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異世界転移したら飼っていた犬が最強になりました~最強と言われるシルバーフェンリルと俺がギフトで異世界暮らしを始めたら~【Web版】  作者: 龍央


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相談会は皆真剣に考えてくれました



 俺が使用人さん達に相談を開始してから、約一時間。

 参考になる意見は多く出てきたものの、中々まとまる事はなかった。


「まさか、ここまではっきり意見が別れるとは思いませんでした……」

「……セバスチャンさんがこの状況を見たら、興味深そうに観察しそうではありますが」

「女性と男性で、ここまで意見が違うものなのですね」


 アルフレットさん、ライラさんと話す。

 相談者であるはずの俺そっちのけで、意見を話し合っている使用人さん達。

 一部の例外を除いて、俺がクレアに対してするべき事の意見は男性と女性で明確に別れていた。


 男性側に多い意見として、プレゼントを渡して気を引きつつ感謝などの気持ちを伝えるのがいいのではないか。

 言葉を尽くすよりも、実際に形になる物を渡し残すのが一番いいだろうという意見が多かった。

 女性側に多い意見として、プレゼントそのものは嬉しいが、それよりも実直に気持ちを伝えられるのがいいのではないか。

 物を渡すと、そちらに意識が行ってしまうので気持ちを言葉にされても、全てを受け止めきれないという意見多かった。


「どっちの意見も、それぞれ納得できるしよくわかるんですけどね……」

「実際、タクミ様とクレアお嬢様の事を真剣に考えての意見ですから、間違ってはいないと思えます」

「まとめると、女性は受ける側としての意見。男性は伝える側の意見になっている、というところでしょうか。タクミ様からクレアお嬢様に……なので、考え方としてはそうなりますね」


 男である俺から伝えるとしたら、という相談だから男女の考え方が違ってしまうのは無理もないかもしれないけど……。

 もっと、男女それぞれで入り混じった意見が出て来ると思っていたんだけどなぁ。


「とりあえず……フィリップさんとジェーンさん、それとチタさんの意見はなしで考えましょう」

「そ、そうですね。フィリップさんはともかく、ジェーンがあんな事を考えていたとは……」

「アルフレットさんが、ジェーンさんと結婚した経緯が気になる所ではありますが……フィリップさんの意見は無視するのが一番でしょう。あれでは、ただの暴漢と変わりません」


 客間の隅で落ち込んでいる三人……フィリップさんとジェーンさんとチタさん。

 三人の意見は、他の使用人さん達によって真っ先に反論されてしまったためなんだが……三人の恋愛観をちょっと問い質したくなる意見だった。

 チタさんは、レオやフェンリル達に俺とクレアを囲ませ、柔らかい毛で包まれつつ朝までいればきっと伝わる……という、ただレオ達の毛の感触を楽しみたいだけの意見だった。

 朝まで、という部分に一部の人が反応したはしたけど、結局レオやフェンリルに見守られるどころか、固められているので何もできないし、特殊な状況過ぎると言われて撃沈。


 そして、夫であるアルフレットさんを戸惑わせたジェーンさんの意見は、何故か俺と数人の男性でクレアを取り合うために決闘をして、俺が勝利した瞬間に声高にクレアへの気持ちを叫ぶ……という、夢見がちとも言える意見。

 どこから男性が出て来るのかとか、取り合われる事になったクレアの意思はどうなのかとか、色々と無視した趣味全開の理想を語ってくれた。

 語っている時、陶酔するような表情になっていて、アルフレットさんが頭を抱えていたのがちょっと面白かったけど、夢を見すぎとの他の女性からの容赦ない反論で沈んだ。

 ライラさんにも酷評されたフィリップさんは一番酷くて、クレアを壁に追い詰めて目を見つめ、口に含んだサーペント酒を口移しで飲ませる……という、情緒を最後で吹き飛ばす意見だ。


 何故サーペント酒なのか、という部分には欲望や願望が含まれているような気がした。

 いわゆる男女間での壁ドン的な要素は、それなりに女性を沸き立たせたが、そこでいきなり欲望丸出しにすると冷めると言われる。

 ただそれでもめげないフィリップさんは、俺が作った安眠薬草を使うのも……なんて言った事でヨハンナさんからの肘鉄が横腹にクリーンヒットして、物理的に床へと沈んだ。

 安眠薬草の発想は、強壮効果のあるサーペント酒よりもさらに犯罪くさいから仕方ない……いや、犯罪か。


「えーと……このままじゃ男女間の亀裂が深まるばかりな気がするので、こうしましょう……」


 沈んでいる人達の事はともかくとして、激論を交わす使用人さん達に聞こえるように、俺からの意見。

 まぁ、意見というか男女を逆にして考えたら、どんな意見があるのかという提案だけど。

 それを聞いて、沈んでいた三人が浮き上がろうとしたけど、ヨハンナさんを筆頭に参考にならないから黙っててと言われ、再び沈んだ。

 ……少しかわいそうだけど、皆が真剣に考えているから仕方ない。


「見方を変えると、面白い意見も出て来るものですね」


 アルフレットさんの呟きに頷く。

 男女の考え方を逆に……つまり、女性から男性に気持ちを伝えるとしたらと提案に対し、真剣に考えてくれる使用人さん達。

 一部、フィリップさんに感化されてそうな男性意見、お色気で誘われる的な意見をしてしまった人は、全てフィリップさんのように沈んでしまっているけど、それはともかくだ。

 女性から、という場合で多かった意見は景色を眺めながらの告白。


 お互い構えずに、花や夜空などを見ながらの流れで気持ちを語る……というのが多かった。

 他にも、プレゼントを渡すという意見が女性からも出始め、内容が自分で作った料理だったり花だったりと、男性意見で花以外には身に付けるアクセサリーが多かったのに対し、食べられる物をと考える女性が多いのが印象的だ。

 自分の着古した服を使って、男性用の下着を作って送るという意見を出してしまった女性は、重すぎると言われてジェーンさんの隣に並んでしまったけど。


「どちらからも出るという事は、やはりプレゼントを渡すのは有効のようですね」

「まぁ、古くから使われる手法ですから。私も、ジェーンには色々と贈りました……」

「こういった事でなくとも、気持ちを伝えるうえでのプレゼントというのは喜ばれますから」


 気がそちらにばかり向いてしまう、という意見がありつつも、やはりプレゼントはいい手段なのだろう。

 遠い目をするアルフレットさんはともかく、ライラさんの言う通り贈り物は男女間以外でも、有効だからな――。




読んで下さった方、皆様に感謝を。


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