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異世界転移したら飼っていた犬が最強になりました~最強と言われるシルバーフェンリルと俺がギフトで異世界暮らしを始めたら~【Web版】  作者: 龍央


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魔物を倒す準備をしました



 俺の言葉を聞いて、レオが察知した魔物の方を見て意気込んで鳴くフェンリル達……レオもだけど。

 トロルドはともかく、オークを倒せば食用肉になるから、狩りみたいなものと考えればいいだろう。

 ブレイユ村で何度も経験した事だし、結構慣れた。

 新鮮なお肉と聞いて、フェリーが特にやる気を出して鳴く……というか唸った、ハンバーグを期待しているのかもしれない。

 

「お、見えてきた。って、まだ遠いけど」

「ほんとだ―。なんだか向こうから来てるね、パパ」


 そうこうしている間に、遠くの方で何かがこちらに向かって来ているのが見え始めた。

 まだはっきりと、レオが言った通りのオークやトロルドかは判別しづらいが、そこは疑っていない。

 この段階で、フェリー達にもはっきりとわかったらしく、姿勢を低くしていつでも動けるように備えていた。


「そうだリーザ。リーザはクレアと一緒にリルルの後ろにいてくれ」

「パパ、私もママ達と一緒にお手伝いするよ?」

「んー、でも今は武器も何も持っていないからな。ほら、フェリー達もやる気になっているから、今回はそっちに任せよう」

「はーい、わかったー」


 散歩するだけだったから、俺もリーザも剣やナイフを持って来ていない……荷物になるからな。

 今回はフェンリル達に任せる事にして、リーザには後ろに下がってもらう事にしよう。

 若干、不満そうに頬を膨らませながら、萎れた二本の尻尾を引きずりながらクレアの所へ向かうリーザを見送る。

 ……屋敷に戻ったら、機嫌を直してもらうために遊んであげよう。


「キィー」

「タクミさーん、遠くから魔物が近付いて来ていますよー」

「お、ラーレとティルラちゃん」


 上空から見たのだろう、空から降りてきたラーレが鳴きながらレオの近くに降り立ち、背中のティルラちゃんから報せられる。


「大丈夫、レオが先に魔物がいるのを見つけたから。どうするか、今考えていたんだ」

「そうなんですね」

「タ、タクミ様……わ、私も魔物と……」


 姿勢を低くしたラーレから降りるティルラちゃんに、既に察知していた事を伝える。

 さらに、ティルラちゃんに手伝ってもらいながら、ヨロヨロと降りてきたのはヨハンナさん。

 大分、空を飛んで平衡感覚がなくなってしまっている様子だ……その状態で剣を抜くのは、危なっかしい。


「ヨハンナさんは、もしものためにクレアと一緒に。万が一もなさそうですけど、一応護衛としていて下さい」

「か、畏まりました~……」

「大丈夫かな? まぁ、あの状態で剣を抜かなければなんとかなるか」


 ヨロヨロしているので、抜き身の剣を持ったら危険そうだけど、クレアやリルルと一緒にいれば問題ないだろう、多分。


「私はどうしましょう?」

「俺と一緒に鍛錬の成果を……と言いたいけど、それは前に森でやったし、剣も持っていないから今回はヨハンナさんと一緒かな? あ、ラーレを貸してくれるかな?」

「はい、わかりました。ラーレ、タクミさんと一緒に魔物をお願いします」

「キィ!」


 ヨハンナさんの後姿を見送りながら、首を傾げるティルラちゃんも、今回は見学していてもらおう。

 ついでだし、安全に済ませるためにラーレを貸してもらう許可ももらう。

 鞍を付けたままのラーレは、片方翼を曲げて敬礼みたいにしているから、指示に従ってくれそうだ。


「って、なんだか俺が皆の司令塔みたいになっているけど……」

「ワフ。ワフ……」

「今更って言うなよ、レオ。まぁいいか……ふぅ」


 クレアにここは任せたみたいな事を言ったし、レオやフェンリル達に協力してもらう以上、俺が指示を出す役になるのは仕方ないのかもしれないけどな。

 溜め息を吐くレオをジト目で見た後、短く息を吐いて考える。

 とはいえ、レオやフェンリル達に任せれば十分過ぎるので、考え込む必要もないんだけど……どうせなら、皆で協力できるってところを見せたい。

 俺が見たいだけでもあるけど。


「グルゥ?」

「いや、もうちょっと待ってくれフェリー」


 右前足を上げて、やる気を見せるフェリーを止める。

 着実に近付いて来ている魔物達は、トロルド二体を先頭に、後ろからオークが五体。

 数が数えられるくらいの距離になっているけど、さすがにまだまだ遠い。


「……そうだな。ラーレ、あのトロルド達を押しとどめるってできるか?」

「キィ!」


 両の翼を広げて鳴くラーレは、簡単にできると言っているようだ。


「問題ないっと。それじゃ、俺がまずあいつらの動きを鈍らせるから、ラーレが押しとどめて、フェリーとフェンが飛びかかって止め。これでどうだ?」

「グルゥ!」

「ガウ!」

「キィ!」


 ちょっと試したい事があるので、先制は俺が引き受ける事にして、流れを皆に説明。

 それぞれ、やる気のある返事で頷いてくれた。


「ワフゥ?」

「あー、レオは……そうだな。もし魔物が漏れて俺達の所まで来たら、それを倒したり、逃げるのに備えていて欲しい」


 俺に向かって首を傾げるレオ。

 レオが行ったら、多分フェンリル達すら何かをする前に決着がつきそうだから、今回はお預けだ。

 とはいえそれをそのまま伝えたら、リーザみたいに拗ねてしまいそうなので、俺を守る役目という事にしておいた。


「ワフ……ワフワフ」

「ははは、確かに逃げる必要はないんだろうけどな。とにかくレオは一緒にいて、フェンリル達の頑張りを見守ろう」


 レオがいれば、もしこちらに魔物が来ても逃げる必要はないが、一応そういう事で。


「ワフ。……ガウ!」

「キィ!」

「グル!」

「ガウ!」

「こらこらレオ、あんまり強く言わなくてもいいんだぞ」


 俺に頷いた跡、ラーレ、フェリー、フェンに向かって吠えたレオ。

 それぞれ身を固くして返事をするラーレ達……レオが発破をかけたってところだな。

 ニュアンス的には、「力を見せつけろ!」と言っている感じだったけど、そこまで大袈裟にしなくてもいいだろうに。

 俺が見守ると言ったから、監視するみたいな気分なのかもしれない。


「さてさて、それじゃラーレとフェリー達はもう少し備えていてくれ。まずは俺が……」

「ワフゥ?」

「大丈夫、剣はもっていないから近付く気はないし、危ない事はしないよ」


 俺の指示通り、近付いて来る魔物達を見て備えるラーレ達。

 まずは先制をするため……というより試したい事を実施するため、レオ達の前に出て魔物の方を見据える。

 そんな俺を心配したのか、レオが後ろで鳴いたが大丈夫だ、剣も刀もないので近付いて戦闘をする気はない。

 試したい事と言っても、特に危険はないしある程度距離がある状態でできる事だからな――。




読んで下さった方、皆様に感謝を。


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申し訳ありません、更新停止中です。
夫婦で異世界召喚されたので魔王の味方をしたら小さな女の子でした~身体強化(極限)と全魔法反射でのんびり魔界を満喫~


― 新着の感想 ―
[一言] 更新有り難う御座います。 まぁ、此れからは部下に指示を出す立場だし。
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