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異世界転移したら飼っていた犬が最強になりました~最強と言われるシルバーフェンリルと俺がギフトで異世界暮らしを始めたら~【Web版】  作者: 龍央


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1283/2000

レオを抱き上げるのは不可能でした



「あー、またパパとクレアお姉ちゃんがイチャイチャしてるー!」

「ワフ、ワフ!」

「はっ! リ、リーザちゃん!?」

「おおう……」


 クレアの髪を撫で、抱き合った状態で完全に二人の世界に没入していると、リーザが部屋に戻ってきた。

 抱き合う俺達を見るなり、レオと一緒に騒ぎ出す。

 ちなみにリーザが言うイチャイチャは、抱っことかそういう意味で使われていて、男女間だとかの意味合いはない。

 誰だ、リーザにイチャイチャなんて言葉を教えたのは……と思ったが、そういえば数日前にジェーンさんが教えていたのを思い出した。


 その時も、周囲の目を忘れて二人の世界に入ってしまったんだけど、首を傾げていたリーザに「イチャイチャしているんですよ」とか「リーザ様もタクミ様にお願いしてみてはどうですか?」なんて言っていた。

 我に返った時、目の前でジェーンさんがリーザに教えていたんだけど……恥ずかしさが勝って何も言えず、止められなかったせいだ。

 ジェーンさんにも困った物だけど、ほぼ俺やクレアが原因と言えなくもない、かな?


「パパ、リーザも、リーザもー! パパとイチャイチャする!」

「はは、ここまでみたいだね、クレア」

「残念ですけど、そうですね。ふふふ」


 俺とクレアの間に体を滑り込ませるようにするリーザの主張に負け、クレアから体を離す。

 少し残念そうにしていたクレアだけど、すぐにリーザに目を向けて微笑んだ。

 クレアも、リーザの事を可愛がっているからな、微笑ましいんだろう。


「とりあえずリーザ、そのイチャイチャってのは言うのを止めような? 人聞きが悪いから」

「えー? どうして、パパ?」

「うーんと……正しい言葉じゃないから、かな? ほら、抱っこしてやるから。今度からはちゃんと抱っこって言うんだ」

「わー! うん、わかったー!」


 人間とは違う毛深い耳が付いていたり、大きな尻尾が二本あったりもするが、リーザは見た目幼い女の子……そんな子に、イチャイチャするとせがまれる成人男性。

 絶対悪い噂やあらぬ誤解を招くので、言わないように注意。

 リーザの両脇に手を差し入れて、高い高いをするように一度頭上に掲げてやると、満面の笑みで楽しそうに歓声を上げ、素直に頷いてくれた。

 ……事情を知らない人に、幼い子供からイチャイチャと言われる状況を未然に防ぐ事ができて、ホッとした。


「よーし、良い子のリーザにはご褒美だ。ん、しょっ!」

「ほわぁ……ママ程じゃないけど、高いねー」

「ママ程ってのは余計だぞー?」

「ふふふ、リーザちゃんもタクミさんも、楽しそうですね」


 素直に頷いてくれたご褒美として、一旦リーザを床に降ろし、改めて抱っこし直す。

 右腕はリーザの背中に、左腕をリーザのひかがみ……膝裏に当てて一気に持ち上げる。

 俗に言う、お姫様抱っこってやつだ。

 何度かリーザにはやった事があるし、リーザが抱かれている誰かにしがみ付く以外では、これが一番抱き上げやすい。


 二つの大きな尻尾が、ぶらんと垂れさがるようになって邪魔にならないから。

 あ、いや、リーザの尻尾はレオに匹敵する程触り心地が良くて、屋敷の人達……主に女性に大人気で邪魔っていうのは、ちょっと語弊があるかな?


「ワフ、ワッフー!」

「あ、こらレオ!」

「きゃー、あはははは!ママもパパに抱っこされたいみたいだよー!」

「ワウゥ……」


 リーザを抱き上げた俺を見て、何故か興奮した様子のレオが後ろ足立ちになり、俺に覆いかぶさろうとする。

 さすがに俺が押しつぶされてしまうので、リーザを抱いたまま避けたけど……本当に覆いかぶさる気はなかったようで、後ろ足立ちのまま俺を見る。

 若干……いや、かなり残念そうな表情だ。


「いやいや、さすがにレオを俺が抱っこはできないだろ。昔みたいにはいかないぞ?」

「ワウー……ワフ、ワッフワフ!」


 リーザの抱っこを見て、マルチーズの時俺に抱っこされていた事を思い出して、興奮したのかもしれない。

 残念そうにするレオは、代案を主張。

 それは、俺やリーザ、クレアも含めて全身を使って撫でる事……つまり、逆にレオに抱き着け、という事らしい。

 まぁ、それくらいならとリーザを降ろし、クレアにもお願いして皆でレオに抱き着いた。


「ふふふ、タクミ様のちょっと硬めも素敵ですけど、レオ様の毛は本当に柔らかくて気持ちいいですねリーザちゃん?」

「うん! ママ気持ちいい~!」

「硬めが素敵というのは、なんだか恥ずかしいんだけど、クレア。あと……ライラさん?」

「いえ、その……この方がレオ様も喜んで下さるかなと……」

「ワフワフ~!」


 リーザ達と一緒に戻って来て、部屋の入り口にいたと思われるライラさんも、気付けば俺達に混じってレオに抱き着いて両手で撫でつつレオの毛を堪能していた。

 まぁ、レオが楽しそうだからいいか……ライラさんもそうだけど、ヨハンナさんや一部の使用人さんや護衛さん達、レオやフェンリルの毛並みの虜になっている節がちらほら見られるよなぁ。

 リーザの耳や尻尾もか。

 抜け毛が基本的にないらしいレオはともかく、フェンリルやリーザは抜け毛を使ってぬいぐるみのような物を作る事も本格的に考えた方がいいのかもしれない。


 ……毛の持ち主に確認してからだけど、フェンリルのは良さそうだ。

 リーザのは……抜け毛を使ってと考えると呪い的なのが思い浮かんでしまったから、要検討だな……髪の毛とかもあるし――。




 ――寝起きのクレアやリーザ達とのちょっとした騒動を終え、朝食。

 その後一旦クレアと別れて身支度を整え、屋敷の外へ出る。

 運ぶ荷物も多く、複数の馬車で向かうため積み込みなどは門の外で行われている。


「タクミ様、荷物は全て幌馬車に」

「ありがとうございます」


 俺の荷物を積み込んでくれていたアルフレットさんの報告を聞き、お礼を伝える。

 まぁ、俺自身の荷物はそこまで多くないから、ジェーンさんやキースさん達も手伝って手早く終わったようだ。

 一番重かったのはお金を入れた箱だったけど……あそこまで重くなっているとは。

 クレアの方は数台の幌馬車への積み込みがまだ行われている……結構な量だなぁ。


「ワフワフ」

「ありがとうございます、アルフレットお兄さん!」


 俺に続き、レオとリーザもアルフレットさんにお礼を伝えている、リーザの荷物やレオの三代目ゴムボールなどもあったからな。

 レオに関しては、以前隠していたおもちゃというか宝物的な物もあったけど。

 まぁ、注意したら隠さなくなって持っていてもいいか聞くようになったから、わざわざ持って行かなくても……と思うような物があっても目をつむる事にした――。




読んで下さった方、皆様に感謝を。


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