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異世界転移したら飼っていた犬が最強になりました~最強と言われるシルバーフェンリルと俺がギフトで異世界暮らしを始めたら~【Web版】  作者: 龍央


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新たな決まりを考えているようでした



「セバスチャン、至急お父様と連絡を取れるかしら?」

「定期的に報告は送っておりますが……それとは別ですかな?」

「えぇ。緊急性はそこまでではないけど……」

「ふむ、従魔関係での決まり事でしょうか」


 従魔関係というと、今回のヴォルグラウとデウルゴの事が原因か。

 自分の従魔に対する扱いに関する、はっきりとした決まりや罰などはないらしいから、それに関してだろう。


「そうよ。今回デウルゴの話を聞いて、自分の従魔に対する扱いを悪い事のようには思っていないようだったわ」

「そうでしょうな。終始悪びれる様子はありませんでした」

「全ての人がそうだとは限らないでしょうし、従魔と良い信頼関係を築いている者も見てきたわ。けど、デウルゴと同じような考えの人間がいても、おかしくはないから」


 デウルゴが特殊な例だとしても、この先同じ事を考える人が出ないとは限らないし、もしかしたら既にいるかもしれない。

 緊急とは言えないかもしれないけど、先の事を考えれば新しい取り決めをしておいた方がいいだろうと、俺も思う。


「はい。これまでは、従魔を得ようとする人間が少なかったため、あまり問題視はされてきませんでしたが……畏まりました。旦那様と連絡を取り、従魔と主人の関係とその扱いの取り決めを考えてもらう事にしましょう」

「お父様と、本邸にいる者達ならいい案を考えてくれると思うわ」

「クレアお嬢様にも、意見を求められると思います。現在、公爵家で従魔がいるのはクレアお嬢様とティルラお嬢様。そして、レオ様といるタクミ様やフェンリル達とも共に暮らしておりますから」

「そうね……」


 エッケンハルトさんならシェリーやフェンリル達の事を気に入っていたし、ちゃんとした決まりを作ってくれるだろう。

 これから先、ヴォルグラウのようにただ人間に利用されるだけの従魔、虐待される従魔が出ないように……。

 そうして、しばらくエッケンハルトさん向けに報告や連絡する内容を話し合うクレアとセバスチャンさん。

 俺は、レオの魔力を間近で浴びて疲れた様子のアルフレットさんを労いつつ、方法などを調べてくれた事に感謝し、レオやティルラちゃん、ヴォルグラウと話が終わるのを待った。


 途中で衛兵さんが、テーブルや椅子を用意して寛げるようにしてくれたのは、ちょっと恐縮しそうだったけど。

 詰所の前、広い場所で大きなレオがいるとはいえ、周囲を衛兵さんや街の人達が通りがかる中を、テーブルについて優雅にお茶を飲むのは、さすがになぁ……。

 ティルラちゃんはヴォルグラウやシェリーと一緒に、さっきのレオの姿を思い出してはしゃいでいたから、特に気にしていないようだったけど。

 俺の気持ちをわかってくれたのは、アルフレットさんだけだった……そのアルフレットさんが、お茶を淹れてくれたんだけども。



 クレアとセバスチャンさんの話が終わり、エッケンハルトさんへの連絡を送った後、向かうはイザベルさんの店、その途中で……。


「さっきは頑張ってくれたからな、レオにご褒美だ」

「ワフ、ワフ~」

「キャゥ?」

「シェリーは……まぁ、頑張ったと言えなくもないか。ヴォルグラウにもな」

「キャゥキャゥ~」

「バウ!」


 ラクトスの大通りで、ご褒美を兼ねたおやつとして屋台で売っているソーセージを購入。

 レオにとっては頑張ったうちにも入らないようだけど、お願いを聞いてくれたご褒美だな。

 シェリーは……デウルゴに怒ってテーブルに乗ったのはいただけないけど、皆同じ気持ちだったし、そもそもヴォルグラウと一緒に連れて行ったのは、俺達だからな。

 ヴォルグラウは、デウルゴに散々な言われようだったため、労う意味も込めてある。


「ふふ、レオ様もシェリーもヴォルグラウも、嬉しそうですね」

「食べ過ぎて、夕食が入らないなんて事にならないといいんだけど……まぁ、余計な心配かな」


 レオには俺から、シェリーにはクレア、ヴォルグラウにはティルラちゃんから、それぞれソーセージが渡され尻尾をブンブン振りながら食べている。

 嬉しそうな様子を眺めながら、クレアと笑い合って話す。

 一応、巨体のレオがいるため、周囲の迷惑にならないよう場所は移動してある……イザベルさんの店の近くにある、以前リーザに石が投げられた際に、落ち着くために来た場所だな。


「あ、そうだ。クレア、ティルラちゃんにギフトがあると仮定して……ちょっとだけ二人で話す時間が欲しいんだけど」

「ティルラにだけですか? そうですね……同じくギフトを持つタクミさんだからこそ、話せる事もあるでしょうから……わかりました。屋敷に戻ったら、ティルラと話せるようにします」

「ありがとう、助かるよ」

「いえ……私が許可しなくても、タクミさんが言えばティルラなら喜んで話をしようとするはずですよ? ティルラはタクミさんによく懐いていますから……」


 まぁ、ティルラちゃんと話す機会はこれまでもあったし、わざわざクレアに許可を取るのもおかしな話なんだけど、話す内容がなぁ。

 クレアはギフトを持っている者同士の話だと考えているようだけど、話そうとしている事は少し違う。

 初代当主様のジョセフィーヌさん、その人が持っていたというギフトの事も含めて話そうと思っているから。

 本当はエッケンハルトさんが話すのが適任なんだろうけど、今近くにはいないわけだし、俺が代わりにってところだ。


「あ、屋敷でならラーレもいるから、一緒に話した方がいいか。それなら、人払いしたどこかの部屋とかではなくて、外の方がいいかも……」

「ラーレもですか? でしたら、庭園でいいと思いますよ? あそこなら、ラーレがいられる場所もありますから」

「そうだね、そうしよう」


 ティルラちゃんに関する事だから、従魔のラーレも一緒の方が良さそうだ。

 クレアの提案で、庭園で話をする事に決めた……あそこなら、レオやラーレがいても大丈夫なくらい、広いスペースがあるからな。

 ちなみに庭園とは、俺が『雑草栽培』で幾つかの花を作り、増えていく三段階目のギフトの影響が少ない物を植えて作った場所。

 門と屋敷の間にある庭の一部なんだけど、そこに花を植えて見栄え良くし、使用人さん達とコッカー達が管理している場所……多分、ペータさんが見て植物が綺麗すぎると驚いていた所だ――。




読んで下さった方、皆様に感謝を。


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