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異世界転移したら飼っていた犬が最強になりました~最強と言われるシルバーフェンリルと俺がギフトで異世界暮らしを始めたら~【Web版】  作者: 龍央


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協力して魔物達を倒しました



「……そろそろ、かな? まだ明るいから大丈夫だろうけど……レオ、ラーレ達も、ちょっとだけ目を閉じていてくれ! ライトエレメンタル・シャイン!」


 大体、五十メートルくらいまでトロルド達が近付いて来るのを待ち、後ろにいるレオ達に叫びながら、魔力を意識。

 試したい事を実行するためのポーズをしながら、使い慣れてきた魔法を発動。

 ちなみにポーズは、両手を自分の顔くらいの高さで前に突き出し、手の平を内側にして手首を合わせる。


 ちょっと歪だけど、日本で見たアニメや漫画のポーズ……かめなんとか波を撃つ時の恰好だ。

 ……小学生の時、同級生と真似をして遊んだなぁ。


「ギュアアアア……」

「ギャアアアア……」

「効果はてきめん、とは言いづらいか。明るいからなぁ」


 光を放つ魔法、それは今も俺の手から放たれて、こちらに向かっていた魔物達を照射している。

 本来、光の球を作り出して周囲を照らしたり、剣などの物に宿らせたりするものだが、今回は俺が取っているポーズのおかげで、周囲ではなく魔物に向かって集中的に光が当たっている。

 とはいえ、やはり昼間の明るい時間のため、効果は薄そうだ……。

 一応、魔物の方から驚きや戸惑いの混じった、人ならざる叫び声が聞こえたし、走る速度が遅くなっているように見えるので、効果自体がなかったわけではなさそうだが。


「とりあえず、向かって来る速度は遅くなったし……ラーレ! 押しとどめてくれ!」

「キィ!」


 確実に走る速度は遅くなっているので、光の魔法を消しつつ、ラーレに指示を出す。

 翼を大きく広げて、大きく声を上げたラーレが、その翼を一度羽ばたかせる。


「キィー!!」

「うぉ!? っとっと……凄いな」


 両翼を羽ばたかせたラーレから、突風が放たれ、さらに日の光を反射してキラキラと輝く、銅色の羽根。

 それらが凄まじい勢いでトロルドやオークに向かって行き、完全に足を止めた……というより、前に進む事ができなくなっている。

 むしろ、少し後ろに下がっているようだけど……勢いが凄まじいので、俺にまで及ぶ風の影響を足を踏み留まらせて耐え、収まるのを待つ。

 羽根が舞っているのを見るに、もしかしてスラムで気絶していた人に、これを向けたのだろうか?


 というかこれだけ勢いがある突風を出せるなら、俺が光の魔法を使って、魔物達の勢いを弱らせる必要があったのかは……あまり考えないようにしよう。

 一辺倒な戦い方で相手を怯ませて隙を作るやり方だけど、俺にはこれが今一番慣れたやり方だし、参加して見たかったんだ。

 ……ブレイユ村で、何度も狩りを経験して好戦的になっているのかな? いや、それだったらもっと火の魔法を使ったりとかだろうけど。

 攻撃的な魔法、まだ知らないしなぁ……まぁ、基礎は教えてもらえたので、言葉の組み合わせで使えるのかもしれないけど、さすがにぶっつけ本番ではやりたくない。


「よし、足は止まったな。フェリー、トロルドをやっつけてくれ! フェンはオークだ!」

「グルゥ!」

「ガウ!」


 頭の中で俺が魔法を使う必要性について、誰にともなく言い訳をしているうちに、ラーレの発生させた突風と羽根の乱舞とも言える現象が収まる。

 魔物達の足が完全に止まっているのを確認して、今度はフェリーとフェンに指示を出した。

 両方、頼もしい鳴き声を発しながら、俺の後ろから一瞬で魔物達の所へ……レオのように、目にもとまらぬ速度というわけではないけど、それでも十分に速い。

 一応目で追う事はできたけど、風のような速さと言えるだろう。


 その後は、圧倒的な速さと力強さで次々と魔物達が動かなくなっていく。

 フェリーがトロルドの一体に噛み付いて咥え、振り回してもう一体のトロルドにぶつけ、さらに追い打ちとして、前足の爪で仲間のトロルドをぶつけられた方を斬り裂いた。


「グルゥアオォォォン!!」


 咥えていたトロルドを斬り裂いたトロルドの上に、首を振って投げ、大きく吠えて魔法を発動……遠目から見ていてもわかる程綺麗な氷像が出来上がった。


「ガウゥ! ガウ! ガウガウ!」


 一方、フェリーやトロルドの後ろ、オークの方に向かったフェンは、何度も吠えながらオークに噛み付いたり、爪を振るったり、火柱が立つ程の魔法を発動させ……あれ、魔法はオークに当ててないのか?


「ガウゥゥゥゥ!!」


 火の魔法を使ったにも拘らず、全然関係ない場所で火柱を立てているのはともかく、オークを後ろ足で蹴り飛ばしたり、フェリーのように咥えて振り回したりしつつ、大きく吠えて今度は氷の魔法。

 さすがにオーク達が散らばっていたので、全てではないけど、半分程……なんとか動いていたオークを凍らせて、フェンリル以外が動かなくなった。


「やっぱり、フェンリルは凄いなぁ……あっという間だ。足止めしたり、目つぶしみたいな事をする必要、なかったかな?」

「ワフ……ワフワフ?」

「ははは、まぁレオだけでもできるんだろうけどな」


 ラーレも凄かったけど、フェンリルの動きは魔法も連動させる戦い方のようで、離れて見ている俺自身圧倒されてしまっていた。

 チームワーク的な事を試したかったとは言え、最初からフェリーやフェンだけで良かったのかもな。

 なんて考えていると、後ろにいたレオが俺の横に顔を出し、あれくらい自分でもできると主張したので、撫でておく。


「グルゥ~」

「ガウ~」

「お疲れ様、フェリー、フェン。凄かったなー。もちろん、ラーレも凄かったぞ!」

「キィ!」


 言葉はわからないが、「終わった~」と言っている雰囲気の声を出しながら、尻尾を振りつつ戻って来るフェリー達。

 そんなフェリー達を撫でて褒めながら、ラーレも褒めて労う。

 それぞれ、誇らし気に胸を逸らしたり、尻尾をブンブンと振ったり、嬉しそうだ。


「タクミさん、終わったみたいですね」

「うん、もう大丈夫だと思うよ。――だよな、レオ?」

「ワフ!」

「パパー、凄かったねー!」

「そうだなぁ、フェン達もラーレも凄かったなぁ」


 フェリー達を撫でていると、後ろからクレアがリルルの傍を離れて近付いて聞いて来る。

 レオに確認すると、他に魔物がいないと保証するように頷いてくれた。

 クレアと一緒に、リーザも来てフェリーに抱き着きながら、あっという間に魔物を倒したのを喜んでいるのを見て、ブンブン振られている二本の尻尾を見ながら、目を細めて微笑む――。




読んで下さった方、皆様に感謝を。


別作品も連載投稿しております。

作品ページへはページ下部にリンクがありますのでそちらからお願いします。


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■7巻書影■mclzc7335mw83zqpg1o41o7ggi3d_rj1_15y_1no_fpwq.jpg


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神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移


完結しました!
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夫婦で異世界召喚されたので魔王の味方をしたら小さな女の子でした~身体強化(極限)と全魔法反射でのんびり魔界を満喫~


― 新着の感想 ―
[一言] 更新有り難う御座います。 ○○波はロマン!
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