村で薬や薬草の販売をする仕事をしてもらう事になりました」

「……随分急に決めるのですね。畏まりました。ではカールラさんですか、こちらへ」

「は、はい!」


 細かな説明に関しては、キースさんに一任……キースさんは、事務系の仕事を任せるし商売に関しても詳しいから適任だろう。

 様子を見ていたセバスチャンさんの目が、少しだけ怪しく光った気がするけど気にしないでおこう。


「アンナさん、カールラさん達の荷物は……」

「あ、はい。あちらになります」

「それじゃ……」

「そちらは我々が。馬車に積み込ませて頂きます」

「よろしくお願いします」


 孤児院からの人達の荷物は、アンナさん達の後ろに荷車があり、そこに入っていた。

 カールラさんの物だけ別にしてあったけど……断られた時のためだろう。

 馬車への積み込みはアルフレットさんにお願いだ、まぁ全て一人でじゃないけど、他の人も手伝っている様子。


「タクミさんは、人を雇うと決めるのが本当に早いですね。いつもその場で決めています」


 一連の流れを見ていたクレアが、目を丸くしながら言う。

 申し出た側のアンナさんも、コクコクと頷いていて驚いているようだ。

 ……考える時間を、とか言われたら今日は諦めて後日また、というつもりだったんだろうなぁ。


「まぁ、今回は特にちょうど良かったからね」


 販売員としても、ランジ村に行くタイミングとしても。

 ニックやミリナちゃんといい、確かにクレアの言う通りいつもその場で決めているけど。


「それに、アンナさんの紹介なら任せられるかなって」

「……ありがとうございます」


 人を見る目が俺にあるかどうかという自信はないし、どちらかというと優柔不断な方だと自覚している。

 けど、孤児院で子供達を立派に育てているアンナさんからの紹介だから、信頼できそうだと思った。

 ニックはともかく、ミリナちゃんも頑張ってくれているし、同じ孤児院出身の人達も優秀な人達ばかりだからな……ライラさんとか特に。

 カールラさんの話の後は、少しアンナさんと話……こちらは、クレアやセバスチャンさんと孤児院運営に関する事だけど。


 俺が雇う人達が計七人、まだまだ孤児院に余裕があるとは言えないが、新しい孤児を受け入れられるそうだ。

 あと、今の建物の増設案などだが……まぁ、詳細はこれからになるけど、一応その方向でといった話がされる。

 俺が以前、思い付きで増設って言ったわけだけど、正式に採用されそうだな。


 大体はクレア達が話していて、俺はほとんど聞いているだけだったけど……詳細は俺達がランジ村に到着して、セバスチャンさん達がこちらに戻って来てからとなった。

 エッケンハルトさんとやり取りするとも言っていたから、まだまだこれからだな――。




読んで下さった方、皆様に感謝を。


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