表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転移したら飼っていた犬が最強になりました~最強と言われるシルバーフェンリルと俺がギフトで異世界暮らしを始めたら~【Web版】  作者: 龍央


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1175/2000

デウルゴを捕まえている詰所に来ました



「レオ、お疲れ様」

「レオ様、ありがとうございました!」

「ワフワフ!」


 ラクトスに到着し、馬車などを預けている間にティルラちゃんを乗せてきたレオを労う。

 屋敷からラクトスまで走るのも、もうレオにとっては慣れたもので特に疲れた様子はないけど。


「バゥ?」

「キャウ!」

「こらこら、ちゃんとヴォルグラウも馬について来るように走ったんだからな? ヴォルグラウもお疲れ様」


 レオを撫でている俺に、自分には? と問いかけるように鳴くヴォルグラウ。

 背中に乗っているシェリーが、ペシペシと前足で軽く叩きながら叱っていたので、注意しながらちゃんと労うように撫でておく。

 仕草でわかったけど、シェリーはこれくらい走った程度で褒めてもらおうと思うな、というような主張をしたんだろう。

 シェリーも、最近やっとラクトスまで休まず走れるようになったのに……成長もあるけど、レオと裏庭でトレーニング代わりに走らされていたのが大きいはずだ。


「バウ~」

「キュゥ……」

「シェリーもお疲れ様~」

「キャゥ~」


 俺に撫でられて満足そうに鳴くヴォルグラウは、レオにも大分慣れてきたようだ。

 対するシェリーは、不満そうに鳴いていたのでティルラちゃんが撫でた……嬉しそうだ。

 もしかして、ヴォルグラウより自分の方を先に撫でて欲しかったのかもしれない。


「タクミさん、デウルゴはこの西門の衛兵のいる詰所にいるようです」

「そうなんですね。わかりました」


 衛兵さんと話していたクレアから、デウルゴの所在が知らされる。

 クレアが来るとわかっていたからか、それともセバスチャンさんの指示か、俺達が移動する手間を省くために移動させたんだろう。

 門の近くで捕まえたとかではなく、街中で捕まえたらしいから。

 ちなみに、衛兵さんの詰所は東西の門付近の他に、ラクトスの代表を務めるソルダンさんのいる役所付近にも一つある。


 門付近の詰所は簡易的な物で、出入りする人の中に不審者などがいた場合の取り調べや、衛兵さん達の休憩所になっているらしい。

 役所の近くの方は、ラクトス全体の管理のためでそれなりに建物も大きい……ヴォルグラウを見つけて最初に連れて行ったのも、こちらだな。


「お待たせしました。では、デウルゴがいる詰所へ参りましょう」

「えぇ」

「はい」

「行きます!」

「ワフ!」

「バゥ……」

「キャゥー!」


 馬車や馬を預けたセバスチャンさんが戻って来て、早速デウルゴがいる詰所へ向かう……セバスチャンさんは預けている時に居場所を聞いたんだろう。

 クレアに続いて俺も頷き、ティルラちゃんは意気込んでいる様子で、同じくレオもやる気のようだ。

 だけど、レオは詰所の中には入れないんだけどな?

 ヴォルグラウは項垂れながらだけど、それは仕方ないか……背中にいるシェリーが、また前足で軽くペシペシしながら発破をかけているようだけど、こればっかりはな。


 自分を攻撃して怪我をさせた相手、しかも従魔契約を破棄するために行くんだから、気が進まないのも無理はない。

 フェリーに言われて、食べ物の方に興味を持ったようではあっても、実際にその時になると緊張や不安が沸き出てもおかしくない。


「クレア様、皆様、お待ちしておりました」


 詰所に入り、まず迎えてくれたのは恭しく頭を垂れる衛兵さん……あれ? この人ディームを捕まえた時にも話した人だ。

 衛兵さんの中でも偉い人だったのかもしれない。

 その衛兵さんの一歩後ろで、数人の衛兵さんが同じように頭を垂れていた。


「えぇ。デウルゴの様子は?」

「暴れるようでしたので、拘束しております。今は、俺は何もしていない、役立たずなあいつが悪いんだ……と繰り返し主張しているくらいです」

「そう。ヴォルグラウ……ウルフの話はしたのね?」

「何もなく捕まえる事はできませんので、罪状として従魔のウルフを傷つけた事としていますから」

「わかったわ、ありがとう」


 デウルゴは、拘束されながらも抵抗を続けているようだ。

 まぁ、動けないからわめいているだけのようだけど。

 ヴォルグラウの事は話してあるのか……デウルゴ自身が契約していた従魔だから、罪状と言える程ではないけど何もなく捕まえるよりはマシだろう。


「少々強引ですが、仕方ありませんな。できれば、急に会わせて驚かせようと考えていましたが……」

「私の名を出すわけにはいかなかったのでしょう。その方が強引だし、それは仕方ないわ」


 クレアさんの名や、リーベルト公爵家からの命令と言えば、罪状とは関係なしに捕まえられるだろうけど……それをしたら、見ていた人達がなんて思うかという配慮もあるのか。

 それに、公爵家の権力を強引に使う事は、クレアとしてもできるだけ避けたいだろうし。


「そうですな。――デウルゴは、今どこに?」

「奥の部屋に。ここでは捕まえて放り込んでおく部屋もありませんので……」


 セバスチャンさんが問いかけ、答える衛兵さん。

 放り込んでおく部屋……というと、牢屋とかだろうか?

 イメージとしては地下牢が浮かぶけど、簡易的な詰所のここではないのも無理はない。

 地下かどうかはともかく、役所近くの詰所……中央詰所なら、あるんだろうけど。


「では、私とタクミさん、そしてヴォルグラウでその部屋に向かいましょう」

「え、私はいかないの、セバスチャン?」


 セバスチャンさんは、クレアをデウルゴと会わせないつもりかな?


「クレアお嬢様は別部屋で。デウルゴが、クレアお嬢様の顔を知っている可能性もありますから。それに、あまりお会いになるべき人物でもなさそうです」


 公爵家のご令嬢だし、クレアは目立つからな。

 ラクトスでそれなりに過ごしている人なら、見かけたりしてクレアの顔を知っている事が多い。

 スラムの方ではあまり知られていないようだけど、とにかくデウルゴが知っていた場合、公爵家とわかってへりくだるか反発をするか……。

 デウルゴがどうなるかわからないが、ヴォルグラウに酷い事をした相手とクレアを直接会わせたくない、とセバスチャンさんは考えていそうだ。

 ……俺もそうだけど。


「そうね……わかったわ。別部屋という事は、デウルゴと対面しているタクミさん達の様子は、わかるのよね?」

「はっ! 隣の部屋で、その部屋の様子が確認できるようになっております!」

「……その別部屋っていうのは?」


 渋々頷いたクレアは別の部屋に行く事を了承したけど、その別部屋では俺達の様子がわかるって、どういう事だろう……?




読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


面白いな、続きが読みたいな、と思われた方はページ下部から評価の方をお願いします。

また、ブックマークも是非お願い致します

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍版 第7巻 8月29日発売】

■7巻書影■mclzc7335mw83zqpg1o41o7ggi3d_rj1_15y_1no_fpwq.jpg


■7巻口絵■ mclzc7335mw83zqpg1o41o7ggi3d_rj1_15y_1no_fpwq.jpg


■7巻挿絵■ mclzc7335mw83zqpg1o41o7ggi3d_rj1_15y_1no_fpwq.jpg


詳細ページはこちらから↓
GCノベルズ書籍紹介ページ


【コミカライズ好評連載中!】
コミックライド

【コミックス6巻8月28日発売!】
詳細ページはこちらから↓
コミックス6巻情報



作者X(旧Twitter)ページはこちら


連載作品も引き続き更新していきますのでよろしくお願いします。
神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移


完結しました!
勇者パーティを追放された万能勇者、魔王のもとで働く事を決意する~おかしな魔王とおかしな部下と管理職~

申し訳ありません、更新停止中です。
夫婦で異世界召喚されたので魔王の味方をしたら小さな女の子でした~身体強化(極限)と全魔法反射でのんびり魔界を満喫~


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ