プロローグ
4月26日。高校の2年の新学期が始まってクラスに慣れ始めたこの日。俺たち2年B組の運命は変わってしまった。
いつも通りの朝。俺冠城 斗鵺はセットしてあったアラームの電子音をけした。
「もう、こんな時間か」
時計は午前6字30分を示していた。
ベットから降り、下に行き顔を洗い、制服に着替え、焼いたパンを食べ始めた。
「行ってきます」
そのまま学校へと向かう。
「おはよう、冠城くん!今日も良い天気だね」
「おはよう、嗄月。朝からお前は元気で良いな」
「もー、冠城くんが元気なさすぎるだけだよ」
彼女は洒藤嗄月。俺とは小5からの付き合いで面倒見がよく、クラスでも人気なやつだ。
「よう、相変わらず仲良しだなお二人さん!」
「おはよう、亥月くん」
「…亥月。なんでお前も朝から元気なんだよ」
こいつは師星亥月。クラスのムードメイカー兼クラス一のバカだ。
兎に角やることなすことバカなことばかりなのだが後輩や同級生たちから良く頼りにされている。
「そりゃあ、お前…あれだよ。新学期も始まって一ヶ月たとうとしてるんだぜ? 新しい環境に慣れてきてテンション上がるに決まってるだろ!」
「いや、んなことはねえよ」
「うん、私もそれはないかな?」
「マジかよ!?」
こんな感じでいつもの通り学校までの通学路を歩いていた。
「おはよう、トモエちゃん!」
「おはよう、さーちゃん。朝から元気一杯だね」
教室に入り、嗄月はクラスの友達のもとへ亥月もクラスで良くつるんでいるグループのもとへと向かっていった。
「時間あるし。寝るか」
俺はそのままHRまでの時間を寝て過ごすことにした。
「は~い。皆さん席についてください。洒藤さんは隣の冠城くんを起こしてくださいね~」
「冠城くん、起きて。起きて、冠城くん!」
「ん? もう、HRなのか」
うつ伏せの状態から体を伸ばす。
「は~い。冠城くんも起きたのでHRをはじめますよ~」
担任の先生がそう口にする。いつもの風景、いつもと変わらない日常を送ると思っていた。
…だけど。
「あれ、教室ってこんなに明るかったけ?」
そんな誰かの一言が発せられたときには光が俺たちを包み込んでいた。