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異世界転移したら飼っていた犬が最強になりました~最強と言われるシルバーフェンリルと俺がギフトで異世界暮らしを始めたら~【Web版】  作者: 龍央


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1246/2000

ハルトンさんからスリッパを受け取りました



「……畏まりました。隊商に頼むよりも、タクミ様が直接運んだ方が確実でしょう。スリッパもそうですが、また衣服がご入用の際は是非」


 この世界、郵便とか宅急便なんてないうえに魔物がいるため、街や村から別の街や村への物の輸送は、紛失する可能性がそれなりにある。

 定期的に領内を兵士さんが見回っている公爵領は、それでも魔物に襲われて……なんて事は少ないらしいけど、隊商が輸送料をもらっておきながら持ち逃げするなんて事もあるとか。

 もちろん判明すれば捜査されるし、見つかれば当然捕まる犯罪だけど、他領へ逃げたりそれこそ他国まで行けば足取りがつかめなくなる事が多く、捕まえられない。

 当然輸送を頼んだ人がいる場所には戻れなくなるけど、持ち逃げするような輩が、そんな事を気にはしない。


 そのため、確実なのは信頼のおける日頃から親しくしている隊商や、巡回の兵士さんに頼むのがいいらしいけど、タイミングよく信頼できる隊商や巡回の兵士さんがいるとは限らないわけで。

 一番いいのは、ハインさんのように自前で用意する事だけど、それも費用が掛かるから特別な時くらいだ。


「はい。それじゃ……あ」

「お預かりいたします。――申し訳ありません、タクミ様は既にお荷物をお持ちでいらっしゃいますので」

「そうですね、ありがとうございます」


 ハルトンさんから荷物を受け取ろうとした俺を遮り、ライラさんが受け取った。

 俺はさっき買った物を既に持っているため、ライラさんが気を利かせてくれたんだろう。

 まぁ、スリッパは布製で軽いだろうからいいか。


「ではタクミ様、私はこれで」

「はい」


 荷物を受け取った後、少しだけスリッパの販売について話し、挨拶をしてハルトンさんと別れる。

 販売については、予約なども含めて以前話していた予想以上に売れそうだ、という喜ばしい話だった。

 とはいえ、数が売れる程忙しくなるのは作っている方なのは当然で……新しい商品だから、ハルトンさん含め作製している人達の意気は高く、嬉しい悲鳴をあげているのだとか。

 一応、倒れるくらい働かせたり、ハルトンさん自身も体を壊さないように注意して欲しい、とは伝えた。


 いくら売れそうだからって、俺が関わった商品が原因で過労者が続出とか、嫌だからな。

 過去の経験ももちろん影響している。

 そうして、ハルトンさんと別れた後は改めて西門へ。

 待機してくれているフェンリル達が、退屈していなければいいけど……森に行った組はともかく、ただ待っているだけだからしてもおかしくないか――。



「ガウゥ……」

「よしよし、おとなしく待っていてくれたかー?」

「ガウ、ガウー!」


 西門に到着し、ライラさんに厩からフェンリル達を連れて来てもらう。

 考えていた通り、退屈していたみたいで五体のフェンリルが俺の前に並んでお座りし、撫でられ待ちをするという事態に。

 レオからジーッとこちらを見る視線を感じながら、そちらはリーザとライラさんに任せて、おとなしくしてくれていたフェンリルの体を撫でてやる。


「よし、次……の前に、森に行ったフェンリル達を呼びに行ってくれるか?」

「ガウワウ!」


 順番に並んでいる次のフェンリルを撫でる前に、最初に撫でたフェンリルに森へ行ったのを呼び戻してもらうように頼む。

 嬉しそうに意気込んで鳴き、森へと駆けて行った……結構な速度で遠くなっていくフェンリルの後姿は、かなり勢いよく尻尾が振られている。

 そんなに俺から頼み事をされるのが嬉しかったんだろうか?


「よし、これで最後だな。よしよし……」

「ガウ、ガウガウ!」

「ん? ここを撫でて欲しいのか? わかった」


 並んだフェンリル達の最後、他のフェンリルと同じように体を撫でてやっていると、頭を下げて鼻先で俺の手を持ち上げようとしながら鳴いた。

 どうやら頭を撫でて欲しいらしく、求めるような視線に頷いて、下げられた頭を撫でてやる。


「ガウゥ、ガウ!」

「ガーウガウガウ!」

「ガウワウ、ガーウ!」

「ワフ!」

「「「キューン……」」」


 一体だけ他とは違う場所を撫でた俺を見て、他のフェンリル達が抗議するように鳴いたが、レオが鳴いて一喝するとおとなしくなった……どころか、転がってお腹を見せて甘えた鳴き声を出す。

 俺が頭を撫でているフェンリルも、ビクッと体を震わせている。

 その一喝するレオの鳴き声は、自分が先だと主張していた。


「まぁまぁ、レオはまた後でな? いつもリーザと一緒に、部屋で撫でてやっているだろ。他のフェンリル達も、また機会があったら今度は頭を撫でるから、な?」

「ガウゥ……」


 やきもちを焼くレオをとりなし、抗議していたフェンリル達にも声を掛けてまた次の機会に、と伝えつつ最後に撫でていたフェンリルから手を離す。

 名残惜しそうな声をされても、ずっと撫でているわけにはいかないからな。


「ワフ……」

「ママは私がいっぱい撫でるよー!」

「ふふふ、レオ様はいくら撫でても飽きませんね」


 俺に言われて、渋々ながら納得した様子のレオは、リーザとライラさんに存分に撫でられているから、今主張しなくてもいいのになぁ……と思う。

 まぁ、レオにとっては撫でられる事は好きでも、誰に撫でられるかってのも重要なのかもしれないけど。

 ちなみに、フェンリル達が俺の前に並んだり、レオをとりなしたりしている様子を見ていた衛兵さん達。

 何やら俺に対して恐ろしい物を見るような目をしていて、「フェンリルを統べるタクミ様……恐ろしい方だ」なんて呟きも聞こえた。

 

 俺は怖くありませんからねー? フェンリル達が懐いてくれているだけですから―!

 後別に統べているわけじゃないし。

 それと、撫でたそうに「撫でてみたい、羨ましい……」と呟いたのも聞こえてますからね?


 そんなこんなで、森に行ったフェンリル達が戻って来るのを待つ間、衛兵さんにもフェンリルを撫でて慣れてもらったり、世間話なんかをする。

 その最中、おとなしく待っていたフェンリル達や、森に行ったフェンリル達にご褒美を上げなくては、と思いついた。


「やっぱり、食べ物がいいか。でも……手が空いてないし、フェンリル達が喜ぶ量は持てないか……」




読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

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面白いな、続きが読みたいな、と思われた方はページ下部から評価の方をお願いします。

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