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キミのくれたモノ  作者: 山路空太
42/53

42.謎解き

「次はアレに乗って、その次はコレに乗って……」

 夏澄はパンフレットを見ながら楽しそうに呟いている。

楽しそうで何よりだ。


「時間とかも考えとかないとダメだよ?」

僕が言うと、

「あ、そっか!待ち合わせが二十時だからあと三時間半か。あと二、三個が限界かなぁ……」

パンフレットを見て悩み始める。


「あのさ、僕行きたいところ一個だけあるからそこだけ最後行かない?」

「え、もちろん!全然いいよー。あっ、次バイキングに乗りたい」

 そう言って走っていく夏澄を追いかける。


「公星、ブランコは大丈夫なの?」

 列に並んでいる途中で唐突に聞かれる。

「大丈夫だよ。まぁ長時間は厳しいけど……」

「そっか、バイキングもじゃあダメだね」

「そうだね、ごめん」

「いや、なんで謝るのよ。こっちこそごめんね。じゃあちょっと待っててね」

そう言って夏澄は船に乗り込む。


「あー楽しかった!じゃ次公星の行きたい所行くよ!ついてきて!」

 そう言って前を歩く。

少し歩いてから夏澄にパンフレットを借りる。

「夏澄!」

振り返る夏澄に指で小さくバツサインを出す。

「どうしたの?疲れちゃった?」

「いや、なんでもない……行こう」

今度は僕が前に出て歩き出す。


「着いた!鏡の迷宮、ミラーラビリンス」

「え、なんで分かったの?」

「僕が大丈夫そうなとこってあと三、四個しかないでしょ?それにここちょっと僕も気になったし道順的にもそうかなって」

「じゃああのバツサインは……」

「そゆこと」

「早く行こっ!」

 悔しいと言わんばかりに語気を強めて、僕の手を引いていく。


 中へ入ると辺り一面に自分や夏澄が写る。

「なんか幻想的な空間だね」

「うん、すごく不思議な気持ちになるよ」

夏澄と二人でそんな感想を言いながら進んでいく。


「あ、ここに道順書いてるよ」

「ほんとだね、案外複雑っぽい」

 分かれ道を左に右に、そしてまた左と進む。

そうしていると再び地図の様なものがある。


「さっきの道右の方が良かったね」

「ほんとだね。戻りましょうか」

 こうして次々と進んでいくとものの十分で残りの一本道にたどり着く。


「ここの道が最短ルートだけど、最後なんか出口の前に扉マークがあったわね」

 夏澄の言った通り視界の先には扉がある。ドアノブのうえにカタカナの五十音が並べられたキーボードがついていて、ドアの側には立て札があった。


「正しい文字をドアのキーボードに打ち込め。

君たちへの挑戦

この問題がとけるかな?

ここから左をみろ。

そのコーナーに答えはある。

ヒント:問題文の名前を読み、ここが何の迷宮かを思い出したら打ち込むのだ

注)何度打ち込んでも大丈夫だ。分からなければ少し戻ればゴールに続く道がある」


 と書かれている。

少し考えて分かった僕は夏澄の方を見る。

夏澄は僕を制止して、迷いながらもキーボードに答えを打ち込む。

キーボードの上に電子の文字が出てくる。

決定ボタンを押す前に僕の方へ確認の為か振り返る。

「残念ながらハズレだと思うよ」

そう言って横から代わりに決定ボタンを押す。

先ほどまで文字が出ていた部分にバツ印が出た。


「違うのか……」

 戻って再び立て札を確認しに行く。

するとすぐに閃いたようで近付いてくる。

ちょいちょいと耳を貸せと手でジェスチャーがくる。

少し屈むと答えを夏澄がそっと(ささや)く。


 僕は頷き、

「多分ね」

と答えて打ち込む。


 するとドアは開き、無事ゴールにたどり着いた。


「さて、もう六時過ぎだし、そろそろ僕の行きたいところの答えあわせね」

 そう言って夏澄を連れて答えへと向かっていく。

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