表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
101日目の奇跡  作者: 尚文産商堂


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/20

検査入院

 そして、運命の日の週がやって来た。3日前になると、人間ドックの検査の予約もできていて、1泊2日のパックをすることになっていた。一応付添ということで一緒に来たが、さすがに女性ということもあり、病院では別れて行動することになった。いったん自分は病院内にある談話室で休憩することにした。休憩がてら仕事するためではある。

「こういうことしてると、社畜って感じだよなぁ……」

 どうなのかはさておき、感覚の問題として考えてしまう。何はともあれ、部屋の隅に席を確保し、パソコンを立ち上げた。


 しばらくして、彼女がよいしょっとやってきた。午前中の検査が終わって休憩に入ったようだ。

「大丈夫か」

「大丈夫、大丈夫。人間ドックって初めてだから、何するかって最初に説明あったし、1泊2日のプランだからっていうこともあって、なかなか量があるけどね。ただ、好きなもの食べれないってのがきついかなぁ」

「それだけで体調変わるからな。数値が変わって結果が異常値になったら大変だからな」

 自分は彼女がミネラルウォーターを飲んでいるのを見つつ、彼女に言う。言っておいてなんだが、自分の傍らには口が占めることができるタイプの缶コーヒーを飲んでいて、うらやましそうにジッと見ていた。

「帰ったら飲ませてやるから、な」

「帰ることがあったらね」

 検査としてではあったが、この後、彼女は入院することが決まっている。名目は検査入院ということで心臓を中心とした循環器の検査を重点的に行うためだ。もしも読みが当たれば、これで彼女は助かる。だが、実際、してみないと判断はつかない。もしも、と思ってしまうと、準備はいくらあっても足りないというのが本心だ。

「帰れるさ、な」

 それが空虚に響くのを、自分は止めることができなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ