主人公のヒロインは、寂しがりやな秀才です。
遅くなってすみません!
読んでくれたら嬉しいです!
無事に自己紹介を終えたベリアルは
担任の指示の下、空いてる席
すなわち俺の隣の席へと座った。
それからは普段通り授業が行われたのだが
さすが高位の悪魔だというべきなのだろうか。
全ての教科を無双し、運動神経もオリンピック選手レベルに抜群であった。
勿論俺は自分で言うのもなんだが、堕天使ルシフェル様様なので勉学も運動も世界レベルで堂々1位ではあるが、ベリアルも中々のものだった。
そんな彼女はコミュ力すらも高いので、すぐにクラスへ溶け込んでいった。
また、「彼女は立てば芍薬、座れば牡丹」の正にそれなので、クラスだけに止まらず校内の男子の話題を独占していった。
それをよく思わない女子達も始めのうちは彼女を敵視するが、彼女の性格の良さと天使のようなオーラ(尚、彼女は悪魔である)により女子でありながらも魅了されていくのであった。
☆☆☆☆☆☆☆
…放課後。
今日一日でベリアルの凄さを改めて知らされることとなった。
徹「なんだアイツ…。チートかよ」
悟史「アイツって心愛ちゃんのこと?まぁ確かにあの子は凄いよね。頭良くて運動神経も良くて、おまけに顔もスタイルもいい。その上性格も良くて面白いなんて。あーあ、お近づきになりたい、って感じだよな。」
徹「いや、別にお近づきにはならなくていいんだけど。」
その言葉を感知したやつ否や、光のようなスピードで目に涙を溜めたベリアルがやってきた。
悟史「うおっ!心愛ちゃん!?」
心愛「はい!心愛です!って、徹様!?私はあんなにも貴方様に愛を誓っているというのに、どうしてそんなに釣れないんですか!?貴方が首を縦にさえ振れば、私はいつでも貴方の物に…」
唇を突き出しながらベリアルが顔を近づけてくるので、それを手で払いのける。
心愛「!?」
いたーい、とでも言うように涙目で訴えかけるベリアル。だが、どう考えても作った顔なのがバレバレである。
悟史「おい!お前!なんてことするんだよ!心愛ちゃんが可哀想だろう!」
悟史もベリアルの冗談(?)に便乗する。
心愛「そうですよ!徹様!!あぁ、私はこんなにも貴方様のことを思っているのに…」
徹「…」
呆れた。暇なのかコイツら。
色恋沙汰にどうこうしてる暇があるなら
その時間を睡眠に削った方がいい。
…というか眠いな。
よし、寝よう。
俺は何やら楽しげに俺に訴えかけてくる2人をそっちのけで寝た。
心愛&悟史「って、寝るなーーー!!」
☆☆☆☆☆☆☆
私の名前はベリアル。
なんでもできる敏腕家臣である。
そんな私はお父様に無理を言って
ルシフェル様の留学に遅れてついて行くこととなった。
入学初日。
ルシフェル様は相変わらず健在で、
死んだ魚のような目をしていた。
ベリアル「皆さん!こんにちは!
私は、魔界の…」
昨日徹夜で考えた挨拶を元気よく言っていると、ルシフェル様が叫び声をあげながら私を廊下に連行していった。
徹「ああぁぁあああああーーーー
きょ…今日はいい天気だなぁぁあああ??
え?転校生??へえええっよろしくーー」
???
どうしたんだろう、ルシフェル様。
もしかして私のことを忘れたのかしら。
そんなことを思いながら、私は発狂するルシフェル様を眺めていた。
思えばルシフェル様は魔界では叫んだり、焦ったりすることなどなかった。
困ったことがあっても卒なくこなし、
なにをやっても完璧だった。
そして天才肌なルシフェル様は
何をやっても暇な世界に絶望している、そんな感じがした。
私は彼を初めて見たとき、
なんだこの人目が死んでるな
としか思わなかった。
しかし、家臣として彼の側にいることが多くなると彼の完璧過ぎるであるが故の絶望を感じ取るようになった。
だから、そんなルシフェル様が叫び声をあげるなんて一体どうしたのだろう。
きっとこの世界にルシフェル様をそうさせるような、何かがあったに違いない。
私はルシフェル様を変えた何かを見つけ、それを利用して私も彼の助けになろうと決めた。
…帰りのSHRが終わり、放課後になった。
今日一日探りを入れてみて、ルシフェル様を変えたのはこの悟史という男で間違い無いようだ。
一体たかが人間風情の彼に何があるというのだろう。
そんなことを思っていると
徹「いや、別にお近づきにはならなくていいんだけど。」
ルシフェル様が私の愛情を否定するようなことを言っていたので、すかさず反応した(というか体が勝手に反応した)。
悟史「うおっ!心愛ちゃん!?」
心愛「はい!心愛です!って、徹様!?私はあんなにも貴方様に愛を誓っているというのに、どうしてそんなに釣れないんですか!?貴方が首を縦にさえ振れば、私はいつでも貴方の物に…」
と、ぐいぐい近寄っていっている(体が勝手に)と手でぺしっと払われた。
心愛「!?」
いたーい!
いや、まぁあんまり痛く無いんだけど。
冗談でいたそうな顔をしてみる、
悟史「おい!お前!なんてことするんだよ!心愛ちゃんが可哀想だろう!」
…。この男は私に便乗するのか。
ルシフェル様を変えた男は、
ルシフェル様でなく、私に味方するのか。
冗談でもルシフェル様を裏切るこの男に
ルシフェル様はどうして心を奪われたのだろうか。
心愛「…そうですよ!徹様!!あぁ、私はこんなにも貴方様のことを思っているのに…」
徹「…」
ルシフェル様が呆れた顔をして、
疲れたのだろうか寝てしまった。
…本格的にルシフェル様が寝てしまった。
ぁ、ルシフェル様の寝顔可愛い…。
そんなことを思っていると悟史という男が私に話しかけてきた。
悟史「お前さ、徹のこと本当に好きなんだな!俺も好きだぜ、徹のこと。いやまぁ友達としてだけど。」
冗談でもルシフェル様を裏切る男が何を言うのだろう。
教室に私たち以外誰もいないこともあって、
感情がいつもより起伏しやすかった。
心愛「…。人間の子。お前は、ルシフェル様を先ほど冗談だが見限ったな?だというのに何故お前はルシフェル様の心を奪ったのだ!どうして私でなく…お前なのだ?」
いつもの悪魔の姿に戻ったかもしれない。
もしかしたら羽すら隠せずに出してしまっているのかもしれない。
それでも私はこの男にそれを問いたかった。
悟史「…見限ったんじゃねーよ。冗談で戯れたんだよ。俺と徹はな、冗談で見限っただけで切れるような仲じゃねーんだよ。」
…は?
私が今までどれだけルシフェル様を追ったと思っているんだ。
この男は私の長年の想いを否定したのだ。
激しい憤りを感じた。
心愛「…無礼者!!」
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