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異世界転移したら飼っていた犬が最強になりました~最強と言われるシルバーフェンリルと俺がギフトで異世界暮らしを始めたら~【Web版】  作者: 龍央


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1192/1999

いろんな噂があるようでした



「失礼しますよ、イザベル」


 セバスチャンさんを先頭に、イザベルさんの店に入る俺達。

 メンバーは、俺とクレア、ティルラちゃんにセバスチャンさんの四人だ。

 全員は入れないし、レオやヴォルグラウが外で待っているため、アルフレットさん達は外で待機だ。


 移動中はヴォルグラウの背中が定位置になって来ているシェリーは、この機会にレオに色々と聞く気のようだった。

 ……聞いても、フェンリルとシルバーフェンリルはそもそもに違うから、参考になるのかどうか。


「らっしゃい。おや、クレア様にタクミじゃないかい。ティルラ様もいるのかい?」

「私の事は無視ですか……まぁいいのですが」

「ははは……」


 奥から顔を出したイザベルさんが、俺達を迎えてくれる。

 その際、意図的にセバスチャンさんを無視したのには、苦笑しておく。

 この二人、なんだか古い知り合いのような雰囲気もあるから、こういったやり取りも織り込み済みなんだろう……セバスチャンさん、落ち込むように項垂れるフリをしているけど、笑顔だし。


「お久しぶりです、イザベルお婆ちゃん!」

「しばらくぶりね、イザベル。以前魔法具を頼みにきた時以来かしら?」

「そうですねぇ、それ以来ですねぇ。――はい、お久しぶりですティルラ様」


 ティルラちゃんやクレアがイザベルさんと挨拶……そういえば、魔法具の注文をした時にはクレアと別行動だったから、少し間が空いていたかな。


「おや、リーザは今日いないのかい?」

「すみません、今日は屋敷でお留守番をしてもらっています。ちょっとした事があったので……」


 俺達の方を見たり、視線を巡らせてリーザを探すイザベルさん。

 イザベルさんにとっては、リーザは孫みたいに可愛がっているから、いないのは残念なんだろう。

 今考えれば、先にリーザだけここに来させて待っていてもらうって手もあったか……イザベルさんなら、喜んで見てくれていただろうし。

 本当、今更だけど。


「リーザを連れて来ない理由でもあるのかい?」

「駄目というわけではないんですけど……」

「そこから先は、私が説明させて頂きましょう」


 鋭く俺を見るイザベルさんに、連れてこなかった理由をどう話したものか……と考えていたら、目を輝かせたセバスチャンさんが説明を請け負ってくれた。

 相変わらずの説明好きだ。

 デウルゴとの話で溜まった鬱憤を、ここで晴らそうっていうつもりなのかもしれない。


「……成る程ね。従魔とその主人がねぇ。最近このラクトスで従魔を連れたのが増えたけど、確かにいい話ばかりを聞くわけじゃないからね」


 セバスチャンさんの話を聞いて納得してくれたイザベルさん。

 従魔が増えているのは、知っていたみたいだ。


「そうなんですか?」

「良くも悪くも色んな話を聞くねぇ。まぁ、ただの噂なのか、事実なのかはわからないけどね。とにかく、確かにそんな従魔の扱いをする男の前に、リーザを連れて行きたくないってタクミの気持ちもよくわかるさね」

「ですよね……俺の過保護な考えなのかもしれないですけど」

「リーザ自身は、多分あまり気にしたりはしないと思うんだけどねぇ。でもあたしゃ、タクミの考えを支持するよぉ」


 イザベルさんは、スラムで暮らしていた頃のリーザを知っているし、孫のようにかわいがってくれているからだろう、俺の考えに賛同してくれるようだ。

 まぁ、リーザの事はとりあえず屋敷に戻ったら、存分に相手をする事に決めて……今はその話ばかりしていたらいけないな。


「それでイザベル、そのよく聞く話っていうのは? どんな話なの?」

「それがですねクレア様。良い噂の方は、他愛もない事なんですよぉ。誰々がどの魔物を従魔にしたとか、その魔物と一緒に新しい仕事に取り組んでいるとかですねぇ。で、悪い噂の方なんですが……」


 イザベルさんが聞いたという従魔に関する話。

 いい噂の方は、大体想像していた通りで人間と従魔が仲良くしているといった具合だ。

 ただ、悪い噂の方は……。


「ふむ、そちらも調べておく必要がありそうですな。何を目的としているのか……」

「もしかしたら、デウルゴも関係しているのかもしれないわね」

「はい。衛兵に言って、デウルゴへの追及もするとしましょう」


 セバスチャンさんとクレアが再び、話し合っている。

 悪い噂、それは組織的に多くの魔物を従魔にしているという話……それだけなら、悪い事に繋がるわけじゃないんだけど、その従魔を使って悪事を働いているとか。

 しかも、デウルゴのように従魔への扱いは劣悪で、食べ物もあまり与えずに酷使しているとか。

 あくまで噂で、間違っていたり背びれ尾ひれが付いている事もあるだろうとしたうえで、イザベルさんが話してくれた。


 本当だったら、多くの魔物が従魔にされて虐待されたり、悪事に利用されている事になる。

 さすがにそれは見過ごせないと、セバスチャンさんとクレアが調査をするべきと話し合っているってわけだ。

 ちなみに、その組織的に活動している人達っていうのは、ラクトスにいるわけではなく、時折従魔を引き連れた人達がこの街に来るって言うだけの事らしい。

 デウルゴに関しては、複数で協力してヴォルグラウのいたウルフの群れを倒したって言っていたから、もしかすると何か関係しているかもって予想だな。


「ひとまず、噂の方はイザベルでも注意しておいて下さい」

「わかったよ、婆さん使いの荒い爺さんだね」


 ラクトスで店を構えているイザベルさんは、噂の収拾にはうってつけだ……まぁ、店構えが怪しいのでお客さんが多いのかは疑問だけど。

 ……俺達が来た時に、他のお客さんを見かけた事はないからなぁ。

 それでも、店をやっている人や住民同士のネットワークみたいなものがあるだろうし、そこから今の噂話も聞いたわけだから。


「では、今日ここを訪ねた本来の目的を」

「おや、話しに来たってわけじゃないんだね?」

「もちろんです」

「今日は私を調べて欲しいから、ここに来たんですよイザベルお婆ちゃん!」

「ティルラ様の事を?」

「えぇ。ティルラお嬢様が……」


 話を変えて……本来の目的に戻すセバスチャンさん。

 黙って話を聞いていたティルラちゃんが、急に元気になる……あまり面白い話をしていたわけじゃないから、退屈だったんだろう。

 従魔に関しては、ティルラちゃんも思うところがあったみたいではあるけど――。



読んで下さった方、皆様に感謝を。


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